「糸リフトはやっぱり糸の種類で決めるべき?」「高級感ある名前の糸のほうが効きそう」。糸リフト(スレッドリフト)施術を提供する美容クリニックはとても多く、メニュー名もさまざま。
そのため、検討の際に「メニュー名」や「糸の名称」「素材」に惹かれる人が多くいます。
しかし、美容医療の裏側を知れば知るほど、メニューや糸の名称以上に大切な事実があることに気がつくはず。
本記事では、糸リフト選びで失敗しないよう、糸リフトの名前のカラクリを紐解き、本質とも言える糸リフトの技術面における注目ポイントや名医の見極めポイントを解説します。
なぜ糸リフトにはたくさんの名前が存在するのか

美容医療クリニックのホームページを見比べると、糸リフトの施術名称がとても多いことに気づきます。まずは、この仕組みを説明していきましょう。
OEM・独自名称のカラクリ
糸リフト施術は、“糸の名前=メニュー名”としているクリニックがほとんどで、“独自の呼称”が目立ちます。
しかし、実は医療現場で認められている糸リフトの素材の種類は限られていて、目にする多様な糸も大元を辿れば同じメーカーの製品であることも少なくありません。
Aクリニックでは「Aリフト」、B医院では「Bリフト」と呼んでいるが、実は同じ糸を使った施術である、といったイメージです。
多くのクリニックがメーカー既製品を買い取りクリニックオリジナルの名称(商標)をつける方法でブランディングしており、こうした糸をOEM製品*と呼びます。
* OEM製品……クリニック側の意向で名称・商標を変えているが製造元は同じ製品
| 近年の糸リフトは溶ける糸(吸収性がある糸)を使用した施術が主流。溶ける糸の素材は以下の3種類に集約されます。
■糸リフトの素材3種類
|
| 糸リフトは素材に加えて形状や長さ・太さにもバリエーションがあり、使用目的によって使い分けされています。
■糸リフトの代表的な形状
■糸の種類とアプローチ
|
糸リフトの名前が多くて選ぶ際に混乱する人が続出?!

OEM製品が広がり糸リフトの呼称が増えることで、“選ぶ際に迷った経験がある”、“まさに現在迷っている”といった方も増加しています。
糸リフトの呼称が多い背景には、クリニック間の単純な価格競争を避ける目的や、独自の付加価値をプラスするといった目的があります。
しかし、糸リフトの呼称が増えることで適切な選択が難しくなっているのも現状です。
■糸リフトの選択が難しく感じる理由
|
糸リフトの本質は「素材」より「設計」

糸リフトにおいて糸の素材や種類は大切ですが、それらはあくまでも“施術の一部”であることを忘れてはいけません。
その糸をどう使い、どのような方向へ組織を再配置するか、といった設計(デザイン)も重要です。
糸リフトの入れ方・引き上げ方向が鍵を握る
糸リフトを検討する際は、ニーズに適した糸を選ぶことに加えて、設計(デザイン)にも注目して判断しましょう。
糸をどの層に配置し、どの組織をどこへ動かすかといったベクトルの計算によって結果が大きく左右されるためです。
糸リフトは、「ただ上方向に組織を引っ張ればOK」という施術ではありません。
顔の解剖学的な構造を理解して、皮膚の浅い層(皮下脂肪層)と深い層(SMAS層)を見極め、多層的にアプローチすることが大切です。
解剖学的構造を無視して単純に引き上げると、例えば頬骨が強調されることでかえって顔が大きく見える、ひきつれが生じる、といった不具合の原因となります。
同じ糸・同じ本数でも結果が異なることがある
糸リフトは同じ素材、同じ本数の糸を使用しても、医師によって結果が目に見えて異なることがあります。
それは、糸を固定するポイント(アンカー)の選定や、引き上げた皮膚をどこに逃がすかといった調整力に差が生じるためです。
糸リフトは医師の腕の見せどころ?!実は善し悪しが出やすい施術

糸リフトは糸の種類や設計(デザイン)に加えて、医師のセンスや熟練度、技術力も大切となる施術です。
センスが数字に出ない世界
糸リフトの施術においては、医師のセンスや数値化・言語化しにくい「感覚的技術」も無視できません。
脂肪の厚みや皮膚のたるみ具合、左右差を見極め、皮膚内部へ糸を通す際の抵抗を手元で感じ取りながら調整するなど、医師の熟練度や技量も仕上がりの美しさを左右します。
実は、施術直後の変化は医師の糸リフト経験に関わらず “出しやすい”とされています。
しかし、糸リフトの善し悪しは単純に「上がったかどうか」だけでは判断できません。例えば、以下のポイントも糸リフトを選択する上で重要です。
- ダウンタイム
糸リフトでは、組織を必要以上に傷つけず、適した層へ的確に通すことで、腫れや内出血を最小限に抑えられます。 - 持続性
適した層に適切なテンションで糸を引っ掛けることで、糸が組織になじみ吸収されてからも自身のコラーゲン繊維が支えとなり、効果が長持ちするとされています。
これらのポイントは、医師の解剖学的知見と手元の間隔や経験が差を生みます。
術後の経過を見守りながら評価する必要があり、クリニックのメニューに表示される「価格」や「本数」などの数字だけでは表現できない価値です。
症例写真で見るべき視点
糸リフトを検討する際は、クリニックの症例写真もチェックしましょう。信頼できる医師を見極める際に参考となります。
症例写真では、以下のポイントを確認しましょう。
【基本のチェックポイント】
- 撮影時期
施術前、施術直後だけでなく施術1ヶ月後、2ヶ月後、半年後など長期的な経過を確認しましょう。施術による変化とともに、ダウンタイムの様子や持続期間をイメージするためのヒントとなります。 - 仕上がりの自然さ
顔が不自然につり上がっていないか、左右差がないか、糸が透けて見えないかを確認します。複数の角度から撮影されている写真があるとより参考になります。 - 自分に近い年代の人を参考にする
糸リフトによる変化には個人差があります。できる限り自分に近い骨格や年齢、輪郭、たるみ具合の人の症例写真を探しましょう。
【さらに注視したい見極めポイント】
|
まとめ
糸リフトを選ぶ際は、ついつい「強力に引き上げる糸」「〇〇スレッド」といった糸の特徴やネーミングに惹かれてしまいがちですが、大元を辿れば同じ素材に行き着くことが多いのが現状です。
本当に注目すべきは糸ではなく、デザインや医師のセンス・技術であることを念頭に置き施術を検討しましょう。
顔の解剖学的な構造を理解したうえで不自然さがないデザインを描き、仕上げる技量を備えた医師と出会うことが理想のフェイスラインへの近道です。
この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事
| ・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |


