ビタミンCを使うとニキビできるって本当?効果を実感できる選び方とは

ビタミンCを使うとニキビできるって本当?効果を実感できる選び方とは

「ビタミンCでニキビできる」という噂を耳にすることがあります。ビタミンCといえば、美容や健康に良いというイメージがありますが、ニキビができるなら使用するのを控えようと考える方も少なくないはず。ここでは、この噂の真相のほか、ビタミンCの種類や特徴についても解説していきます。ビタミンC配合の化粧品を検討されている方、噂を聞いて使うのをやめてしまった方はぜひチェックしてみてください。

1.ビタミンCでニキビできるって噂は本当?

結論からいうと、ビタミンCでニキビができるとは考えにくいです。仮にビタミンC配合の化粧品を使用してニキビができた場合は、肌に合わない成分が入っていた可能性が高いでしょう。
ビタミンCには「ピュアビタミン」と「ビタミンC導入体(プロビタミンC)」があります。ピュアビタミンCは壊れやすい性質を持っているため、化粧品に使用する際は酸化防止剤を混ぜていることがほとんど。このような添加剤は肌に刺激を与えやすいので、皮膚炎やアレルギー反応を引き起こす場合もあります。ビタミンCでニキビができた場合は、使用した化粧品の成分を確認してみましょう。

2.ビタミンCの特徴と種類

出典:photoAC

ビタミンCはメラニン産生の抑制のほかに、コラーゲン生成の促進やシミ・シワなどを目立たなくする効果が期待できます。また、細胞膜の脂質などを酸化させる活性酸素を抑える働きも。さらに、メラニン色素を薄くする役割もあるので、シミやそばかすに加え、ニキビ痕にも効果が期待できます。

■ピュアビタミンC

「ピュアビタミンC」は安定性が低く、空気や紫外線、光などに当たるとすぐに酸化するため、コラーゲンの生成やメラニン色素に働きかける間もなく壊れてしまいます。また、このビタミンCは水溶性なので、皮脂膜に覆われている肌に浸透しにくい特徴もあるのです。
ピュアビタミンCが酸化すると、活性酸素である「アスコルビン酸ラジカル」が変化し、細胞膜を損傷させることで肌の状態を悪化させる場合があります。
そのため、ビタミンCと記載のある化粧品のほとんどが、持続性の高い「ビタミンC誘導体」を配合しているのです。

■ビタミンC誘導体(プロビタミンC)

「ビタミンC誘導体(プロビタミンC)」は、ピュアビタミンCにさまざまな物質を結合させて安定性を維持した成分のことです。ピュアビタミンCの弱点である活性酸素を発生させるリスクを抑制し、肌に吸収された後、酵素反応を起こしながらビタミンCに変化していきます。そのため、メラニン色素の生成抑制や淡色化に効果が期待できるといわれているのです。
ビタミンC誘導体の誕生によって、さらに肌へ有効なアプローチが可能になりました。近年では多くの化粧品に配合されており、ニキビやシミの予防・トーンアップ・毛穴ケアを意識している方から支持されています。

3.ビタミンCの効果を実感しやすい選び方

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ビタミンCを効果的に使用するには、自分の肌タイプや肌悩みに適したものを選ぶことが大切です。効果を実感しやすい選び方について解説します。

■ビタミンC誘導体のタイプで選ぶ

ビタミンC誘導体は主に「水溶性」「脂溶性」「両親媒性」の3種類があります。これらの特徴についてそれぞれご紹介しましょう。

水溶性ビタミンC誘導体

「水溶性ビタミンC誘導体」は、角質層への浸透が早く即効性がある反面、持続性は低いのが特徴。水に溶ける性質を持っているため、化粧水や美容液などの水っぽいテクスチャーのものに使用されることが多くあります。皮脂を制御する効果が期待できるので、肌のべたつきが気になる方におすすめです。ただ、高濃度配合のものを使用すると、乾燥や刺激を感じる場合があるため、乾燥肌や敏感肌の方は注意しましょう。
水溶性ビタミンC誘導体の代表的な成分名称は「リン酸アスコルビルMg(APM)」と「アスコルビルリン酸Na(APS)」です。

脂溶性ビタミンC誘導体

「脂溶性ビタミンC誘導体」は、皮膚の奥の真皮層までしっかりと浸透する反面、吸収するのに時間がかかるのが特徴。油に溶ける性質を持っているため、ジェルやクリームなどのねっとりとしたテクスチャーのものに使用されることが多くあります。メラニン生成の抑制にアプローチしてくれるので、シミやくすみなどが気になる方に適当です。また、保湿性も高いことから乾燥肌や敏感肌の方に使いやすい成分といえます。
脂溶性ビタミンC誘導体の代表的な成分名称は「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)」です。

両親媒性ビタミンC誘導体

「両親媒性ビタミンC誘導体」は、水溶性の「即効性」と脂溶性の「浸透力」を併せ持ったもの。水溶性・脂溶性ビタミンC誘導体よりも浸透力が高く、真皮層まで成分を届けてくれます。それに加え、刺激に配慮されており、高い持続性を持っているのも特徴です。肌のハリを保つコラーゲン生成を促す作用があるため、加齢によるたるみが気になる方におすすめ。ただ、水溶性・脂溶性ビタミンC誘導体よりも価格が高く、保管方法や使用期限に決まりがあるので、使用の際には注意が必要です。
両親媒性ビタミンC誘導体の代表的な成分名称は「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)」になります。

■肌悩みのタイプで選ぶ

脂性肌や混合肌にはさっぱりとした使い心地の、肌を引き締めて皮脂分泌を抑制してくれる水溶性ビタミンC誘導体が向いています。一方、乾燥肌や敏感肌には刺激が抑えられた、保湿力の高い脂溶性ビタミンC誘導体が有効です。肌タイプとは別に、乾燥によるくすみやたるみなどの肌悩みがある方は、コラーゲン生成を促す両親媒性ビタミンC誘導体をご検討ください。くすみなどを目立たなくし、肌にハリを与えてくれます。

■濃度で選ぶ

市販のビタミンC誘導体配合の美容液は、濃度5~25%が一般的。医療専売品のドクターズコスメでは、50%の高濃度のものも販売されています。しかし、始めから濃度が高いものを使用すると、刺激による肌トラブルを引き起こしてしまう可能性も。濃度の低いものから使用し、徐々に肌を慣らしてあげることで、高濃度の美容液が使用できるようになります。また、ドクターズコスメは医師の診察を受けなければ購入できないことが多いので注意しましょう。

4.ビタミンCの過剰摂取による体への影響とは

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厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、一般的にビタミンCを過剰摂取しても大きな副反応はないとされていますが、摂りすぎには注意が必要です。過剰摂取をした場合、どのような影響があるのか解説していきましょう。

■摂取量が増加するほど吸収されにくくなる

美肌を手に入れるために、食べ物やサプリメントなどでビタミンCをたくさん摂ることは、効果的とはいえません。それはビタミンCの吸収率は、摂取量が増加するほど低下すると報告されているからです。ビタミンCを1日200mg程度摂取した場合の吸収率は90%なのに対し、1日1000mg以上摂取した場合は50%以下になります。ビタミンCを効率良く吸収するなら、1日200mg程度にしましょう。

■サプリメントでの過剰摂取は注意が必要

食事からの過剰摂取はとくに問題はありませんが、サプリメントを用いる際は注意が必要です。一度に多くのビタミンCを摂取すると、腹痛や下痢などの胃腸症状を引き起こす可能性があります。また、腎臓機能障害のある方はビタミンCを過剰摂取すると「尿路結石」のリスクが高くなる場合もあるので注意しましょう。

■まとめ

ビタミンCやビタミンC誘導体でニキビができるとは考えにくく、仮に肌荒れをする場合は、成分の酸化防止を目的に使用されている添加剤を疑いましょう。ビタミンCは非常にデリケートな成分のため、安定性を維持したビタミンC誘導体の使用がおすすめです。肌タイプや肌悩みに合わせてビタミンC誘導体を選ぶことで、より効果を実感しやすくなるでしょう。自分に合うものが分からない場合は、医師に相談してみてください。

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