【ニキビ跡】レチノールは効果あり?成分の特徴や使い方の注意点とは

【ニキビ跡】レチノールは効果あり?成分の特徴や使い方の注意点とは

数々の肌悩みの中でも、ニキビ跡に悩んでいる方は少なくないでしょう。ニキビ跡にアプローチできる成分として、レチノールが挙げられます。本記事では、レチノールの成分の特徴や、レチノールがどのようなニキビ跡に働きかけるのかを解説。また、レチノールを取り入れる際に想定される副作用や、使用上の注意点もあわせてお伝えします。ニキビ跡に悩み、レチノール配合の化粧品を導入したいと考える方にとって役立つ内容です。

1.そもそもレチノールはどんな成分?

レチノールはビタミンAの一種です。ビタミンAは皮膚および粘膜を正常に保つ働きのほか、抗酸化作用をもたらし、若さを感じる肌を保つ効果が期待されています。
レチノール配合の化粧品や医薬品を使用すると、ニキビ跡へのアプローチが可能です。レチノールは肌のターンオーバー促進に役立ち、古くなった角質を除去。結果としてすこやかな肌が保てるようになると考えられています。
また、レチノールは皮脂分泌の抑制も期待できるため、ニキビの発生の抑制にも役立ちます。

■トレチノインとの違い

トレチノインはレチノールとともにレチノイドに分類されます。トレチノインはレチノールの誘導体であり、レチノールが体内に取り込まれると、酸化してトレチノインに変化します。
トレチノインはレチノールよりも強い作用をもたらし、その作用はレチノールの100倍もあり、小さくとも50倍ほどです。そのため、市販の化粧品には配合されず、医療機関のみで取り扱われます。

■レチノール配合の市販品と医療機関専売品の違い

レチノールを配合した化粧品は、化粧水や美容液、アイクリームなどに幅広く見られます。ドラッグストアや通販で購入できる市販品もあれば、美容クリニックや皮膚科でしか購入できないものも。両者の違いは配合されるレチノールの濃度です。
詳しくは後述しますが、レチノールは高濃度になるほど「A反応」と呼ばれる副作用が起こりやすくなる成分です。扱いには十分に注意しなければならないため、市販品に配合されるレチノールは低濃度に抑えられています。市販品はあくまでも化粧品の範囲内で効果効能を発揮するものだと認識しておきましょう。

2.レチノールの効果が期待できるニキビ跡とは?

出典:photoAC

レチノールは、さまざまな効果を期待できる成分として知られています。ニキビ跡の改善もその1つです。実はニキビ跡には種類があります。では、レチノールが有効だと考えられるニキビ跡とはどのようなタイプなのでしょうか。

■赤みを帯びたニキビ跡

赤みを帯びたニキビ跡は、ニキビ跡の中でも起こりやすいタイプです。皮膚が薄くなり、血管の色から赤みを帯びたように見えます。ニキビを潰してしまう、ケアが行き過ぎてしまうことでも起こりやすいタイプです。
ニキビは一見落ち着いたように見えても、約6ヶ月は炎症を起こしています。炎症は自然と治まるケースもありますが、6ヶ月以上を経過しても赤みが消えない場合は、改善に時間がかかる場合も。そこで、レチノールを使用すると、古くなった皮膚細胞の除去が期待でき、赤みを帯びたニキビ跡の改善にアプローチできます。

■色素沈着した茶色のニキビ跡

赤い炎症のあるニキビ跡が進行してできるのが、茶色く色素沈着したニキビ跡です。メラニンが生成され皮膚に残り、茶色いシミのようにも見えます。レチノールを使用すると、肌のターンオーバーが促され古い皮膚細胞に作用し、色素沈着に働きかけるとされています。

■クレーターのニキビ跡

ニキビがあった箇所がクレーターのように凹んでしまった状態です。化膿した酷い状態のニキビの場合にできやすく、皮膚の真皮層まで炎症が達してしまった場合にできます。
レチノール配合の化粧品を使ったセルフケアの場合、クレーター化したニキビへの効果は限定的です。クレーター状のニキビ跡に悩む方は、美容医療や専門医へ相談のうえ適切な治療を検討してみましょう。

■ケロイド化したニキビ跡

ケロイドとは、傷ができた箇所が盛り上がった状態です。化膿したニキビが同じ箇所に幾度となくできた場合に発症しやすく、また体質も原因だと考えられています。セルフケアは難しいため、ケロイドを疑った場合は、早めに医師に相談すると良いでしょう。

3.レチノール使用時に想定される副作用

レチノールはニキビ跡をはじめ、さまざまな肌悩みにアプローチできます。一方でレチノール配合の製品を使う際には「A反応」や「レチノイド反応」と呼ばれる副作用が起こる可能性もあるのです。
これらの副作用は、肌にビタミンAが不足している場合や、レチノール製品を使用して間もない場合に起こりやすいと考えられています。
以下は、レチノールの使用で想定される副作用です。

乾燥・皮むけ レチノールは肌のターンオーバーを促します。古い角質が剥がれて新しい角質の生成が行われますが、その過程で肌の乾燥や皮むけが起こることがあります。
かゆみ・赤み・ヒリヒリ感 レチノールの刺激により、かゆみや赤み、ヒリヒリ感を抱くことがあります。
ニキビ レチノールの使用に伴う肌の乾燥や赤みからニキビが起こる場合や、ターンオーバーが促されたことにより、肌内部のニキビの出現が想定されます。

レチノールの使用によるA反応でできるニキビは、肌内部に存在していたニキビである場合もあります。ニキビができやすい肌状態だった方は、ニキビが悪化しているのではなく、肌のターンオーバーが正常に行われている好転反応でニキビができていることも。
副作用の多くは一時的なもので、肌がレチノールに慣れてくれば落ち着いてくるため、心配しなくても良いケースが多いです。ただし、症状が重い場合は医師に相談しましょう。

4.レチノールに期待できるその他の効果

出典:photoAC

レチノールはニキビ跡以外にも期待できる効果があります。以下に挙げていきましょう。

■シミにアプローチする

レチノールはシミにもアプローチします。レチノールの働きに肌のターンオーバーの促進が挙げられます。肌のターンオーバーが促されると、シミの発生源とされるメラニンも排出されやすくなるため、レチノールはシミが気になる方にとって役立つ成分といえるでしょう。

■シワにアプローチする

シワができる主な原因に、肌の弾力が弱くなることが挙げられます。年齢を重ねると、肌の真皮にあるコラーゲンやエラスチンなどの生成がされにくくなるため、肌の弾力が落ちてしまうのです。
レチノールを使用すると、このコラーゲンやエラスチンの生成が活性化されると考えられるため、ハリのあるすこやかな肌が目指せるでしょう。

■毛穴の黒ずみにアプローチする

レチノールは、毛穴の黒ずみにもアプローチします。毛穴に黒ずみが現れる主な原因に過剰な皮脂分泌が挙げられます。レチノールは皮脂分泌の働きを正常に保つ役割が期待でき、毛穴の広がりを抑制。また、ターンオーバーの促進により、古くなった角質が剥がれやすくなり、角栓が詰まりにくい肌になります。

5.レチノールを上手に使うためのポイント

出典:photoAC

ここまでに解説したように、レチノールはさまざまな肌悩みにアプローチする成分です。しかし、使用には注意したい面もあります。以下で、レチノールの使用時の注意点やポイントをお伝えしましょう。

■使用順や組み合わせに注意する

レチノールを使用する際は、化粧品の使用順に注意します。レチノールを含む製品は、化粧水や乳液を付けた後に使用しましょう。レチノールは油分であるため、初めに付けてしまうと、化粧水や乳液に含まれる水分の浸透を妨げる可能性があるからです。
また、他の配合成分を含む化粧品との併用にも注意しなければなりません。例えば、ニキビ跡にはレチノールの他にビタミンCも有効だとされていますが、ビタミンC配合の化粧品と併用する場合は、双方の作用の低下を防ぐためにビタミンCを先に使用します。その後、レチノールを使用すると良いでしょう。
レチノールと同様に、ニキビ跡にアプローチする成分にハイドロキノンが挙げられます。ハイドロキノンは、メラニンの生成を抑える機能があり、とくに色素沈着した茶色いニキビに作用します。
このハイドロキノンとともにレチノールを使用してしまうと、強い炎症を引き起こす恐れがあるため、併用は推奨されていません。ただし、レチノールと同じレチノイドに分類されるトレチノインならハイドロキノンと併用できる可能性があるため、医師に相談してみましょう。

■使用量や頻度を守る

レチノールを使用する歳は、使用量や頻度を必ず守ります。とくに医療機関で扱われている高濃度のレチノールは、A反応が想定されています。A反応は想定内の副作用ですが、中にはA反応ではない炎症が起きているケースも。医師の指示に従って使用しましょう。
市販品を使用する場合も、説明書に記載された量と頻度の厳守が重要です。

■保湿をする

レチノールの作用には肌のターンオーバーの促進があります。ターンオーバーが行われると、肌が乾燥しがちになるため、保湿ケアが欠かせません。具体的にはヒアルロン酸やセラミド配合のスキンケア製品を用いると良いでしょう。

■紫外線対策をする

レチノールにはターンオーバーを促す働きがあると説明しましたが、ターンオーバーが盛んな時期の肌は、普段よりも紫外線によるダメージを受けやすい状態です。
A反応が起きているときは肌のバリア機能も低下しがちなので、日焼け止めの塗布や、上着などで肌の露出を抑えるなど対策をしましょう。

■まとめ

ビタミンAの一類であるレチノールは、肌を正常に保つ効果が期待でき、ニキビ跡へアプローチすることができます。ただし、ニキビ跡の種類によっては効果を実感しにくい場合があります。ニキビ跡にお悩みの方は、美容クリニックや皮膚科の医師に相談してみると良いでしょう。
また、市販品とクリニックや皮膚科で処方されるレチノールとでは、配合される濃度が異なります。高濃度レチノールを配合する製品は、より高い効果を実感したい方にとって役立ちますが、一方でA反応が起こりやすい点も把握しておきましょう。

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