
ニキビにレーザーが使えるかどうか、気になりませんか?
ニキビにお悩みの場合は皮膚科で保険適用の治療が受けられますが、症状によってはなかなか改善しないことも少なくありません。
自由診療が中心となる美容皮膚科では一般的に施術の種類が多く、レーザー治療も選択肢になるでしょう。
本記事では、ニキビ治療に使用できるレーザーの種類とクリニック選びのポイントをご紹介するので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
INDEX
そもそもニキビとは?レーザー治療を受ける前に知っておきたい基礎知識

出典:photoAC
ニキビは、慢性の炎症性皮膚疾患の1つ。医学的には尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれます。
まずは、ニキビ治療を考える前に知っておきたい、ニキビの発生原因や種類について詳しく見ていきましょう。
■ニキビの原因
ニキビは、過剰分泌された皮脂が毛穴に詰まることで生じた角栓によって、アクネ菌などの菌が毛穴内部で繁殖して炎症を起こす疾患です。
主な原因であるアクネ菌は常在菌で、健康な肌にも存在します。
しかし、何らかの理由で増殖すると、ニキビの引き金になってしまいます。
■ニキビの種類
ニキビには種類があり、症状や特徴に応じた適切なケアが重要です。
肌状態に合わないケアを続けてしまうと、ニキビやニキビ跡のレーザー治療で効果がないと感じる要因になりかねません。
ニキビの種類と特徴を以下の表にまとめました。
ニキビの種類 | 特徴 |
白ニキビ | ・炎症を伴わないニキビ ・毛穴の中に皮脂や角質がたまっている状態 ・白い角栓が透けて見えるため白ニキビと呼ばれる |
黒ニキビ | ・白ニキビが進行したニキビ ・空気に触れて酸化した皮脂が黒くなっている状態 ・白ニキビ同様、炎症は伴わない |
赤ニキビ | ・白ニキビや黒ニキビのケアが不十分で、状態が悪化したニキビ ・炎症や腫れが生じ、痛みを伴う場合がある |
黄ニキビ | ・赤ニキビが化膿し、症状がさらに進行した状態 ・クリーム色の膿が透けて見える ・治療やケアを怠ると、ニキビ跡になる可能性がある |
また、ニキビができる年齢によっても分類されます。
20代以降にできるニキビは、大人ニキビといい、生活習慣の乱れやストレスなど、さまざまな原因で発生。
顎や口の周りに、季節を問わずできるのが特徴です。
一方、10代の間にできるニキビは、思春期ニキビと呼ばれます。ホルモンバランスが変化し、皮脂が過剰に分泌されることが原因といわれています。
思春期ニキビの場合は洗顔で余分な皮脂を取り除き、清潔な肌を保つのが重要です。
ニキビはどこで治療する?レーザーで治る?

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顔全体に広がるニキビや悪化したニキビ跡にお悩みの方は、専門医による治療も検討しましょう。
ここでは、ニキビ治療を受ける流れや、レーザー治療に対する日本皮膚科学会の見解をご紹介します。
■まずは皮膚科を受診する
ニキビができた場合、レーザー治療からスタートするのではなく、まずは保険適用の治療を受けるのが一般的です。
日本皮膚科学会は、ニキビ治療として飲み薬や塗り薬を推奨しています。皮膚科を受診して、専門医の判断を仰ぎましょう。
ただし、成人女性で月経不順などニキビ以外にも症状がある場合には、婦人科や内分泌科を案内される可能性があります。
■皮膚科で治らないニキビは自費診療を検討する
皮膚科で保険適用の治療を受けても効果を得られない場合には、美容皮膚科を検討しましょう。
美容皮膚科では自由診療のメニューが豊富で、日本では未承認の機器も使用できるのが魅力です。
さらに、一般的な皮膚科では炎症を起こしているニキビを治癒するのに対し、美容皮膚科では予防的なケアやニキビ跡のレーザー治療なども受けられます。
保険適用外のメニューには経口避妊薬や抗男性ホルモン薬の処方、ケミカルピーリング、レーザー治療、フォトフェイシャルなどがあり、一人ひとりの状態に応じた施術を選べるでしょう。
ただし、日本皮膚科学会は効果や安全性が十分確認できるものではないとの理由から、ケミカルピーリングのみを限定的に推奨しています。
■ニキビのレーザー治療に対する日本皮膚科学会の見解
日本皮膚科学会は「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」の中で、ニキビに対する治療方法として、レーザーを推奨しないと公表しました。
推奨しない理由としては、レーザーの機種によって波長やパルス幅、エネルギー密度がさまざまで、効果が一定ではないことが挙げられます。
加えて、レーザー治療は1回で完了せず繰り返し行う必要があり、費用が高額で保険適用にならない点も指摘されています。
ニキビ治療においてレーザーの使用は禁止ではないものの、機器の特性を十分理解したうえで治療を受けることが重要です。
ニキビ治療ができるレーザー4選
ここからは、ニキビ治療に使用できるレーザー4つと、それぞれの特徴を解説します。
■ニキビ治療のレーザー1|「アドバテックス(ADVATx)レーザー」
「アドバテックスレーザー」は589nmと1319nmの異なる2つの波長を搭載するレーザー機器です。
25の適応症に対して、FDA(アメリカ食品医薬品局)と欧州CEマーキングの認証を得ています。
「アドバテックスレーザー」は顔の赤みや毛穴、ニキビ跡、赤みを伴うニキビに効果が期待できるでしょう。
ダウンタイムがほとんどなく、ニキビを緩和することが可能に。効果を持続的に実感するには、5回程度の施術がおすすめです。
施術後は軽度の赤みや腫れが生じる可能性がありますが、数日で解消します。
なお、施術後は紫外線から肌を守るため、日焼け止めの塗布が欠かせません。
■ニキビ治療のレーザー2|「アビクリア(AviClear)」
「アビクリア」は『キュテラ社』のレーザー機器で、中度から重度のニキビに対して効果を発揮します。
1726nmの波長を使用し、ニキビの原因に対する根本治療が目指せるでしょう。繰り返すニキビにお悩みの方に向いている施術です。
個人差はありますが、治療後に水疱やむくみ、赤み、腫れなどが生じるリスクがあります。
ただし、ダウンタイムが短く翌日から普段通り過ごせるため、日常生活に支障はありません。施術中は、レーザーの照射時に痛みが生じる可能性があります。
■ニキビ治療のレーザー3|Vビーム
赤いニキビやニキビ跡にお悩みの方に向いているレーザーが、Vビームです。
ヘモグロビンなどの赤色に吸収される595nmの光エネルギーを使用しており、肌の赤みや傷、ケロイドなどにもアプローチが可能。
さらに、レーザーが血管周辺の細胞を刺激し、コラーゲン生成を促します。肌にハリを与え、たるみを軽減する効果も期待できるでしょう。
ニキビやニキビ跡にレーザー照射した後は色素沈着対策として遮光が必要なので、日傘や日焼け止めクリームを用意しておくのがおすすめです。
なお、施術後2日程度は、肌の赤みやひりつきが生じる可能性があります。
■ニキビ治療のレーザー4|アレキサンドライトレーザー
アレキサンドライトレーザーは、755nmの波長を使用したレーザー機器です。主に脱毛に用いられますが、ニキビ治療にも使用できる特徴があります。
低出力のレーザーを顔全体に照射し、ニキビの炎症のもとである脂腺を破壊。難治性のニキビもアプローチできる点が魅力です。
施術中は、輪ゴムではじくような痛みが生じますが、ダウンタイムが少なく当日から洗顔やメイクが可能です。施術後2~3日に渡り、ひりつきや赤みが生じる可能性があります。
ニキビのレーザー治療を受けるクリニック選びのポイント

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ニキビ治療でレーザーを選ぶ際は、クリニック選びが非常に重要です。最後に、クリニック選びで注意すべきポイントをご紹介します。
■適切な価格でニキビ治療を受けられるクリニックを選ぶ
ニキビ治療のクリニック選びでは、明瞭な料金体系かどうかをチェックしましょう。ニキビ治療の場合、症状が改善するまでに複数回の施術が必要なケースがあります。
つまり、ニキビやニキビ跡にレーザーを照射して何回で治るかは、症状によって変わるのです。
人によっては、何度もクリニックに足を運ぶ必要があり、費用がかさむ可能性があります。
良心的な価格で、ニキビのレーザー治療の値段がいくらなのかを明記しているクリニックにすると良いでしょう。
■アフターフォローが充実しているかチェックする
ニキビの再発を防ぐには、アフターフォローが充実しているかも重要です。治療後も経過観察があるか、万が一肌トラブルが生じた際はサポートがあるかをチェックしましょう。
まとめ
ニキビができた際はまず皮膚科を受診して保険適用の治療を受け、症状の改善を目指しましょう。
ただし、保険適用の治療では選択肢が少なく、効果に不満を覚えることも少なくありません。
美容皮膚科なら取り扱う機器の種類も多く、レーザー治療も選択肢に入るでしょう。
ただし、保険適用外の自由診療を行う場合は、機器の特徴を理解することが重要です。クリニック選びのポイントもチェックして、後悔しない治療を選んでください。
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・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |
【治療の内容】Vビーム
【治療期間および回数の目安】3~4週間に1回、計5回程度
【費用相場】1回¥10,000~¥30,000程度
【リスク・副作用等】赤み、腫れ、内出血、炎症後色素沈着など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】Qスイッチアレキサンドライトレーザー
【治療期間および回数の目安】通常1回 ※2~3回の照射が必要な場合もあり、その場合は、3~4ヶ月の間隔をあけて照射
【費用相場】1回約¥5,000~¥80,000 ※部位・大きさ・数によって各クリニックで異なります。
【リスク・副作用等】炎症後色素沈着、白斑、肝斑の増悪など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】ケミカルピーリング
【治療期間および回数の目安】約2~4週間に1回程度
【費用相場】全顔1回約 ¥5,000~¥15,000 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】痛み、赤み、皮むけ、乾燥、肌荒れなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【施術の内容】IPL(光治療)
【施術期間および回数の目安】約3~4週間に1回、3~10回程度 ※状態によって異なります。
【費用相場】¥10,000〜¥30,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】赤み、痛み、色素沈着、浮腫、皮膚の損傷、シミやほくろが一時的に濃くなるなど
【未承認機器に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医療機器を使用する場合があります。
・施術に用いる医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一性能を有する他の国内承認医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります。