ボトックス後に運動してしまった!知っておくべきリスクと対処法

ボトックス後に運動してしまった!知っておくべきリスクと対処法

「ボトックス後に運動してしまった」と焦っている方のために、この記事では、ボトックス注射を受けるにあたって知っておくべきリスクと対処法についてご紹介します。ボトックスを受けたのに運動をしてしまったという方にはもちろん、施術を計画している方にとってもためになる内容です。リスクを最小限にする方法や、受診の目安も一緒にお伝えしますので、最後まで読んで適切な対処をとるようにしてください。ただし、万が一現時点で異常を感じる方は、すぐに医療機関へ相談することをおすすめします。

1.ボトックス後に運動してしまった!どうすればいい?

出典:photoAC

ボトックス注射を受けたあとは、医師から「運動は控えてください」と指示されることがほとんどです。ではなぜボトックス後は運動をしてはいけないのか、理由を確認しましょう。さらに運動をしてしまった場合の対処法についてもご案内します。

■ボトックス注射後に運動がNGな理由

ボトックス後に運動を避けるべき理由は以下のとおりです。

体温が上がりボトックスの効果が弱まる可能性がある

そもそもボトックスとは、A型ボツリヌス毒素を注入し、神経伝達の働きをブロックすることで筋肉の過剰な動きを抑え、シワを軽減したり咬筋を緩ませてエラの張りを和らげたりする施術です。注入による治療のため、運動によって体温が上がると血流が促進されてしまい、薬剤が注入部位から拡散しやすくなります。その結果、施術によって見た目を変えたかった箇所の薬剤量が少なくなってしまい、本来の効果が十分に発揮されない可能性があるのです。また、ボツリヌストキシンそのものが熱に弱いため、過度な体温上昇が製剤の働きを薄めるリスクも否定できません。

腫れや内出血が起こる可能性がある

ボトックス注射は皮膚の下に針を刺すため、多少ですがダメージが発生します。運動をすると血流が促進され、針を刺した部分を中心に腫れや内出血が起こるリスクが高まるのです。とくに、たくさん動いて汗をかくような運動や、ジムでの強度の高い筋トレは避けたほうが良いでしょう。

■運動してしまった場合の対処法とアフターケア

もし誤ってボトックス注射後に運動をしてしまった場合は、適切な対処を施しリスクを最小限に抑えることが大切です。まずは運動をすぐに中止すること。思い出した時点で運動をやめて、施術部分が腫れたり内出血したりしないよう、経過を観察しながら必要に応じて冷やしてください。万が一違和感やトラブルがある場合は、すぐにクリニックに相談しましょう。

2.ボトックス後の正しい過ごし方と運動再開のタイミング

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次は、ボトックス後のダウンタイム期間の正しい過ごし方と、運動再開のタイミングについてです。

■ボトックス後の運動はいつからOK?

ボトックス注射後の運動再開の目安は、一般的に24~48時間後です。ただし、運動の種類によってはさらに時間を空ける必要があります。そのため、ボトックスを受けた翌日にすぐ運動をする予定を入れるのは避け、余裕をもって3日後くらいにスケジュール調整することをおすすめします。軽いストレッチやウォーキングは当日可能とするクリニックもありますが、筋トレやランニングなど強度の高い運動に関しては、72時間程度様子を見てからの再開が良いでしょう。

■クリニックの指示に従う

日頃から運動をする習慣がある方や、運動量の多い職種の方は、あらかじめ医師に確認を。カウンセリングの際に、ボトックス後の運動について、どれくらいの制限があるのかを前もって聞いておきましょう。ボトックスの種類や施術部位によっても運動再開の可否は異なるので、クリニックの指示に従うようにしてください。

3.ボトックス後で運動以外に気をつけること

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ボトックスの施術を受けたあとは、運動以外にも気をつけるべきことがいくつかあります。

■サウナや湯船に入るのも当日は避ける

サウナや熱いお風呂は血行を促進し、ボトックスが施術部位以外の場所に拡散するリスクを高めます。ほかにも、体温が過度に上昇することで施術そのものの効果に影響を及ぼす可能性も。「ボトックスのあと、湯船はいつから入れるんだろう?」と心配される方もいるかもしれませんが、基本的には施術当日、入浴の制限はないと説明することが多い傾向です。ただし、長時間の入浴や熱いお風呂は避けるのが無難でしょう。
また、ボトックスを打った当日に、「長く入浴してしまった」「サウナに入ってしまった」という方は、運動後と同じように経過観察をしてください。異常があればすぐに医師にご相談を。

■飲酒も避ける

ボトックス施術後は飲酒も避ける必要があります。飲酒がダメな理由としては、アルコールが血行を促進したり、血管を拡張したりするため、腫れや内出血を悪化させる可能性があるから。施術当日は控えて、翌日以降に様子を見ながら再開するのが良いでしょう。

■マッサージや施術部分は圧迫NG

注射部位を押したり揉んだりすると、薬剤の位置がズレる可能性があります。ボトックスが正しい位置にとどまるために、施術後、最低24時間は施術部位に圧をかけないことが重要です。ボトックス後のマッサージはいつから可能かというと、施術内容によって差はありますが、約1週間後からが目安です。

■施術後4時間は横にならない

実は、ボトックス後に横になるのもNGです。横になるとボトックスが想定外の部位に拡散する可能性があるので、施術後4時間は座った姿勢を維持するようにしましょう。「ボトックス後に横になってしまった」という方も、経過観察をして異常があればクリニックに問い合わせてみてください。

■ボトックスをした当日はとくに注意が必要

施術後数時間は薬剤が定着しきっていないため、とにかく当日(24時間以内)は慎重に行動することが重要です。注意事項をよく守り、正しいケアを行い、効果を最大限に引き出しましょう。

4.ボトックスで得られる効果は?

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最後に、ボトックス施術にて得られる効果についておさらいします。

■シワを目立ちにくくする

ボトックスは筋肉の動きを抑え、眉間やおでこ、目尻、あごなどのシワを軽減する効果が期待できます。とくに眉間のシワや目尻のシワといった、表情筋に起因するシワが気になる方が多く検討する施術です。ボトックスと同じ注入治療のヒアルロン酸注射とよく比較されますが、どちらが適しているかは、シワの程度やたるみ具合などによって異なります。例えば、筋肉由来の深めのシワにはボトックス、ほうれい線やマリオネットラインのたるみに対するアプローチにはヒアルロン酸が有効なケースがあります。ぜひ自身の悩みに合わせたアプローチ方法を見つけられるよう、信頼のおける医師へ相談してみてください。

■エラのハリを解消

エラ、つまり咬筋のハリを解消するのにも、ボトックスを用いることがあります。食いしばりなどで起こる筋肉の過緊張を和らげて、フェイスラインをスッキリさせる効果が期待できます。歯ぎしりや食いしばりがある方や、小顔になりたい方によく選ばれる治療です。

■多汗症に対するアプローチにも

ボトックスは、発汗の働きを抑える作用もあります。脇や手のひら、足などの多汗症が気になる方のアプローチとして有効です。夏場や人前でのプレゼンの際の多汗に悩んでいる方は検討してみても良いかもしれません。効果の持続性には個人差がありますが、4~9ヶ月程度のため、とくに汗をかきやすい季節に合わせて施術をするという手もあります。多汗症にお悩みの方はクリニックに相談してみましょう。

■ボトックスの効果が現れるまでの期間と持続性について

ボトックスの効果が出るのは、一般的に施術後3~7日。1~2週間程度で安定してくるケースがほとんどです。そしてその効果は、平均して約3~6ヶ月持続します。最大で約半年の効果ということなので、状態を継続したい場合は定期的な施術が推奨されます。

まとめ

ボトックス後に運動してしまった方は、ぜひ今回の内容を参考に適切な対処法をとってください。運動は、ボトックス施術の効果を弱めたり副作用を引き起こしたりする可能性があるため、しっかりと経過観察しながら再開するようにしましょう。また、運動以外にも入浴・飲酒・マッサージ・横になることなど、注意すべき点がいくつかあります。正しい施術後の過ごし方とアフターケアをしっかり理解して、ボトックスの効果を最大限に引き出しましょう。

※ボトックスは米アラガン社の商標ですが、本記事内では読者の皆さまに分かりやすく伝わるよう、A型ボツリヌス毒素製剤の総称としても使用しております。

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・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

【治療の内容】 ボツリヌストキシン製剤の注入
【治療期間および回数】約3~4ヶ月ごとに1回程度
【費用相場】1回約¥10,000~¥110,000 ※注入部位・注入量よって個人差があります。
【リスク・副作用等】注射部位の痛み、腫れ、筋肉の部分的な脱力、内出血など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。