ニキビが潰れると赤く残るニキビ痕（ニキビ跡）。真皮層までダメージを受けている状態のため、セルフケアでの改善は難しいとされています。長年ニキビ痕に悩まされている方は、美容医療を頼ってみてはいかがでしょうか。そこで今回は、ニキビ痕の治療として代表的な「ルメッカ」を解説。なぜルメッカでニキビ痕の改善が期待できるの？ニキビ痕以外の悩みには効果がある？といった疑問にお答えします。
INDEX
１．ルメッカとは？レーザー治療との違い
出典：photoAC
ルメッカとは、光治療を行うマシンのこと。美容医療にはレーザー治療もありますが、それぞれ何が違うのでしょうか。まずはルメッカの概要から見ていきましょう。
■ルメッカはIPL光治療（フォトフェイシャル）の1つ
IPL光治療は、長短が異なる複数の波長の光をマシンで肌に照射する治療方法です。フォトフェイシャルとも呼ばれており、マシンにはさまざまな種類があります。中でもルメッカは、ピークパワーが高く、出力の幅も広いためニキビ痕や薄いシミ・濃いシミ、肌質改善など多様な症状に対応できるのが魅力。また、ルメッカはクーリング（冷却）性能が優れており、輪ゴムではじかれるような感覚が伴うもののやけどなどのリスクが少なく、施術中の痛みがほとんどないのも特徴です。
■ルメッカとレーザー治療の違い
レーザー治療は、出力の強い熱を局所的に照射して治療をするものです。レーザーには黒い色素に反応するものや赤い色素に反応するものなど種類が多々あり、使い分けることでシミや赤ら顔といったそれぞれの肌の悩みを集中的に解決します。
一方、IPL光治療は、カメラのフラッシュに似たマイルドな光を広く浅く照射していきます。そのため複数の症状へ同時にアプローチでき、顔全体のケアにも効果的。しかしレーザーに比べてパワーが劣るため、これまで薄いシミや肌の奥に隠れているシミには反応しにくいといった弱点もありました。
その点ルメッカは、出力を調整できるためシミの濃さに関わらず治療できます。つまりルメッカは、レーザー治療とフォトフェイシャルの良いとこどりをしたようなマシンと言えるでしょう。
２．ルメッカはニキビ痕に効果的？それ以外の肌トラブルはどう？
出典：photoAC
肌の悩みをまとめてケアしてくれるのがルメッカの魅力。ここからは、ルメッカがもたらす効果と、その仕組みを解説していきます。ニキビ痕以外にも該当する肌悩みがないか、ぜひチェックしてみてください。
■ルメッカの効果その1：ニキビやニキビ痕の改善
赤みのあるニキビ痕は、ニキビによるダメージが真皮層のまで広がり毛細血管が増加した結果、血液中の赤い色素が残ってしまうことが主な原因です。ルメッカは毛細血管に働きかけ、ニキビによる赤みを軽減させます。また、ニキビのもとであるアクネ菌を減少させる作用もあり、赤ニキビの予防や改善にも効果的です。
■ルメッカの効果その2：赤ら顔や酒さの改善
色白な方や皮膚が薄い方によく見られる赤ら顔や酒さ。体質や何らかの刺激によって毛細血管が拡張して現れる症状で、とくに毛細血管が集まる鼻や頬まわりで見られます。ニキビがないのに赤みが出ている場合は酒さの可能性を疑ってみましょう。ニキビ痕と同様、ルメッカを照射することで赤みを鎮める効果が期待できます。
■ルメッカの効果その3：シミ・そばかす・色素沈着の改善
ルメッカは赤い色素だけでなく、シミやそばかす、色素沈着のもととなるメラニン色素にも反応するのです。光を受けたメラニン色素は分解され、同時にターンオーバーも促すことで徐々に排出されていきます。光は周囲の肌にも影響を与えるため、顔全体のトーンアップや、色ムラの改善にも効果的。また、繰り返し治療することで、シミ予防にもつながります。
■ルメッカの効果その4：毛穴やハリ・ツヤのケア
ルメッカを照射すると、熱刺激によって真皮層のコラーゲンやエスラチンが増生します。コラーゲンやエスラチンは美肌づくりには欠かせない要素です。ニキビ痕やシミの治療をしながら、毛穴の引き締め、ハリ・ツヤの向上、肌のトーンアップなどうれしい効果を得られるのもルメッカのメリットです。
３．ルメッカは肝斑が悪化する？ほくろも取れるって本当？
ルメッカがどんな肌悩みにも対応できるかというと、実はそうではありません。例えば肝斑はシミの1つですが、ルメッカの光は刺激が強く、症状が悪化する恐れがあります。また、ルメッカは赤い色素に反応するため、毛穴が皮脂でふさがっているタイプの白ニキビや黒ニキビにも効果がありません。ニキビ痕についても、クレーターになっているものはほかの治療のほうが適切です。
巷ではルメッカでほくろも取れると噂されることもありますが、薄くなることもあれば、ならないこともあるというのが正解でしょう。いずれも自己判断で「ルメッカ効果なし」と決めつけず、クリニックで適切な判断を受けることが大切です。
４．ルメッカの料金やダウンタイムはどのくらい？
出典：photoAC
ここまで読んで、「ルメッカで治療してみたい！」と思っている方もおられるのではないでしょうか。
IPL光治療は刺激がマイルドであるため、繰り返し照射するのが基本です。しかし気になるのは、費用やダウンタイム。事前にルメッカの施術内容をイメージしておきましょう。
■ ルメッカの費用相場
ルメッカの費用は美容医療の施術の中でも比較的安いと言われており、1回につき約20,000～30,000円とするクリニックが多い傾向です。レーザーのように局所的な治療ではないため、全顔に施術するのが一般的。また、ルメッカは手の甲やデコルテなどボディにも適用可能です。クリニックによってコースが組まれているなど費用は変動するため、ホームページに表記されている価格を確認しておきましょう。
■ルメッカのダウンタイム
ルメッカは肌への刺激を抑えた施術のため、ダウンタイムがほとんどありません。レーザー治療のように保護テープが必須な施術もある中で、施術直後から普段通り過ごせるのがメリットです。ただし、一時的な赤みや腫れが現れる場合があり、毛穴の閉塞に伴いニキビが悪化することが稀にあります。ルメッカをすると「ニキビできる」と言われるのも、ダウンタイム中の経過による可能性があることを知っておきましょう。また、シミが濃くなったり、かさぶたができたりすることもありますが、いずれも正常な反応で時間の経過とともに落ち着きます。ダウンタイム中は肌へ余計な負担をかけないためにも、徹底した紫外線対策や、丁寧な保湿を行いましょう。
■効果が得やすい治療回数
従来のIPL光治療は、効果を実感できるまで4～5回は施術が必要だとされてきました。しかしルメッカは、1～2回でも肌の変化を感じられると言われています。適切な治療回数は肌の悩みや肌状態で個人差があるため一概には決められませんが、繰り返し治療を受けることで肌質を根本的に改善し、効果を長く維持できるようです。また、上述したように、シミ予防にも効果的。継続する場合は、月1回のペースで治療を行っていきます。
■まとめ
肌にニキビ痕やシミがあると、日々のモチベーションにも関わります。しかし仕事や大事な予定を控えていると、ダウンタイムがある治療はできれば避けたいもの。ルメッカは肌への負担を抑えながら、効率良く悩みにアプローチできる治療方法です。「セルフケアをがんばってはいるけど、やっぱり症状が気になる……」「少ない回数で、いろいろな効果を得たい」「これまでのIPL光治療で、効果を感じられなかった」という方は、ぜひルメッカを検討してみてくださいね。
・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。
