ニキビ痕やシワ、毛穴、肌質の改善などに効果が期待できるトライフィルプロ。今回は、治療の仕組みやメリット、効果をメインテーマにして解説します。トライフィルプロは、「ニキビ痕が気になってセルフケアをしているけど効果が実感できない」「凹凸のあるニキビ痕がコンプレックス」といった方向けの先進治療です。記事後半では治療回数の目安やダウンタイムもチェックしていくので、施術を検討する際の参考にしてください。
INDEX
１．「トライフィルプロ」とは？治療の仕組みや術式をチェック
まずはトライフィルプロの基礎知識からご紹介します。治療の仕組みやサブシジョンとの違い、術式をチェックしていきましょう。
■治療の仕組みは“機械を使うサブシジョン”ד薬剤注入”
トライフィルプロは、“機械を使うサブシジョン”と“薬剤注入”を同時にできる治療法です。シワや肌質の改善などにも効果が期待できますが、とくに注目されているのはニキビ痕への作用。クレーター状になったニキビ痕や、肌の凹凸にも効果的とされています。
まずニキビ痕に炭酸ガスを注入し、瘢痕組織を切り離します。次に、切り離すことでできた空間に薬剤を注入。ニキビ痕の再発を防ぎます。さらに炭酸ガスを注入して薬剤を均一に分散させることで、凹凸を平坦化させるのが治療の仕組みです。
| 1.炭酸ガスの注入 | 瘢痕（はんこん）組織を切り離し、正常な組織の再構築を促す。 |
| 2.薬剤の注入 | 治る過程で薬剤がクッション代わりになり、再癒着を防ぐ。 |
| 3.炭酸ガスの注入 | 薬剤を分散させて皮膚の再生を促す。また、ボーア効果によりコラーゲンの生成が促進され、ニキビ痕を根本的に改善。 |
■サブシジョンとはどう違う？
サブシジョンはトライフィルプロと同じく、ニキビ痕にアプローチできる治療法です。しかし、それぞれ施術方法や薬剤の注入方法に違いがあります。
まず施術方法ですが、医療用の針を使い手動で皮膚に挿入するのがサブシジョン。真皮と筋膜の癒着を切り離し、下から組織を持ち上げます。一方、トライフィルプロがアプローチするのはサブシジョンよりも浅い部分。浅めの凹みを平坦化することでニキビ痕の改善を図ります。
薬剤については、サブシジョンでは施術後に手動で注入します。トライフィルプロは機械を使って自動注入するため、より均一に薬剤を行き渡らせることが可能。手動注入に比べて場所による効果の差が出にくく、注入量も細かく設定できます。
サブシジョンの弱点は、肌へのダメージと施術の難しさです。トライフィルプロは、より少ないリスクで確実にニキビ痕を治したい方向けの治療法と言えるでしょう。
■「トライフィルプロ」の術式
トライフィルプロの術式には“オートインジェクション”と“マニュアルインジェクション”があります。
オートインジェクションは、機器で皮膚を吸引しながら薬剤を自動注入する術式です。吸引により液漏れしにくいので無駄がなく、短時間での施術が可能。浅いニキビ痕や小ジワなどに適しています。
マニュアルインジェクションは、肌悩みのある箇所に対し、より正確にアプローチする術式。針を使って手動で施術を行います。深いニキビ痕やシワに適しており、瘢痕の大きさや深さに合わせた治療が可能です。
２．「トライフィルプロ」のメリットと効果について
出典：photoAC
続いて、トライフィルプロのメリットと効果を見ていきましょう。
■メリットは4つ
□サブシジョンと比較して肌へのダメージが少ない
□施術の確実性が高い
□ニキビ痕の再発を防ぐことができる
□肌のハリ・ツヤに効果が期待できる
肌へのダメージが少ないと、施術時の出血やダウンタイム、色素沈着などのリスクが低くなります。また、施術の確実性の高さは術後の満足度に関わる要素。トライフィルプロは炭酸ガスと薬剤の注入量を細かな単位で調整できるので、より正確なアプローチが可能です。ニキビ痕の再発防止と合わせて、肌のハリ・ツヤの高まりも期待できるでしょう。
■ニキビに効果が期待できる！毛穴やシワにも
トライフィルプロのメリットの中でも注目したいのが、ニキビ痕への効果です。施術では注入した薬剤が皮下組織の癒着を防ぐので、ニキビ痕が作られにくくなります。新たなニキビ痕ができるのを防げば、健康的な肌を長く保てるでしょう。
ニキビ痕は赤みや凹みなどでいくつかの種類に分けられますがトライフィルプロは凹凸のある目立つ形状にも効果が期待できます。複数あるクレーター状のニキビ痕について、それぞれの特徴をチェックしておきましょう。
| アイスピック型 | 細かくて小さなクレーターのこと。アイスピックで刺したような穴の形で、小さな見た目でも深さは皮膚の深くまで達している。 |
| ボックスカー型 | 水疱瘡（みずぼうそう）の痕のように輪郭がはっきりとしており、垂直に凹んだクレーターのこと。大きさはさまざまで、クレーター状のニキビ痕の中ではよく見られる。 |
| ローリング型 | 直径4～5mm以上のクレーターのこと。角のない楕円のような形でゆるやかにくぼんでいる。 |
トライフィルプロは、これら3種類のニキビ痕に効果が期待できます。その他、シワや毛穴の開き、肌質の改善にも効果的とされているので、ニキビ痕以外の肌悩みも改善されるでしょう。
３．「トライフィルプロ」の導入薬剤│「ジュベルック」や「トラネキサム酸」など
出典：photoAC
トライフィルプロの薬剤は数種類あり、肌悩みに合わせて使い分けます。
| ジュベルック | 肌のコラーゲン産生を促す | ニキビ痕、毛穴の開き、小ジワ、肌質の改善などに |
| トラネキサム酸 | メラニン生成や色素沈着を抑える | 色素沈着したニキビ痕に |
| ヒアルロン酸 | 皮下にボリュームを出す | ニキビ痕、リフトアップ、シワなどに |
| リジュラン | 肌にハリを与える | 小ジワ、くすみ、肌質の改善などに |
| スネコス | コラーゲンやエラスチンを再合成する | 小ジワ、クマ、目元のたるみなどに |
中でもとくにニキビ痕への効果が期待できるのは「ジュベルック」です。副作用が少ない、効果が長続きする、局所注射可能、などの特徴がある薬剤で、トライフィルプロ以外ではポテンツァ治療や手打ちでの局所注射に使われます。
４．「トライフィルプロ」の治療回数の目安と値段は？
トライフィルプロの治療は、1ヶ月ごとに4～5回が目安です。マニュアルインジェクションでは1回で効果を実感できるケースもありますが、効果の出方や感じ方には個人差があります。値段については、使う薬剤の種類やショット数などで大きな差が出ますが、基本的に医師のみが施術可能です。
オートインジェクションは、クリニックによっては看護師による施術も可能。医師による術式と比べて値段が低い傾向にあります。ショット数は、100をベースに肌悩みに合わせて増えます。薬剤との組み合わせや照射範囲も値段に影響する部分なので、複数のクリニックを比較検討すると良いでしょう。
５．「トライフィルプロ」のダウンタイムと注意点をチェック
出典：photoAC
トライフィルプロのダウンタイムは約3日。赤みや腫れなどの症状が出ますが、時間とともに落ち着くケースがほとんどです。副作用と目安期間を見てみましょう。
| 腫れ | 2～3日程度 |
| 皮下気腫 | 1日程度 |
| 赤み | 数時間程度 |
| 内出血 | 1～2週間程度 |
| 針痕 | 数日 |
施術後は、洗顔・保湿を12時間控えましょう。日焼け止めは12時間以降から可能。メイクは24時間以降から可能とするクリニックがほとんどです。施術当日の注意点は、激しい運動や飲酒、サウナ、入浴など血液循環を促す行動を避けること。ピーリングなどの他の美容施術を受けるのは2週間後からとされています。
６．「トライフィルプロ」の施術を受けられるクリニックを探そう！症例と口コミを確認して
トライフィルプロの施術を受けられるクリニックを探す際は、公式サイトの症例をチェックしてみましょう。施術メニューごとの経過や料金などを知ることができ、検討材料になります。また、候補のクリニックでカウンセリングを受けてみることと、実際に施術を受けた方の口コミを参考にすることも大切です。
■まとめ
ニキビ痕に効果が期待できるのがトライフィルプロ。肌へのダメージが少なく、施術の確実性も高い治療法なので、「術後のダウンタイムや副作用が気になる」「他の治療ではあまり効果を実感できなかった」という方向けと言えるでしょう。トライフィルプロは薬剤との組み合わせで期待できる効果が変わります。クリニックを選ぶ際は取り扱いのある薬剤を確認し、料金設定と合わせて検討しましょう。
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