ひどい妊娠線をなんとかしたい!産後に肉割れなどで悩む方にセルフケアや美容医療の治療を紹介

ひどい妊娠線をなんとかしたい!産後に肉割れなどで悩む方にセルフケアや美容医療の治療を紹介

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1.多くの妊婦さんを悩ませる妊娠線とは?

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妊娠線とは、お腹周りなどにできるひび割れのような痕のことです。妊娠線は健康に害を与えるわけではありませんが、「産後もきれいでいたい」と考える女性には、悩みの種。妊婦さんの約7割が経験するとも言われており、一度できてしまうと中々消えないため、多くの方が警戒しています。ここでは、妊娠線の原因やできやすい方の特徴などを、詳しくチェックしてみましょう。

■妊娠線は皮膚が伸びることでできる断裂線のこと

妊娠線とは、妊娠によって皮膚が伸び、耐え切れずに裂けてしまう断裂線のことです。お腹にできることがほとんどですが、乳房や二の腕、お尻、太もも周りといった部位に生じることも。お腹が大きくなってくる妊娠6カ月ごろからできやすく、最初は赤みのある線が痣のように現れるのが特徴です。産後は白っぽくなり、やや目立ちにくくはなりますが、薄くなっただけで消えたわけではありません。

■妊娠線ができる原因

妊娠線ができる原因は、大きく2つです。

  • 急激な体重増加……皮膚は、表皮・真皮・皮下組織から成り、表面にあるのが伸縮性の高い表皮です。表皮はやわらかいためお腹の変化に応じて皮膚を伸縮できますが、その下にある真皮や皮下組織はあまり柔軟性が高くありません。急激な体重増加に対応できず、裂けてしまうことで妊娠線ができるのです。
  • ホルモンによる影響……妊娠中は、副腎皮質ホルモンが増加します。このホルモンは、皮膚のターンオーバーやコラーゲンの生成を抑制する働きを持つのが特徴。つまり、通常よりも真皮層が弾力を失い、断裂を生じさせやすくなるということです。

■肉割れや正中線は妊娠線と違う?

妊娠線は、肉割れの一種です。肉割れも、急激に太ったときなどにできる断裂線。妊娠中にできるものを妊娠線と呼んでいるだけで、双方の症状や原因、対処法に違いはありません。
一方、正中線は、妊娠したときにおへそ周辺にでてくる1本の黒っぽい縦線のこと。妊娠線とは異なり、妊娠中に現れる生理現象です。実は、正中線は産まれながらにすべての人が持っているもの。妊娠してお腹が大きくなり、皮膚が薄く伸びることで目立つようになるだけなのです。
また、妊娠中はホルモンによる影響でメラニン色素の生成が増えるのも、正中線を分かりやすくする要因。色の濃さは人それぞれですが、出産後には自然と薄くなるのが一般的です。

■妊娠線ができやすい人は?できない人もいる?

妊娠線は必ずできるものではなく、中には経験したことがない方もいます。なお、妊娠線ができやすい方の特徴は、以下のとおりです。

  • 乾燥肌の方
  • 経産婦
  • 多胎妊娠
  • 妊娠中急激に体重増加した
  • 高齢出産
  • 骨盤が小さい方

上記の特徴にあてはまる方は、通常よりも妊娠線ができやすいため、早めにケアすることが大切です。とくに2人目以上の経産婦や双子などの多胎妊娠は、お腹が急激に大きくなりやすく「気づいたら妊娠線がひどい状態になっていた……」というケースも少なくありません。そのため、妊娠線が生じる前に、体調が安定したタイミングで予防を始めるのがおすすめです。
とはいえ、妊娠線は真皮や皮下組織の一部で発生するもの。どれだけ警戒していても、残念ながら100%防ぐことはできません。

2.ひどい状態の妊娠線が気になる……セルフケアで予防する方法は?

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ここでは、妊娠線の原因に基づいた予防法をご紹介します。

■クリームやローションで保湿する

皮膚は、乾燥により伸縮性を失います。冬に唇の皮膚が裂けやすいように、乾燥した状態では妊娠線が現れやすいでしょう。肌の伸縮性を保つ・妊娠中のかゆみを抑えるためには、妊娠線予防クリームなどでしっかりとうるおいを保つことが大切です。ドラッグストアで手軽に購入もできますが、妊娠のお祝いとしてパートナーにプレゼントしてもらうのもいいでしょう。クリームやオイルなどで優しくお腹をなでるように、マッサージするのがポイントです。

■妊娠中はなるべくリラックスして過ごす

妊娠中は、コルチゾールなどのホルモンが通常よりも多く分泌されます。コルチゾールがコラーゲンの生成を抑制する働きを持つのは先ほど説明したとおりですが、コルチゾールはストレスを感じたときに、分泌を促されることがわかっています。妊娠中はつわり・行動が制限されるなどでストレスを感じやすい時期ではありますが、妊娠線を予防するには、なるべくリラックスした環境で過ごすことが大切です。

■急激に体重が増えないよう自己管理する

急激な体重増加は、妊娠線ができる大きな要因です。つわりが終わり、体調が安定してくると、食欲が増すこともあるでしょう。しかし、短期間で脂肪がつくと、真皮や皮下組織の負担が大きくなり、皮膚は裂けやすくなります。また、過度に体重が増えることで、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群といったリスクが高まることも。
妊娠中は母体・赤ちゃんの栄養面に気をつけつつ、緩やかな体重増加を目指すのがポイントです。日本産婦人科協会が推進する体重増加の目安や、かかりつけ医の指導に従いながら、適正範囲内で体重をキープできるように心がけましょう。

■妊娠線をセルフケアだけで改善するのは難しい

セルフケアはあくまでも妊娠線を予防するためのもので、残念ながらでき始めた・できてしまった妊娠線を完全に消すことはできません。そこで、もう一つの対処法として考えられるのが、美容医療でのケアです。美容医療では、妊娠線を目立ちにくくするいくつかの治療法があります。

3.ひどい状態の妊娠線には美容医療の検討を

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できてしまった妊娠線を目立ちにくくするための治療法としては「スカーレス」や「レーザー治療」、「炭酸ガス治療」などがあります。どのようなアプローチなのか、詳しく見ていきましょう。

■スカーレス

スカーレスは、医療アートメイクの技術により妊娠線や肉割れ、傷痕などの色味を調整する施術のことです。スカーレスでは、施術部位に色素を注入し、色ムラの軽減を図ります。一人ひとりのスキントーンに合わせて、周りの皮膚となじむように色味が調合されるため、違和感が少ない仕上がりになるのが特徴です。
部位や範囲にもよりますが、施術時間は10~30分程度。ただし、スカーレスは、妊娠線や肉割れ、傷痕を目立ちにくくすることを目的としています。あくまでも色が自然になじむだけであり、完全に消えるわけではありません。

■レーザー治療

レーザー治療は、伸びてしまった皮膚を収縮させる効果が期待できる治療です。フラクショナルレーザーやダーマペンといった、さまざまな機器を用いた治療法があります。
フラクショナルレーザーは、皮膚の再生を促しなめらかな肌へと導く治療機器です。具体的には、レーザー照射により皮膚にミクロ単位の穴を開け、真皮の熱変性を生じさせます。熱変性した真皮は、周囲に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進。真皮の回復に伴い、妊娠線や肉割れ、傷痕を薄くする効果が期待できるのです。
一方、ダーマペンは、微細な針で皮膚に小さな傷をつくり、肌が持つ自然治癒力を活かしてコラーゲンやエラスチンの分泌を助ける治療機器です。ターンオーバーが活性化するため、消えにくい妊娠線や肉割れ、傷痕を目立たなくする効果が期待できます。

■炭酸ガス治療

炭酸ガス治療は、施術部位に炭酸ガスを注入する治療。炭酸ガスには、血流やコラーゲン生成を促進する働きがあります。この作用によって断裂した皮膚は再生しやすくなり、妊娠線や肉割れ、傷痕の改善に効果を発揮すると考えられているのです。
また、炭酸ガスを注入する際に、一時的に皮膚にダメージが加わります。これにより皮膚の再生能力が高まるのも、妊娠線や肉割れ、傷痕などが目立ちにくくなる理由とされています。

■まとめ

妊娠により大きくなるお腹は幸せを感じる一方で、妊娠線をはじめとした変化をもたらします。妊娠線はすべての妊婦さんに見られるわけではありませんが、多くの方が経験するのも事実です。産後は薄くなるものの、いつまでも残る稲妻のようなひび割れが気になる方も少なくはありません。気になる方は美容医療などをうまく利用しながら、自分の体をケアすることをおすすめします。完全に消えるわけではありませんが、自信を取り戻すきっかけにはなるはずです。

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