膣ハイフとはどんな治療?期待できる効果からよくある疑問までわかりやすく解説

膣ハイフとはどんな治療?期待できる効果からよくある疑問までわかりやすく解説

膣は、妊娠や出産、月経などに関わる女性特有の部位です。そんな膣は、顔の肌のように年齢とともにハリやうるおいが損なわれる、膣圧が低下するなどのトラブルが発生することもあります。こういった膣に関するさまざまな悩みにアプローチできるのが、膣ハイフ。主に美容クリニックで受けられる施術ですが、詳しい内容を知らない方もいるはずです。そこで、膣ハイフの施術内容や注意点、よくある質問の回答などをまとめました。

1.膣は加齢とともに萎縮する?

出典:photoAC

顔や体のように、膣も加齢による影響を受け、萎縮することをご存じですか?膣が萎縮すると、さまざまな症状が現れ、中には日常生活において不快に思うこともあります。そんな膣の悩みは、女性特有の問題。そこでまずは、なぜ膣が萎縮するのか、萎縮することでどのようなトラブルが起こりうるのかを詳しく解説していきましょう。

■女性であれば誰しも起こりうる「膣の萎縮」

膣は、女性ホルモンの一種、エストロゲンの影響を受けやすい女性器の1つです。加齢によってエストロゲンの分泌が減少すると、膣が萎縮することがあります。エストロゲンの分泌は20代後半がピークで、30代後半から右肩下がりに減少していくのが一般的です。そのため、どんなに注意していても、膣の萎縮は女性なら誰にでも起こりうるトラブルといえます。

加齢によって膣が萎縮していくのは必然的なことですが、20代などの若い世代でも、食生活の乱れやストレスなどが影響し、エストロゲンの分泌が減少することも。結果、膣が萎縮し、硬くなることもあります。そのため、年齢に関わらず、女性なら誰しも該当する問題として把握しておくことが大切です。

■膣が萎縮するとどうなる?

膣が萎縮すると、さまざまなトラブルの発生が考えられます。ここでは、膣の萎縮によって起こる代表的な問題をご紹介しましょう。

膣内が乾燥する

エストロゲンの分泌が減少すると、膣内の血流も低下し、乾燥しやすくなります。膣内の乾燥により、かゆみや性交痛、灼熱感を生じることもあり、日常生活において不快に思うこともあるでしょう。

膣がペラペラになる

エストロゲンの分泌が少なくなると、膣内の粘膜にあるコラーゲンも減少します。すると膣のヒダが減り、薄くペラペラとした膣(平らな膣)になるのです。膣がペラペラになると、性交痛を引き起こすこともあります。

自浄作用が弱まる

健康的な膣内は、乳酸桿菌の働きによって酸性を保っています。しかし、膣が萎縮することで乳酸桿菌が減少し、アルカリ性に傾向いてしまうのです。アルカリ性に傾いた膣内の環境は、自浄作用が弱まり、においの発生やかゆみの原因となります。他にも、膣内がアルカリ性に傾くことで雑菌が繁殖し、膣炎になることも考えられるため注意が必要です。

2.膣ハイフがどのような治療法なのかをチェック!

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膣が萎縮することによって、かゆみや性交痛、炎症など、さまざまなトラブルの発生が予想されます。そこで試したいのが、膣ハイフです。ここからは膣ハイフがどんな施術なのかやどのような方に向いているのか、施術後の注意点などを詳しくチェックしていきましょう。

■膣ハイフとはどのような治療法?

ハイフとは「High Intensity Focused Ultrasound」が正式名称で、この頭文字をとった略称です。日本語では「高密度焦点式超音波治療法」といいます。
具体的には、超音波エネルギーを患部に狙いを定めて照射する方法。この超音波エネルギーは、皮膚表面にはダメージを与えず、皮膚の深い層へのアプローチが可能です。超音波による熱エネルギーを受けた皮膚組織が、エラスチンやコラーゲンの生成を促し、活性化することで患部を引き締めます。顔や体にも用いられる治療法で、ハイフを膣内に照射する施術を膣ハイフと呼ぶのです。ヴィーナスハイフとも呼ばれることもある施術で、膣萎縮などにアプローチできます。

■膣ハイフが向いている方

膣ハイフは、お風呂に入った後、膣にお湯が入ってしまい、下着が濡れたことがある方や、性交痛が気になっている方に向いている施術です。また、くしゃみや咳などによって腹圧がかかった際に起こる尿漏れ改善に用いることもできます。他にも、膣が萎縮したことで発生する膣炎や産後の膣のゆるみが気になっている方などにもぴったりです。このように、膣ハイフは、女性特有の膣に関する幅広いデリケートな悩みをサポートします。

■膣ハイフ施術後の注意点

膣ハイフは、膣表面は傷つけないため、施術後でも日常生活における影響が少ない特徴があります。とはいえ、施術後には少なからず刺激が加わっているため、入浴を控える、飲酒や激しいスポーツは避ける、サウナやプールなどにはいかないなど、注意点をしっかり守りましょう。ときには、施術後1~2週間程度はおりものがでる、施術箇所がヒリつくといった症状が現れることがあります。クリニックによって施術後の注意点が異なる場合もあるため、しっかり確認して行動に移すことが大切です。

3.レーザー治療との違いは?

膣のタイトニングを行う治療機器として、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどもあります。炭酸ガスレーザーやYAGレーザーといった一般的なレーザー治療は、照射した部分の表面に作用するのが基本です。一方で、ハイフは照射した部分の深い層にまで熱エネルギーを伝えることができるため、膣に対しより効果的なアプローチを可能にします。

4.膣ハイフに関するよくある疑問

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膣ハイフに関するよくある疑問を解説します。ちょっとした疑問を事前に解決しておくことで、施術にトライしやすくなるでしょう。

■膣ハイフの頻度や目安回数は?

膣ハイフは、個人差はありますが、中には1回のみの施術で満足し、完了する方もいます。ただし、膣の状態や症状によっては、3カ月後・半年後に追加照射し、年におよそ2~3回程度施術を受けると良いでしょう。また、効果を維持するために、年に1度、メンテナンス感覚で通うことも可能。よりしっかり膣のタイトニングを行いたい場合は、年に3~4回施術可能なクリニックもあります。膣の現状や理想とする膣の状態などを明確にし、医師と相談したうえで自分自身に適した頻度や施術回数を決定してみてください。

■手術歴や子宮内避妊具を装着している場合にも施術は可能?

過去に子宮やその周辺の臓器に手術歴がある場合には、通院・治療が完了し完治していれば、施術可能なことがほとんどです。クリニックによって基準が異なる場合もあるため、手術した病院や膣ハイフを受けるクリニックの医師に相談して、施術できるかどうか決定しましょう。
子宮内避妊具を装着している場合は、膣ハイフの施術が受けられない可能性があります。子宮内避妊具が膣ハイフによる熱で変形したり、膣ハイフのマシンによって奥に押し込んでしまったりする可能性があるためです。

■膣ハイフのダウンタイムは?

膣ハイフは、麻酔なしでの施術もでき、切開もしないことなどから、ほとんどダウンタイムがありません。施術中はじんわり温かさを感じる点が特徴で、出血などの施術後の副作用も少ない傾向です。

■膣ハイフが受けられないケースはある?

生理中の場合は、膣ハイフの施術が受けられません。生理周期をしっかり把握して、治療に挑みましょう。また、膣内が出血している、膣炎を発症している、骨盤内に感染症があるなど、膣とその周辺になんらかの異常や疾患がある場合には施術できません。ほかにも、妊娠中の方、産後6ケ月経過していない方、長期間ステロイドを使用している方も、膣ハイフの施術ができないため、覚えておきましょう。これら以外にもなにか心配ごとなどがある場合には、きちんと医師に伝えて施術可能かどうか判断してもらうことが大切です。

■まとめ

膣ハイフは、年齢とともに萎縮し、ゆるみや乾燥などのトラブルが気になる膣をケアする施術です。加齢だけでなく、ライフスタイルなどが影響して、膣トラブルが発生することもあります。尿漏れや入浴後の水漏れ、性交痛など、膣に関する悩みがある方は、膣ハイフの施術を検討してみてください。医師に相談し、適切な施術を受けることで悩みが軽減されることもあります。自身の膣と、その周辺の状況を確認・相談して、快適に生活できる膣環境に整えましょう。

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