夏はもうすぐ!汗の対策してますか?脇ボトックスやミラドライで汗の悩みを解決すれば猛暑も快適に

夏はもうすぐ!汗の対策してますか?脇ボトックスやミラドライで汗の悩みを解決すれば猛暑も快適に

「汗ジミや自分のニオイが気になって人に近づけない」、「メイクをばっちり決めても汗で顔がすぐベタついてしまう」など、夏場の汗にまつわる悩みは多岐に渡ります。1日に何度も制汗剤を塗ったり、汗で崩れたメイクをこまめに直したりと、汗対策の負担は意外と大きいもの。
美容医療では、そんな汗悩みの根本的な解決を目指す「切らない」治療が用意されています。今回は、暑い夏のQOLを向上できる脇ボトックスやミラドライなどの汗対策メニューについて詳しく解説しますので、手軽に汗を抑える方法が知りたい方はぜひチェックしてください。

夏の汗による悩み

出典:photoAC

夏場の汗にまつわる悩みといえば、嫌なニオイにつながる「脇汗」とせっかくのメイクが崩れてしまう「顔汗」が代表格。暑くなるにつれて、運動の後はもちろん、電車やバスでの移動時や仕事中など、日常生活の中で汗やニオイが気になる場面が増えていきます。制汗スプレーなど市販の汗対策グッズを活用しても、肌に合わず炎症を起こしてしまったり、メイクがよれてしまったりと上手く対処できないケースもあるでしょう。

人は暑さで汗をかくことで体から熱を逃しており、発汗自体は体温調節のための大切な生理現象です。しかし汗によって、着る服の色が制限されたり、自信を持って人と接することができなくなったりすることは避けたいもの

美容クリニックや美容皮膚科では、脇や顔の汗を抑制するための治療が複数用意されています。
「汗を止めることで体に悪い影響はないの?」と心配になる方もいるかもしれませんが、全身には汗を分泌する器官である「汗腺」が約400万個あり、そのうち脇の下にあるのは約2%ほど。部分的に汗腺の働きを抑制しても、体温調節など体の機能には影響ないといわれています。

「汗はかくもの」と諦める前に、美容医療の力を借りて汗を抑えてみるのはいかがでしょうか。
近頃は、多汗症などの疾患ではなくても「不快な汗をなんとかしたい!」という理由で、気軽に自由診療の汗対策治療を受ける方が増えています。

多くの人を悩ませる脇汗・顔汗に対処できる美容医療メニューについてチェックしていきましょう。

脇汗の施術方法は?

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汗を抑える治療は、汗腺へのアプローチの仕方によって以下の3種類に分けられます。

  1. 汗腺への「汗を出す指令」を止める治療(ボトックス)
  2. 汗腺の働きをストップする治療(ミラドライ)
  3. 汗腺を除去する治療

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汗腺は上図のように、皮膚の浅いところにある「エクリン汗腺」、皮膚の深いところにある「アポクリン汗腺」があります。脇の嫌なニオイの原因は、アポクリン汗腺から出た汗が、皮膚表面にある雑菌を分解することによるものです。
3種類の治療のうち、3の「汗腺を除去する治療」は、アポクリン汗腺を直接取り除くことで、汗の量を減らす手術。根本的な治療が行えますが、長いダウンタイムが生じるうえ、傷痕や色素沈着が残るリスクもあります。

今回ご紹介するのは、メスを使わずに汗腺の仕組みにアプローチする1と2の治療です。
治療内容や特徴を理解して、自身にぴったりの方法を見つけてみましょう。

1.脇ボトックス│注射のみで発汗とニオイを軽減できる治療

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シワの軽減や痩身、エラ張りの改善などに用いるボトックス注射は、脇に打つことで汗の量やニオイを抑える効果も期待できます。効果は一時的ですが、脇に注射を打つだけという治療法で、ダウンタイムもほぼないため、「夏に向けて手軽に汗対策したい!」という方に向いている治療です。

注射で汗が止まる!脇ボトックスのメカニズムは?

前述のとおり脇ボトックスは、汗腺への「汗を出す指令」を止めることで発汗を抑える治療
発汗する際、交感神経からアセチルコリンという物質が放出されますが、この“汗を出す指令”をボトックスの有効成分であるボツリヌス毒素が止め、エクリン汗腺を麻痺させます。個人差はありますが、エクリン汗腺からの発汗を70~80%減らすことができ、皮膚表面の雑菌も繁殖しにくくなることからニオイもある程度抑えることが可能です。

脇ボトックスの即効性と持続性は?

脇ボトックスの効果は、治療後数日~1週間ほど経過してから表れるケースが多いようです。
またデメリットとして挙げられるのが、制汗の効果は半永久的ではないという点。注射1回の効果は2~9ヶ月程度で、効果がなくなる前に再び注射を打つことで効果を持続できます。夏の間だけ汗が気になるという方は、夏前にだけ脇ボトックスを受けるのも一つの手。適切な治療ペースを医師に相談してみると良いでしょう。

脇ボトックスの痛みとダウンタイムは?

脇ボトックスは注射を打つ範囲が限られているため、治療に要する時間は両脇で10~15分程度。大きな痛みは伴わないものの、注射針を刺す痛みはあります。麻酔クリームなどをオプションとして提供するクリニックも多いため、痛みが不安な方は検討すると良いでしょう。
ダウンタイムについてはほとんどなく、治療当日から普段通りの生活が可能。注射直後はボツリヌス製剤による皮膚のふくらみがみられますが、1時間程度で吸収されます。

脇ボトックスの費用相場は?

脇ボトックスの費用は、使用するボツリヌス製剤や注入量の設定により大きく異なりますが、自由診療で1万5000円~10万円前後が相場。(麻酔代は別途)
製剤は、米国アラガン社製のボトックスビスタ®や、韓国製のニューロノックス・ボツラックスなどがあり、韓国製の場合は比較的安い費用で治療を受けられる傾向があります。

脇ボトックスは保険で受けられるの?

脇ボトックスが保険適応となるのは、原発性局所多汗症の診断基準を満たす、重度の多汗症と医師が判断した場合のみ。多くのケースは自由診療となります。

2.ミラドライ│汗腺の働きをストップする治療

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ミラドライは、電子レンジにも使われるマイクロ波を脇に照射し、汗腺の働きを止める治療。脇ボトックスはエクリン汗腺に作用して発汗量を抑えるのに対し、ミラドライはニオイの原因となるアポクリン汗腺にもアプローチできます。効果が半永久的である点も大きなメリットですが、脇ボトックスとは異なるデメリットもあります。

汗腺の働きをストップ!ミラドライのメカニズムは?

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汗腺には水分が多く含まれています。ミラドライは、マイクロ波が持つ「水分に吸収されることによって熱を発する性質」を利用した治療法です。
ミラドライのハンドピースを脇に当てると、照射されたマイクロ波が水分を含んだ汗腺に吸収され発熱。エクリン汗腺・アポクリン汗腺の70~80%を焼却して働きを止め、汗・ニオイを抑えます。

ミラドライの即効性と持続性は?

ミラドライは、厚生労働省承認のワキガ・多汗症治療器を用いた治療。マイクロ波が破壊した汗腺が再生することはほぼないといわれており、汗・ニオイを抑える効果は半永久的に持続します。効果は治療翌日~3日後に実感できるケースが多く、即効性が高いです。

ミラドライの痛みとダウンタイムは?

汗腺を焼却すると聞くと、やけどや痛みが心配になる方もいるでしょう。ミラドライは特殊な冷却システムを搭載しており、肌表面を冷やしながら汗腺へ熱を届けます。そのため、重度のやけどを負うリスクはありません。また、強い痛みを感じにくくするため、治療前には麻酔を使用。治療時間は1時間程度となっています。
ダウンタイムは、脇ボトックスがほとんどないのに対し、ミラドライは1~4週間ほど。個人差はありますが、赤みや腫れが一定期間出るため服装には気をつける必要があります。

ミラドライの費用相場は?保険適応になる?

ミラドライの費用相場は20~40万円程度と、高額になるケースが多くみられます。また、比較的新しい治療法であることから保険適応にならず、自費で受ける必要があります。費用面の負担が大きいことは、気軽に受けられないという点でデメリットとなるでしょう。

顔汗も同じ施術で治せる?

出典:photoAC

体の中でも最も多く汗をかくのは、実は顔(額)だといわれています。ご紹介したミラドライの施術範囲は脇だけですが、ボトックス脇だけでなく、顔などの広範囲を治療可能です。夏のメイク崩れが気になる顔汗への治療をチェックしていきましょう。

顔の汗や皮脂を抑えられるボトックスリフト

顔汗に対するボトックス治療に、「ボトックスリフト」があります。クリニックによっては、マイクロボトックスやスキンボトックスといったメニュー名で提供されている治療です。

ボトックスリフトは、ボトックス注射で使用しているものと同様の製剤を使用します。
ボトックス注射が筋肉層の深さまで注入するのに対し、ボトックスリフトは皮膚のとても浅い層へ、注射器で微量に細かく注入。表情筋が固まることなく自然なリフトアップ効果を得られるのに加え、顔の汗や皮脂を抑制する効果も得られます。

注入する部位は?

ボトックスリフトの施術範囲は、全顔~首など広範囲です。
頭や顔の汗腺は髪の生え際あたりに集中しているため、制汗が目的の場合は額を中心に、汗をかきやすい部位を見極めながら注入を行います。

効果の持続期間やダウンタイムは?

ボトックスリフトの効果は、治療後2週間ほど経過してから現れ、6ヶ月ほど持続します。ボトックス注射と同様に、痛みやダウンタイムはほぼありません。体質によって内出血が生じるリスクはありますが、1~2週間程度で自然に消えていきます。治療当日からメイクやシャワー、洗顔可能です。

費用相場は?

ボトックスリフトの費用相場は、4万円台~6万円台となっています。クリニックや治療する範囲によって開きがありますので、カウンセリング時に確認すると良いでしょう。

半永久的な効果ではなくても、比較的手の届きやすい価格・少ない痛みやダウンタイムで悩みを解決できるのが、ボトックスの大きなメリット。顔や脇の汗でお悩みの方は、信頼できる医師のもと、治療を受けてみることをおすすめします。

まとめ

かつての多汗症やワキガに対する治療は手術が主流だったため、傷痕が残ることや入院が必要であることなどがデメリットでした。近年は医療の発展により、注射で手軽に汗を抑えることが可能と。加えてニオイの軽減も期待できることはメリットです。
年々気温が上昇している昨今、「暑くなる前に汗を抑えて、少しでも快適に過ごしたい」、「大切なイベントに向けて、汗やニオイを抑えたい」という要望がある方は、早めに美容クリニックや美容皮膚科へ相談してみてくださいね。

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