通称「落ちないメイク」として注目を集めるアートメイク。アートメイクと聞いて、眉毛やアイライン、リップへの施術をイメージする方も多いでしょう。しかし近年では、生え際の髪が薄くなった部分に施術を行い、薄毛などの悩みにアプローチする「生え際アートメイク」が話題を集めています。こちらでは、生え際アートメイクの特徴や失敗しないためのポイントについてご紹介。生え際アートメイクを検討中の方は、ぜひお役立てください。
INDEX
1.生え際・ヘアラインアートメイクとは?
「生え際アートメイク」は「ヘアラインアートメイク」とも呼ばれ、生え際などの薄毛に有用な施術とされています。ここでは、生え際アートメイクの概要や特徴について見ていきましょう。
■生え際に色素を入れる施術のこと
生え際アートメイクとは、頭皮に色素を入れて着色させることで、生え際の形を修正したり髪があるように見せたりする施術のこと。インクを髪の毛に見立てて丁寧にラインを描くため、自然な仕上がりが期待できます。
■生え際・ヘアラインアートメイクの特徴
生え際アートメイクは、おでこの薄毛が目立つ部分だけでなく、つむじやこめかみ、生え際全体などさまざまな場所に施すことが可能です。なお、タトゥーも同じような方法で色素を注入しますが、アートメイクはタトゥーより皮膚の浅い部分に色素を注入する施術。タトゥーのように半永久的に効果が持続するわけではなく、ターンオーバーの繰り返しによって徐々に色素が薄くなっていきます。
■アートメイクのモチは1~3年程度
体質によっても異なりますが、アートメイクは施術後1~3年で消えることがほとんど。持続期間が限られているため、薄毛が気になる場合は定期的に施術を繰り返す必要があります。しかし、薄毛をはじめとした悩みにアプローチできるのは、生え際アートラインの大きなメリットです。生え際周辺の気になる部分に自然なボリュームを持たせてくれるため、若々しい印象を取り戻せるでしょう。
2.生え際・ヘアラインアートメイクが向いている人
生え際アートラインが向いているのは、以下のような特徴を持つ方です。
■生え際の薄毛が気になる方
生え際の薄毛が気になる方は、生え際アートメイクに向いています。生え際アートメイクは、本物の髪が増えたかのような仕上がりで、薄毛を目立たなくする効果が期待できる施術です。一人ひとりの髪色に合わせた色素で隙間を自然に埋められるため、生え際の悩みをカバーできます。
■小顔になりたい方
額が広くて顔が大きく見えてしまう方に生え際アートメイクを施すと、小顔効果が期待できます。アートメイクでおでこの面積を狭めれば、顔全体がすっきりとした印象になるためです。また、生え際アートメイクは、デザインも自由。生え際に丸みを持たせることでおでこが立体的になり、やわらかい表情を目指すこともできます。
■老け顔でお悩みの方
加齢で生え際が後退すると、老けた印象につながることがあります。生え際アートメイクはデザインの自由度が高く、悩みに合わせた施術が可能です。自然に薄毛をカモフラージュできるため、生え際の後退で老け顔に見える方に適しています。
3.生え際・ヘアラインアートメイクで失敗することも……
自然な仕上がりを目指せるのが生え際アートメイクのメリットですが、いくつかのデメリットもあります。中にはきちんと施術を理解していなかったことが原因で「失敗してしまった」という事例も。施術後に後悔しないよう、ここでは生え際アートメイクのデメリットや、想定できる失敗例についてご紹介しましょう。
■インクが定着しない
眉毛やアイライン、リップとは異なり、固い皮膚を持つ頭はインクが浸透しにくい部位です。また、頭皮は汗をかきやすく、皮脂によってインクが落ちやすい傾向にあります。眉毛などに施すアートメイクでも、色を定着させるために2~3回の施術を行う必要がありますが、頭皮はそれ以上の施術回数を要することも。まばらに色が定着し、色ムラが目立つ可能性もあるでしょう。
■複数回の施術が必要
人間には、体内に入ろうとしている異物を排除する機能が備わっています。複数回施術を必要とするのは、アートメイクの色素が異物とみなされるためです。アートメイクを受ける回数が多くなるほど、通院に伴うスケジュール調整が必要となるほか、金銭的な負担も重くなります。
■施術後に生え際が後退すると不自然に見える
施術後は理想的な仕上がりを実現できたとしても、時間の経過とともに不自然に見えてくることがあります。アートメイクはあくまでも、施術時点での薄毛をカモフラージュするためのもの。将来的に再び生え際が後退すれば、アートメイクと地毛の間に生じた隙間が強調され、違和感のある見た目になる可能性があります。
■やり直しが難しい
アートメイクは、一度施術を行うとなかなか色素が抜けません。つまり、施術後にデザインが気に入らなかったとしてもやり直しが難しいということ。やり直す方法としては除去手術がありますが、肌トラブルを引き起こしたり毛が生えてこなくなったりするリスクも想定されます。
また、ヘアカラーの変更にも注意が必要。施術後にヘアカラーを変えても、アートメイク部分はそのままの色素が残ります。さまざまな理由から、アートメイクは簡単にやり直せるわけではないことを理解しておきましょう。
■傷痕が残った
アートメイクは、医療針で色素を注入します。使用する針は微細であり、傷痕が残ることはほとんどありませんが、施術者のスキルによっては皮膚が深い傷を負うことも。とくに皮膚へのダメージが深刻な肌トラブルにつながりやすいケロイド体質の方は、注意したほうが良いでしょう。
■痛みが思ったより強かった
痛みの感じ方には個人差がありますが、アートメイクはよく「毛抜きで毛を抜いたような痛み」と表現されます。ほとんどの医療機関で、麻酔クリームなど痛みに配慮する対策がとられていますが、施術後のダウンタイムを含めて痛みが出る可能性はゼロではありません。とくに、刺激に弱いことを自覚している方は、アートメイクの実績が豊富なクリニックに相談のうえ、しっかりと自分の不安を伝えておくことが大切です。
■効果は永久的ではない
アートメイクの効果は永久に続きません。とくに頭皮は、汗をかきやすく皮脂によってアートメイクが落ちやすい部位です。効果を持続させるには、色素が薄くなったタイミングで定期的なメンテナンスが必要となります。
4.生え際・ヘアラインアートメイクで失敗しないためには
では、生え際アートメイクで失敗を防ぐにはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。ここでは、4つのポイントをお伝えします。
■実績があるクリニックに相談する
国内では、アートメイクは医療行為であり、医師や看護師といった医療資格を持つスタッフでなければできない施術と定められています。ところが、残念ながら中にはこういった法律を遵守していないサロンも。そのため、施術を検討する際は、そもそもアートメイクが認められているクリニックであるかどうかを確認することが大前提です。そのうえで、症例写真や口コミなどから豊富な実績があることをチェックできれば、より安心して施術を受けられるでしょう。
■カウンセリングで仕上がりイメージを共有する
後悔しない施術にするには、施術者と完成後のイメージを擦り合わせておくことが大切です。そのためには、画像などを用いてお互いが思うデザインに相違がないことを確認しておくと良いでしょう。コンプレックスを解消するための施術で「こんなはずじゃなかったのに……」と後悔するのはもったいないことです。そうならないよう、十分にカウンセリングを重ねてから施術に臨むことをおすすめします。
■施術後の注意点を守る
施術後は、色素の定着率を高めるために、以下のような守るべき注意点があります。
- 洗髪や生え際のメイク、クレンジングを避ける。
- ドライヤーの直風を当てない。
- ヘアカラーやブリーチ、パーマを控える。
- サウナや岩盤浴などの体温が上がる行為はNG。
- 激しい運動や飲酒といった発汗を促す行為は避ける。
こちらで示した注意点はあくまでも一例です。クリニックによってはこの限りではありませんし、施術直後からどの程度の期間において、これらの行為を控えるべきかについても異なります。生え際アートメイクを長持ちさせるには、施術を受けた医療機関の指示に従いましょう。
■万一失敗したときのリカバリー方法を知っておく
アートメイクを修正したい場合は、レーザーや切除手術によって色素を除去することが可能です。また、現在注入しているデザインをベースに色や形を変更する場合は、リタッチで仕上がりを整える方法もあります。いずれも完全に元通りに戻せる保証はありませんが、万一に備えて、こういったリカバリーの方法があることを知っておくと良いでしょう。
■まとめ
今やアートメイクは、眉毛やアイライン、リップに施すだけのものではありません。生え際アートメイクは、まるで本当の地毛が生えてきたかのように見える施術で、コンプレックスや悩みを解消するために有用です。しかし、やり直しが難しい施術であることもお忘れなく。信頼できるクリニックに相談のうえ、念入りにデザインの打ち合わせを行うことで、後悔のない施術を実現してください。
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