6600人にアンケート!2023年 男女の美容医療に関する意識はどう変わった?ジャンル別利用率の変化・傾向から2024年を考える

6600人にアンケート!2023年 男女の美容医療に関する意識はどう変わった?ジャンル別利用率の変化・傾向から2024年を考える

美容について興味はあっても、「美容医療」を取り入れるのは抵抗がある……という方もまだ多いのではないでしょうか。しかし、株式会社リクルート社のアカデミー調査によると、2023年は男女ともに美容医療の利用率が大きく上昇したという結果が。以前よりも美容医療へのハードルが下がり、身近になったと感じる人が増えた傾向にあるようです。そこで今回は、近頃の美容医療に対する意識の変化、どのようなジャンルの施術を受けているのかをご紹介し、2024年の美容医療ユーザーの動きを探っていきます。

1.2023年の美容医療の利用率はどう変化した?

出典:photoAC

美容についての調査機関「ホットペッパービューティーアカデミー」は、「美容医療に対する意識調査」を全国20万以上の都市に居住する10代~60代の男女に実施しています。公表された2023年度版の結果の概要とともに、利用率の変化についてチェックしていきましょう。

女性の美容内科 利用率の推移

10代~60代の女性(6600人)に調査したデータによると、2023年の美容内科の利用率は5.2%。前年の4.6%から0.6%アップしており、過去5年間で一番の上昇率となっています。

〈女性の美容内科 利用率の推移(15~69歳)〉

30代女性はさらに高い上昇率に!

出典:photoAC

30代女性(1200人)に限定すると、2023年の美容内科の利用率はなんと7.2%!肌質の変化を感じ始める年代ということもあってか、全年代の利用率とともに過去最高の数値を記録しています。

〈30代女性の美容内科 利用率の推移(30~39歳)〉

若い男性の利用率もアップ

男性の美容にかける意識の変動も大きいことにも注目です。
下記のグラフのとおり、15~19歳の若い男性の美容外科利用率が1.8%→4.0%と、過去にない上昇率を記録。男性の美容意識が高まりメンズコスメ市場が拡大する昨今。SNSなどの発信により美容医療の情報が増えたことで、若い男性にも美容医療の需要が高まっているようです。
男性の全世代のデータでも、美容内科は2.7%→3.3%、美容外科は2.3%→2.7%とアップしています。

〈10代男性の美容外科 利用率の推移(15~19歳)〉

利用者が受けた美容医療の施術は?

出典:photoAC

利用者がどのような施術を受けたのかという点が気になる方も多いでしょう。
男女の全世代を対象にした美容内科・美容外科の「過去3年以内に受けた施術」の調査データは以下のとおりです。

〈女性が過去3年以内に受けた美容医療(15~69歳)〉

1位 美肌・シミ・くすみ
2位 シワ・たるみ・毛穴
3位 ほくろ・あざ・イボ
4位 ニキビ・ニキビ痕・肌荒れ
5位 二重の整形(埋没法)

〈男性が過去3年以内に受けた美容医療(15~69歳)〉

1位 美肌・シミ・くすみ
2位 シワ・たるみ・毛穴
3位 ニキビ・ニキビ痕・肌荒れ
4位 薄毛治療
5位 二重の整形(埋没法)

出典:株式会社リクルートホットペッパービューティーアカデミー

男女ともに1位は「美肌・シミ・くすみ」、2位は「シワ・たるみ・毛穴」となっています。
老け見えにつながるシミやシワ、セルフケアで改善させるのは難しいといわれる毛穴の開きなど、肌悩みに対する治療に人気が集まっているようです。
また、レーザー治療や注射によるシワ取り、ピーリング治療といった、メスを使わない施術が広く浸透し、気軽に理想の肌を目指せるようになったことも要因として考えられます。痛みやダウンタイムに配慮した治療も多く、仕事や学校生活に大きな影響を及ぼさずに受けられることも魅力となっているようです。

美肌目的の施術以外では、美容外科の治療である埋没法の二重整形が男女とも5位に入っています。埋没法は、まぶたを糸で留めるダウンタイムが短い施術方法で、プチ整形の感覚で受けられると若い層を中心に人気が集まっています。

女性の審美歯科の利用率もアップ!

女性の審美歯科の利用率も4.2%と、過去5年間で最高の数値になっていることも特徴です。
施術内容は、1位が歯列矯正、2位が歯のホワイトニングとなっています。マスク着用が緩和されたことにより、自身の歯並びや着色が気になり始める人が急増したという背景が理由の一つとして考えられます。
矯正治療については、取り外し可能な透明の装置で矯正を行う「マウスピース矯正」の登場によって治療への抵抗感が少なくなったことも要因の一つ。歯のホワイトニングは、身だしなみを整える延長として、身近なものになっていることが伺えます。

〈女性の審美歯科 利用率の推移(15~69歳)〉

2.気軽に美容医療を受けられる時代が到来!

出典:photoAC

かつては、ごく一部の人が受けているというイメージがあった美容医療ですが、きれいになる手段の一つとして受け入れる人が増加していることが調査データから見えてきました。美容クリニックや施術を受けた人によるSNSなどの発信、実際に施術を受けた人から話を聞く中で、美容医療への心理的な抵抗感が下がり、ポジティブな印象を持つ方が増えた傾向があるようです。

「施術への抵抗感がないか」という調査では、男女ともにマスク生活が定着した2021年をピークに「抵抗感・違和感がない」と答えた人の割合が高い数値をキープしています。
マスクの着用が個人の判断にゆだねられている昨今、マスクをしていても違和感がないことから、ダウンタイムをあまり気にせずに施術を受けられるようになったという声も聞かれます。

前向きな理由で美容医療を受ける人が増えている

美容医療を受けた理由にも、ここ数年で変化がみられます。
2021年から2023年まで、男女とも3年連続で「コンプレックスの解消」が1位となっていますが、ここ3年で女性の順位がグッと上昇しているのは「時短美容のため」という理由。
男性は「価格も安くなってきたから」、「ネットでの情報や口コミを見て」が上昇傾向です。

〈美容医療を受けた理由(男女15~69歳)〉

肌をきれいに見せたい方は、ベースメイクに時間をかけるケースが多いもの。女性の「時短美容のため」という理由からは、「肌トラブルを改善してセルフケアやメイクに充てる時間を短縮したい」という美容手段の一つとして、カジュアルに美容医療を選択する意識が伺えます。また2位の「自己満足」は、自分の見た目を理想に近づけてポジティブに過ごすために、美容医療を活用していることがイメージできるのではないでしょうか。
髪・顔・体の改善にお金・時間を使いたい人への「美容に投資する理由の変化」についての調査では、1位に「内面から美しくなりたい」という理由が入っています。きれいになったその先の心の充実感を大切にしていることが見てとれますね。

一方、男性の「モテたい」という理由は、2021年の1位から毎年順位が低下。「自分へのご褒美として」という理由が、年々順位を上げています。他者の目線を気にして美容医療を受けるというよりは、「見た目の変化を楽しみたい」「理想の見た目に近づけて、自分に自信をつけたい」といった前向きな意識が現れているようです。

「安すぎる」美容クリニックに注意!

出典:photoAC

男性の4位には「価格も安くなってきたから」という理由がランクイン。美容医療はクリニックが独自に料金を設定できる「自由診療」で、同じメニューであってもクリニックによって価格はさまざまです。近年は、都市部を中心に美容クリニックが増加したことで価格競争が起き、以前よりも手の届きやすい価格で美容医療を受けられるようになりました。価格設定については、【価格が高いから技術も高いとは限らない】ものの、【極端に安すぎる価格を提示している場合は注意】が必要です。
安い理由の一つとして、技術のある医師が症例を多く集めるために、低価格でモニターを募集するケースも稀にあります。しかし、メスを使用する美容外科のメニューが安い場合、経験が少ない新人医師や、技術が未熟な医師がオペを行う【技術の質が低い】ケースもみられるのです。また、「安すぎるクリニックに行ったら、カウンセリング後に値段が大幅に上がり、結果的に高額契約になった」というような経験談もあふれています。

確かな医師による正しい治療を受けるためには、口コミやホームページの料金表などを確認して、明確な料金表示があるしっかりとした医院を選択することを意識しましょう。そして、カウンセリング時に疑問を感じた場合は安易に契約せず、他院のカウンセリングも受けてみることを検討してくださいね。

3.2023年に伸びたのは「美容内科」・「男性美容」への意識!2024年はどうなる?

リクルートの調査から分かったのは、よりきれいになるため、前向きに過ごすための手段として美容内科を利用する女性がさらに増加していること。そして、男性の美容意識が高まる中、若い世代を中心に美容クリニックへのハードルが低くなっていることです。
この2つの傾向に基づき、2024年の美容医療の動きを探っていきましょう。

体の内側からケアを「美容内科」への注目が集まる

出典:photoAC

「美容内科」は、美容注射や美容点滴などで体の内側からケアを行う診療科
コロナ禍の運動不足などをきっかけとして、「美容」とともに「健康寿命」にもアプローチしたいと「体の内側からのケア」への関心が高まっている傾向があります。美容内科のサプリメント外来に足を運ぶ人や、「iHerb」を筆頭としたサプリメントなどの並行輸入サイトの利用者が増加。エイジングケアができる「NMN」配合サプリメントをYouTuberがプロデュースし売れ行きが伸びているなど、今後も内服によるケアへの関心は継続するでしょう。

ただしサプリメントなら何でも良いというわけではなく、自分の症状や目的に合った成分を選択し、適切に組み合わせる必要があります。成分の選び方は重要なポイントであるため、別記事で詳しく解説します。

メンズ美容の意識向上が広い世代に広がる傾向

出典:photoAC

2022年までの5年間で、男性化粧品市場は約1.5倍に拡大。男性のコスメ・スキンケアアイテムの購入金額や購入率は年々上昇しています。
10代の若い世代は韓国アイドルがきっかけでメイクに興味を持ったり、ビジネスマンはオフィスや取引先での印象アップのためにスキンケアに注力したりと、理由はさまざま。すでに洗顔後の保湿ケアは、当たり前の身だしなみとして幅広い世代に浸透しています。
今後はBB クリームで肌悩みをカバーしたり、アイブロウアイテムやアイラインで目元の印象を変えたりと、メンズ美容は【より美しく、魅力的に見せる】フェーズに入っていくことが予想されます。性別に捉われずに使える「ジェンダーレスコスメ」や、カップルで化粧品を共有する「シェアコスメ」の波も広がっており、メンズ美容やジェンダーレス美容は、より主流になっていく傾向です。
同時に男性の美容医療への抵抗感も徐々になくなっていき、若者だけでなくミドル層にも美容医療の利用者が広がることが考えられるでしょう。

まとめ

スキンケアや時短美容の一環として、女性や若い男性を中心に年々利用者が増加している美容医療。シミやシワ、たるみなどのエイジングサインは、進行するほどに施術の選択肢が狭まってしまう傾向がみられます。美容クリニックでは、カウンセリングのみの来院を受けつけているところも多くあります。美容医療に一歩踏み出せない方は、「若々しく、キレイになるにはどうしたらいいの?」「自分の悩みに合う治療は?」といった疑問を、まずは信頼できる医師に伝えてみるといいでしょう。

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

RECOMMEND おすすめの記事

CATEGORY カテゴリーから探す

美容皮膚科 美容婦人科 美容内科 美容外科 再生医療 男性美容 アートメイク インタビュー クリニック ドクターズコスメ

KEYWORD キーワード

# 鼻 # 形成外科 # 審美歯科 # 再生医療 # 美容外科 # 美容内科 # 美容婦人科 # 美容皮膚科 # 学会関連 # 美肌・美白 # フェムケア # 更年期・PMS

VIEW ALL