肝斑は自然に消えるわけではない?原因と効果的な対処法とは

肝斑は自然に消えるわけではない?原因と効果的な対処法とは

30代以降の女性に多くみられる肝斑(かんぱん)の症状。一度できた肝斑は自然に消えることはないのでしょうか。本記事では、肝斑が薄くなる可能性がある年代や悪化予防が期待できるセルフケア方法を、肝斑が出る原因とともにご紹介。美容皮膚科の代表的な肝斑治療3選も解説しますので、肝斑への効率的なアプローチ方法が知りたい方、肝斑について詳しく知りたい方は参考にしてください。

1.肝斑は自然に消える?肝斑とは何か解説

出典:photoAC

両頬などにぼんやりとしたくすみのようなものが現れて、「これって肝斑?」とお悩みの方もいるでしょう。肝斑が自然に薄くなるといわれている年齢や、そもそも肝斑とは何かについて解説します。

■肝斑は女性ホルモンとの関わりが深い

肝斑の発症年齢は、ホルモンバランスが大きく変化する30~40代が中心です。そして女性が発症しやすいことから、肝斑が現れる原因として女性ホルモンの影響が指摘されています。

■肝斑が自然に消える時期は閉経後?

肝斑はホルモンバランスとの結びつきが強いため、閉経後に徐々に薄くなる場合があります。日本人女性の平均閉経年齢は50歳前後。個人差はありますが、女性ホルモンが活発化しやすい30~40代を過ぎて、50代以降になると肝斑が目立たなくなっていく可能性はあります。しかし閉経時期以外で、肝斑が自然に薄くなる、または消えるといったケースはほぼないでしょう。生活習慣や誤ったケアによっては、かえって肝斑が濃くなってしまう可能性もあるのです。
肝斑を悪化させないためのお手入れや美容医療で、今ある肝斑にアプローチすることは可能ですので、次項以降をチェックしてください。

■そもそも肝斑とは?

肝斑とは、主に顔に出る薄褐色のシミ状のものを指します。一般的なシミ(老人性色素斑)と見間違えがちですが、肝斑の大きな特徴として左右対称に現れるという点があります。また、シミは輪郭がくっきりしているのに対し、輪郭がぼやけていて大きく広がっている場合は、肝斑の可能性が高いでしょう。 肝斑の特徴によく似たものとして、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)という症状があります。肝斑とともにシミやADMが混在して現れることもあるため、症状を見極めるには医師による診断を受けることが大切です。

■肝斑が出やすい場所はどこ?

肝斑が出る場所は人それぞれですが、顔の目立つ場所に広がる場合が多く、見た目の印象に大きく影響を与えがちです。ここでは、顔の中でもとくに肝斑が出やすい部位をご紹介しましょう。

頬の周り

肝斑が現れる部位として、多くみられるのが頬とその周辺。頬骨の張り出した部分を中心に、もやっと左右対称に現れるケースが多いでしょう。頬全体に広範囲に広がる場合もあります。

肝斑は額に現れるケースもあります。眉の上~髪の生え際の範囲に現れ、眉の下までは広がらないことが特徴です。

口の周り

男性のひげのように口の周りを囲むように現れたり、あごの辺りまで広がったりする場合もあります。

2.肝斑が出る・濃くなる原因を解説

肝斑が出る原因は、主に以下の3つが考えられます。

■ホルモンバランスが乱れている

前述のとおり、肝斑の発生には女性ホルモンによる影響が大きいとされています。
とくに、妊娠時・出産前後の時期はホルモンバランスが大きく変わるため、体質やメンタルの変化とともに肝斑の症状が現れやすいでしょう。また、生理の分泌量や低用量ピルの服用によってホルモンバランスが変わり、肝斑が濃くなったり薄くなったりするケースもみられます。
また、過度なストレスも間接的な原因の一つです。ストレスによってホルモンバランスが乱れ、肝斑の発生のきっかけになることがあります。

■紫外線による影響

ホルモンバランス以外に考えられる肝斑の原因として、紫外線をはじめとした外的刺激があります。日焼けによって肝斑の発生や悪化の可能性が高まるため、シミ予防と同様に対策を行うといいでしょう。

■メイク・摩擦による刺激

洗顔やメイク、スキンケアを行う際の摩擦も外的刺激の一種。肌をこすることが肌の負担になり、肝斑が現れたり濃くなったりすることにつながる可能性があります。

3.肝斑を自分で治す方法はある?何もしないのは避けよう

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肝斑が自然に薄くなる可能性があるのは、閉経後の年代。セルフケアによって肝斑を改善させることは難しいでしょう。しかし、自分で治すことはできないからといって、何もしないでいると肝斑の悪化につながるかもしれません。ここでは、肝斑の発生・悪化予防のために行うと良い方法や、避けたほうが良いことをご紹介します。

■紫外線から肌を守る

紫外線は少量でも肌へのダメージとなり、肝斑の濃度に影響を与えます。紫外線が弱い日でも、通常のシミ予防と同様に日焼け止めをしっかり塗ったり、帽子や日傘を活用して肌を守ったりと、できる限りの日焼け対策を行いましょう。

■ビタミンCを摂取する

野菜や果物などに含まれるビタミンCには、メラニンの生成を抑制する作用があり、摂取することで肝斑の発症や悪化を防ぐ働きが期待できます。ビタミンCの摂取量の目安は、成人で1日100mg。水溶性で体内に長く留まることができないため、効果的に摂取するには、毎日3食に分けて少しずつ摂取しましょう。

■肝斑への刺激に気をつける

肝斑のために気をつけるべきことの一つとして、「こすらない」ことがあげられます。肝斑が出た部位が気になってよく触る、肝斑を隠したくてファンデーションやコンシーラーを厚く塗っているという方は、肝斑の原因である刺激につながってしまうため要注意です。また、洗顔・スキンケア・顔のマッサージなどで肌を強くこする癖のある方は、できるだけ肝斑を刺激しないよう、やさしく行うようにしてください。日頃の動作を振り返り、肌の触り方を見直してみると良いでしょう。

■生活習慣を見直す

過剰なストレスや睡眠不足、不規則な生活はホルモンバランスの乱れにつながります。生活習慣を見直し、ストレスを軽くすることは、体だけでなく肝斑にも効果的なケアとなります。具体的には、リラックスできる時間を持つこと、睡眠時間を十分に取れるよう生活習慣を見直すことを意識すると良いでしょう。

4.美容皮膚科で行っている肝斑の治療3選

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美容皮膚科・美容クリニックで行っている肝斑の治療を3つご紹介します。

■ピコトーニング

ピコトーニングは、1秒の1兆分の1であるピコ秒単位でレーザー照射を行う「Pico Sure(ピコシュア)」を用いた治療。従来は強い刺激が肝斑の悪化につながるとして、肝斑にはレーザー治療を用いないことが一般的でした。ピコトーニングは、弱い出力のレーザーを瞬間的に照射することで、メラニンを粉砕させ色素を除去するというアプローチ方法。肝斑が濃くならない程度の出力でレーザーを照射し、透明感のある肌をめざします。

■ポテンツァ

ポテンツァはマイクロニードルの先から高周波を照射する医療機器。メラニンを生成するメラノサイトに直接高周波を照射する治療で、肝斑悪化の軽減が期待できます。同時に炎症後の色素沈着などの発生にも着目。メラノサイトを破壊しないパラメーターで高周波を照射し、メラニン生成の働きを抑える、という刺激にも配慮した治療方法であることも特徴です。また、数種類のチップを使い分けることで、ニキビ痕やたるみといった肌悩みにも働きかけることが可能とされています。

■ 高濃度ビタミンC点滴

肝斑の悪化予防のため、サプリメントでのビタミンC摂取を考える方もいるでしょう。 果物やサプリメントなどに含まれる水溶性のビタミンCは、一度に大量摂取すると、多くは尿から排出されてしまいます。高濃度ビタミンC点滴は、経口摂取では難しい大量の高濃度ビタミンCを直接血液に注入。ビタミンの働きを効率的に摂り入れ、メラニン生成抑制など肌への効果が期待できます。体の内側から肝斑やシミへ働きかけて、明るい肌を目指せる美容医療です。

■まとめ

肝斑は、自然に消えるケースはほとんどない、やっかいな症状です。30代・40代のうちに肝斑を薄くしたい場合は、美容医療に頼ることを検討してみてはいかがでしょうか。美容皮膚科では経験豊富な医師が、お一人おひとりの肝斑の症状を見極め、適切な治療法を提案してくれます。誤ったセルフケアにより肝斑が悪化するケースもありますので、これ以上肝斑を濃くしたくない・肝斑に適した治療を知りたいという方は、相談してみてはいかがでしょうか。

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