「30代になって肌の乾燥が気になり始めた」「日頃からスキンケアをしっかりしているのに乾燥が気になる」といった方はいませんか?乾燥肌には原因が複数あり、それらに応じたケアや対策が必要です。原因の多くは日頃の行動にあり、症状の大半はホームケアで改善が目指せます。この記事では、乾燥肌の原因とケア、対策をまとめました。ホームケアではなく、美容医療で乾燥肌を治療する方法もあわせてご紹介します。
1.乾燥肌になるのはなぜ?原因をチェック
カサカサ肌をはじめ、肌の乾燥にかゆみを伴うなど乾燥肌ではさまざまなトラブルが見られます。まずは乾燥肌になる仕組みと原因を確認していきましょう。
■乾燥肌とはどんな状態?
乾燥肌とは、肌のバリア機能が低下してしまい、肌内部の水分が逃げて行ってしまう状態を指します。乾燥が進むと乾皮症(かんぴしょう)と呼ばれる状態になります。さらに進行すると、乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)に。
肌の乾燥の原因は、皮膚の表面を覆う角質層と皮脂膜の働きが弱まる点にあります。角質層は水分などを含み肌にうるおいを与え、皮脂膜は水分と皮脂による保湿クリームのような役目を持っています。ところが肌が乾燥してくると角質層の水分量が低下し、カサカサ肌に。進行してくると、皮むけやひび割れを引き起こすようになるのです。
■知らないうちにやっているかも!乾燥肌の原因
乾燥肌は、日常の何気ない動作によって引き起こされます。乾燥肌の原因を、自分の生活を振り返りながらチェックしてみましょう。
間違った洗顔やスキンケア
洗顔の際に、洗いすぎてしまったりこすりすぎてしまったりすると、摩擦が強く肌のバリア機能が失われてしまいます。必要な皮脂まで除いてしまうことも乾燥の原因に。熱いお湯も乾燥の大敵です。
長時間のエアコンによる空気の乾燥
エアコンによって空気が乾燥すると肌の表面の乾燥が進み、バリア機能が低下してしまいます。本来、肌は汗や皮脂を分泌して乾燥から肌を守ります。しかしエアコンで室温が調整されているとあまり汗をかくことがありません。働くべき汗や皮脂の分泌機能が抑えられてしまうのです。
紫外線による日焼けなどのダメージ
紫外線は肌から水分を奪ったり、肌の奥にある皮膚の細胞を傷つけたりします。傷ついた細胞があると肌のキメが乱れて角質層が不均一になってしまい、バリア機能が低下。日焼けは乾燥だけでなくシミやたるみなども引き起こします。
睡眠不足などの生活習慣の乱れ
睡眠不足やストレスは肌のターンオーバーの乱れにつながります。ターンオーバーが正常なサイクルで行われないと肌のバリア機能が低下し、乾燥が進んでしまいます。
■乾燥肌の原因にはこんなケースも
乾燥肌の原因には、日常の動作だけでなく次のような要因から起こるケースもあります。
アトピー性皮膚炎など先天的な要因
生まれ持った性質から、肌が乾燥しやすい方がいます。アトピー性皮膚炎になりやすい方も乾燥肌になりやすい傾向にあります。
加齢に伴う皮脂分泌量の減少
年齢を重ねると肌の水分量は減り、バリア機能に必要な皮脂などの成分も減ってしまいます。肌のターンオーバーも年々乱れがちになるため、乾燥の一因に。
2.乾燥肌になってしまったらまずはホームケア
乾燥肌になってしまった場合は、まずはホームケアで改善を目指しましょう。普段からケアしていると、乾燥肌対策になり肌荒れもしにくくなります。
■すぐにできる!乾燥肌のセルフケア
今日からできる乾燥肌のセルフケアを4つご紹介します。
洗顔やスキンケアの見直し
洗顔にはマイルドな洗顔料を使い、たっぷりの泡で洗いましょう。泡をクッションにするイメージで、肌には直接触れないようにするのがポイントです。摩擦は乾燥の原因になるため、洗顔後もタオルで強くこすらないようにしましょう。
洗顔後はすぐにスキンケアに取り掛かり、保湿しましょう。肌に刺激の少ないアイテムを使うのがベター。保湿は化粧水で水分を補給するだけでなく、乳液やクリームで油分をプラスすることも忘れずに。水分の蒸発を防いでくれます。ひどい乾燥肌のときは、スキンケアの仕上げに精製度の高いワセリンを塗るのもおすすめです。
適度な加湿で湿度管理
室内の湿度は60%程度が理想です。エアコンなどを使っている場合は、必要に応じて加湿器などで乾燥しすぎないようにしましょう。冬場は空気が乾燥するため加湿の意識があるかもしれませんが、夏場も冷房で乾燥しやすい環境になります。
紫外線対策をしっかりと
外出時は日焼け止め、日傘、帽子などでしっかりと紫外線対策をしましょう。曇天や雨天の日でも紫外線は降り注いでいるため、対策は抜かりなく。屋内でも油断は禁物です。窓を通じて紫外線は届くため、朝のスキンケア時に日焼け止めを塗っておきましょう。
質の良い睡眠で肌のターンオーバーを整える
睡眠中に皮膚のターンオーバーが促されます。睡眠不足や夜更かし気味の方は生活習慣を見直しましょう。寝付きが悪い場合は就寝の1~2時間前に入浴し、体をあたためると眠りにつきやすくなります。
■セルフケアでも改善しない場合は?
保湿などを続けても改善しない、乾燥が強く肌のかゆみが激しい場合は医療機関を受診するほうが良いでしょう。単なる乾燥ではなく、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎など、皮膚疾患の可能性があります。市販の保湿アイテムで赤みやかゆみが出てしまった場合も受診を検討してください。
3.美容医療で肌のうるおいをキープ
乾燥肌のケアや対策には、美容医療を取り入れる方法もあります。肌のうるおいを取り戻したり、うるおいをキープしたりするのに役立つ美容医療を4つご紹介します。
■ゼオスキンヘルスの肌治療「セラピューティック」
「セラピューティック」は、スキンケアブランド『ゼオスキンヘルス』の製品を使ったホームケア。12~18週間、集中して肌質改善を目指すプログラムになっています。乾燥肌の治し方の1つとしても効果が期待できる手段といえるでしょう。治療中はビタミンA反応といわれる赤みや皮むけの症状が出るリスクがあるため、医師のカウンセリングをしっかりと受けてから選択しましょう。
■スネコス注射
イタリア生まれの注射で、非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を配合しています。従来のヒアルロン酸はボリュームを出すために架橋(=結合)されていますが、スネコス注射に用いられるのは非架橋。注入部分が膨らみ過ぎることがなく自然に仕上がり、目元などの細かい部分もカバーできるのが特徴です。皮膚深層の水分量を改善し、肌にツヤやなめらかさをもたらします。
■水光注射
水光注射は韓国発の美肌治療で、ヒアルロン酸などを真皮層に細かく注入していきます。ヒアルロン酸は体内で生成されますが、紫外線によるダメージや加齢によって減少。水光注射はヒアルロン酸の生成を促してくれます。肌内部の水分量を調整し、うるおい、ツヤのある肌を目指せます。
■高濃度ビタミンC点滴
乾燥肌を内側から治す方法として、高濃度ビタミンC点滴があります。ビタミンCは、コラーゲンの生成を促したり細胞の若さをキープし老化を遅らせたりする働きがありますが、体内では生成されません。サプリメントなどで口から摂取するビタミンは水溶性のため、体内への吸収効率は低いのが特徴。そこで点滴で血中に高濃度のビタミンCを入れると、効果的にビタミンの働きを得られます。
■まとめ
肌が乾燥する原因の多くは、日常の行動にあります。日頃から乾燥を意識した行動を心がけ、対策ケアを取り入れておくと乾燥に悩まされることは少なくなるでしょう。そして季節の変化などでも揺らぎにくい、うるおいのある肌をキープできます。もし乾燥肌になってしまった場合は、まずはセルフケアから始め、必要に応じて医療機関への受診も検討してください。美容医療で長期的に肌の水分量を調整する方法もあるので、自分に合った方法で健やかな肌を目指しましょう。
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