ニキビや毛穴などあらゆる症状にアプローチできるとして人気の「ポテンツァ」。肌トラブルに悩む方にとっては、気になる美容医療の1つではないでしょうか?しかし、初めての方は「痛みはある?」「ダウンタイムが心配」と不安なことも多いはず。そこで今回は、ポテンツァの基本を分かりやすく解説。具体的な治療内容や料金の目安などについてもお伝えします。
1.ポテンツァとは?
ポテンツァ(POTENZA)とは、皮下に刺入したマイクロニードル(極細の針)の先端からRF(高周波)を照射し、真皮層に熱エネルギーを与える医療機器です。
ポテンツァでよく耳にする“トリプル効果”とは、次の3つによるもの。
- マイクロニードル刺激による創傷治癒
- RF照射による肌の引き締め・組織の再生
- ドラッグデリバリーシステムによる薬剤注入
まずは、これら3つの効果について詳しく説明しましょう。
■マイクロニードル刺激による創傷治癒
ポテンツァでは、マイクロニードルによって皮膚に微小の穴を開けます。これによって、創傷治癒力が高まり、コラーゲンやエラスチンの産生が活発化。その結果、新しい組織の形成が促されて、毛穴や小ジワ、肌質そのものの改善へとつながります。
■RF照射による肌の引き締め・組織の再生
マイクロニードルの先端から出力されたRFはコラーゲンが生成される真皮層に直接届き、皮内でのタンパク質変性を起こします。この1次効果によって、肌が引き締まり、リフトアップが叶うでしょう。
そして、RF照射が与えた熱損傷によって創傷治癒力が高まり、コラーゲン生成が促進されるというのが2次効果。組織の再生が促され、弾力やハリ、ツヤを生み出します。
■ドラッグデリバリーシステムによる薬剤注入
これまでにもマイクロニードルとRFをかけ合わせた治療はありましたが、ポテンツァでは改善したい症状に合わせて10種類以上ものチップ(使い捨て針)を使い分けられるところが特徴です。その中でも、「ポンピングチップ」と呼ばれるチップには「ドラッグデリバリーシステム」を搭載。これは、ニードルを抜く際に空気の力で薬剤を肌の内部に均一に届ける仕組みで、必要な成分をしっかりと真皮層まで浸透させられるようになります。
2.ポテンツァはどんな効果がある?
3つの効果を併せ持つポテンツァは、次に挙げたようなさまざまな肌悩みを改善へ導きます。
- 小ジワ
- うるおいの減少
- ハリや弾力の低下
- 軽度のたるみ
- 毛穴
- ニキビ痕の凹凸
- キメの乱れ
- くすみ
- ニキビ
- 肝斑
ポテンツァは、エイジングケアとしても人気が高く、あらゆる肌タイプに対応できる治療法です。他のニードル治療では効果が感じられなかった方も一度試してみると良いかもしれません。
3.ポテンツァのメリット
ポテンツァのメリットについて、見ていきましょう。
■肌の奥までしっかり薬剤を注入できる
ドラッグデリバリーシステムによって、真皮層まで確実に、均一に薬剤を行きわたらせることができます。必要成分がしっかりと肌の内部にまで届くことで、効果も得られやすくなるでしょう。
■さまざまな肌の悩みにアプローチできる
ポテンツァは、ドラッグデリバリーシステム搭載の「ポンピングチップ」をはじめ、小ジワや毛穴の開きに働きかける「SFAチップ」、針のない「ダイヤモンドチップ」など、肌の悩みや症状に合わせてチップを付け替えられる点が大きな魅力です。
■少ない回数でも効果を実感しやすい
ポテンツァはトリプル効果によって、1回の施術でも高い効果を感じやすいというメリットがあります。もちろん効果の出方には個人差がありますが、忙しくてなかなかクリニックに通えない方、少ない施術回数で悩みを改善したい方にはうれしい方法といえそうです。
■痛みやダウンタイムが少ない
個人差はあるものの、ニードルを刺す際にチクッとした痛みを感じる方が多いようです。とくに、頬や鼻、顎などは痛みを感じやすいため、クリニックによってはクリームタイプの麻酔(表面麻酔)も使用できます。
ただ、従来のニードル治療と比較すると、ポテンツァはより痛みに配慮された治療法。とくに肝斑やたるみ治療の場合には、麻酔なしでも治療できるほど痛みが少ないといわれています。
また、ダウンタイムについても比較的少ない点がポテンツァのメリット。ニードルによる傷からの出血をRF照射が止血するため、赤みが出にくく、翌日からはメイクも可能です。
■より効果的な肝斑治療ができる
従来の肝斑治療では一時的にメラニンを排出できるものの、治療を休むと元に戻りやすいというデメリットがありました。その点、ポテンツァではメラニンを産生するメラノサイトへ直接働きかけることで、メラニンの産生そのものを抑制。肝斑をそもそも作らない肌作りを目指せます。
4.ポテンツァとダーマペンの違い
ポテンツァと同じニードル治療のため、よく比較されるのがダーマペン。ダーマペンとの共通点や違いについてご紹介します。
■ダーマペンとは
ダーマペンとは、超極細のマイクロニードルによって肌表面に小さな穴を開けることで、肌の回復力を高める施術。コラーゲンやエラスチンの生成が促されることで肌の再生が進み、肌質改善や美肌効果を発揮します。
■ポテンツァは「ダーマペンの進化版」
ダーマペンは、ニードル刺激によって肌の治癒力を高める点ではポテンツァと共通しています。しかし、ポテンツァが“ダーマペンの進化版”と呼ばれているのは、次のような違いが理由のようです。
・効果
ポテンツァはマイクロニードル刺激だけでなくRF照射とドラッグデリバリーシステムがあるため、ダーマペンよりも皮膚の深層部まで働きかけることが可能。さらに、チップの付け替えができることで、ダーマペンでは治療が難しかった肌悩みまで対応できます。
・施術頻度
ポテンツァは1回の施術でも成果を出しやすいため、施術間隔を長くとることができます。一方で、ダーマペンは効果が少しずつ現れるため、短いサイクルでかつ複数回の施術が必要になる可能性が高いです。
・痛みやダウンタイム
ポテンツァもダーマペンもニードルを刺す際の痛みはありますが、ポテンツァのほうが痛みに配慮されているといわれています。ポテンツァにはニードルを刺すときに肌を吸引することで痛みを軽減できる機能がありますが、ダーマペンにはありません。
また、ポテンツァはRF照射によって傷からの出血を止められるため、ダーマペンよりも治療後の肌の赤みや腫れといったダウンタイムが少なくなる傾向にあります。
・費用
一般的に、ポテンツァの方がダーマペンよりも値段が高く設定されています。これは、ポテンツァにRF照射が採用されており、より高度な技術と設備が必要となるからです。
5.ポテンツァはどんな人に向いている?
ポテンツァは、次のような方に向いています。
- 痛みに弱い方
- ダウンタイムが心配な方
- さまざまな肌悩み(とくにニキビや毛穴)がある方
- 美肌ケアとエイジングケアを同時に叶えたい方
- 従来の肝斑治療に満足できなかった方
- 他の治療が合わなかった方
ポテンツァは、より高い効果を得たい美容医療経験者に人気ですが、痛みやダウンタイムに不安を感じる美容医療初心者にもトライしやすい治療法といえるでしょう。
6.ポテンツァの治療内容は?
最後に、ポテンツァの具体的な治療内容についてご紹介します。
■施術時間と施術間隔
ポテンツァの施術時間は、施術内容や麻酔の有無などにもよりますが約30〜90分が目安。より効果を持続させるために、4~6週の間隔で3~4回くらい通うというのが一般的です。ただし、治療部位によっても施術回数は異なります。例えば、浅いニキビ痕は3~5回程度、深いニキビ痕だと5~10回程度は必要。肝斑も5回以上は通った方が効果を得られやすいといわれています。
■ダウンタイムや副作用
治療後は赤みが出やすくなりますが、2日以内に治まることがほとんど。ただし、熱感は3~4日続くこともあるようです。また、針痕は翌日にはほぼ目立たなくなり、小さなかさぶたが数日後に出現しても1週間程度ではがれてなくなっていきます。ただし、稀に色素沈着、アレルギー反応が起こる場合もあるため、異変を感じたらすぐに担当医に相談すると良いでしょう。
■施術料金の目安
ポテンツァの施術料金は、全顔1回で10~13万円が一般的なようです。ただし、料金設定はクリニックによって異なり、治療内容によっても差があるため一概にはいえません。クリニックを選ぶ際には、料金表や割引制度などもしっかりとチェックするようにしましょう。
■まとめ
マイクロニードルによる刺激に加え、RF照射やドラッグデリバリーシステムなど“トリプル効果”によって高い効果を生み出すポテンツァ。痛みやダウンタイムにも配慮されているため、美容医療が初めての方でも挑戦しやすいでしょう。治療の進め方や料金についてはクリニックによって差があるため、ご自身の肌の状態や予算と照らし合わせながら検討してみてください。
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