ボトックスとヒアルロン酸の違いは?シワに効果的なのはどちらの治療?

ボトックスとヒアルロン酸の違いは?シワに効果的なのはどちらの治療?

ボトックスとヒアルロン酸は、どちらもシワの改善が期待できる美容医療。しかし、アプローチの仕方はまったく異なり、得意とするシワの状態も異なります。そこで今回は、ボトックスとヒアルロン酸の違いについて分かりやすく解説。「シワを美容医療で治療したい」「ボトックスとヒアルロン酸、どちらが自分に合う方法なのか分からない」という方は、ぜひ参考として読んでみてください。

1.ボトックスとヒアルロン酸の違い

出典:photoAC

ボトックスとヒアルロン酸は、どちらも一般的なシワの治療法として知られています。しかし、シワに対するアプローチの方法はまったく異なるもの。具体的には、
ボトックス……表情筋の過剰な動きを抑制することでシワを改善する
ヒアルロン酸……ハリや弾力などボリュームを補うことでシワを改善する
という違いがあります。以下に、2つの特徴をまとめました。

ボトックス(ボツリヌストキシン) ヒアルロン酸
成分 「ボツリヌス菌」という細菌から抽出されたタンパク質の一種 もともと体内に存在している保湿成分
美容効果 表情筋を一時的に弛緩させる効果 ハリと弾力を与える効果
持続期間 約3~6ヶ月(部位による) 約4~6ヶ月(部位による)
即効性 施術して数日後から 施術直後から
適応症状 表情を動かすとできるシワ 表情を動かさなくても固定されたシワ

ボトックスとヒアルロン酸にはさまざまな違いがある一方で、持続期間が永続的ではないという共通点もあります。効果を持続させたい場合には、両方とも4~6ヶ月に1回の間隔で施術を受けることになるでしょう。
また、ボトックスとヒアルロン酸はどちらか一方を選ぶだけでなく、組み合わせて施術することも可能。同じ部位に同時に施術することができ、組み合わせることで高い相乗効果が期待できます。いずれにせよ、どちらの治療を受けるのか、または組み合わせて治療するのかは、専門医とのカウンセリングによって提案してもらうことになります。
さらに、ボトックスもヒアルロン酸も、妊娠中や授乳中など施術が受けられない条件があるため、クリニックへしっかりと確認したうえで施術を検討することが大切です。

2.ボトックスによるシワ治療の特徴

出典:photoAC

ボトックスによるシワ治療について、治療方法や特徴を紹介します。

■ボトックスとは?

ボトックスとは、ボツリヌス菌という細菌から抽出された天然由来のタンパク質「ボツリヌストキシン」のこと。神経伝達物質の分泌を抑制する働きがあり、筋肉の過緊張を弱める作用があります。そして、ボツリヌストキシンの毒素を生理食塩水で薄めて皮内や筋肉へ注入する施術のことを「ボトックス注射」と呼びます。
ボトックスという名称 は、もともとはアメリカの医薬品メーカー・アラガン社が販売するボツリヌストキシン製剤の商品名「ボトックスビスタ」に由来するもの。それが日本で厚生労働省から承認され、認知度が高まったため、今ではボツリヌストキシン注射の代名詞となっています。

■ボトックスが効果的なシワのタイプ

ボトックスが得意としているのは、顔の表情筋が過剰に働くことでできるシワ。つまり、表情の変化によってできるシワです。具体的には、おでこ・眉間・目尻・鼻の付け根・唇の上、顎などにできるシワ。笑った時や目を細めた時、顔をしかめた時などにできるシワに改善効果が期待できます。
加齢とともに顔の表情筋が過剰に働くようになるのは、それまで表情筋と均衡を保っていた皮膚の張力が弱まってしまうから。また、年齢を重ねると顔の皮下組織のボリュームロスが起こり、その影響で表情筋の過剰な働きが目立つようになります。そのため、ヒアルロン酸注射と組み合わせてボリュームを補うことで、より高い効果が得られるのです。

■ボトックスの持続期間と効果が出やすいタイミング

ボトックスの持続期間は、施術箇所にもよるものの、およそ約3~6ヶ月とされています。その中でも、顔は約3~4ヶ月。ただし、個人差もあります。
ボトックスに即効性はなく、効果が現れ始めるのは施術から数日後。施術箇所によって異なり、個人差もありますが、顔のシワであれば約3~7日後に効果を実感できるようになるでしょう。
なお、ボトックス注射では医師が適切な注入部位や注入量 を見誤ると、施術後の表情がこわばったり、ひきつったり不自然になってしまうリスクも。そのため、できるだけ多くの実績を積んだ医師のもとで施術を受ける方が安心です。まれに内出血や腫れ、むくみ、吐き気などの副作用がある場合があります。異変が続くような場合には、速やかに専門医に診察してもらいましょう。

3.ヒアルロンによるシワ治療の特徴

出典:photoAC

次に、ヒアルロン酸によるシワ治療について、治療方法や特徴を紹介します。

■ヒアルロン酸とは?

ヒアルロン酸は、もともと私たちの皮膚や眼球、関節に存在している保湿成分。美容成分としても認知度が高いため、その効果についてはご存知の方も多いでしょう。保水性に優れたヒアルロン酸は肌に弾力や保湿力を与え、ハリやツヤを引き出す成分として知られています。
美容医療の施術では、ヒアルロン酸を滅菌してから注射器で注入します。ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分のため、アレルギーリスクが低いところもメリットの1つです。

■ヒアルロン酸が効果的なシワのタイプ

ヒアルロン酸注射が得意としているのは、表情の変化を伴わない、加齢によるシワ。具体的には、ほうれい線や口元のマリオネットライン、眉間やおでこの深いシワ、顔や首の小ジワなどが挙げられます。
加齢とともに皮下組織のボリュームが失われると、皮膚のハリがなくなり、たるみの原因に。そして、たるみのある部分からシワができやすくなります。ヒアルロン酸はこのような深く刻まれた“折れ癖タイプ”のシワを浅くして、目立ちにくくする場合に効果的です。

■ヒアルロン酸の持続期間と効果が出やすいタイミング

ヒアルロン酸には、「短期持続型」と「長期持続型」があります。短期持続型では約6ヶ月しか持続しないのに対し、長期持続型は最長で2年持続させることが可能。施術の間隔が大幅にあくようになりました。ただし、ヒアルロン酸はかなり個人差が大きい施術でもあります。
そして、効果を実感し始めるのは、部位にもよるものの、注入直後から。施術時間も10~15分程度と短く、その場でシワの変化が確認できるのは、ヒアルロン酸注射の大きなメリットと言えるでしょう。ダウンタイムも少なく、施術直後からいつも通りの生活を送れるようになります。ただし、まれに内出血や腫れ、むくみなどの副作用が生じることも。いつもと違う症状が長く続く場合には、すぐに担当医師に診てもらいましょう。

■まとめ

ボトックスとヒアルロン酸は、どちらもシワの改善効果が期待できる美容医療。しかし、シワへのアプローチ方法はまったく異なります。どちらか一方を選ぶのもいいですが、お互いを補い合える2つの施術は組み合わせるのもおすすめです。ぜひそれぞれの方法の違いを比較しながら、自分に合った方法を検討してみてください。

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・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

【治療の内容】 ボツリヌストキシン製剤の注入
【治療期間および回数】約3~4ヶ月ごとに1回程度
【費用相場】1回約¥10,000~¥110,000 ※注入部位・注入量よって個人差があります。
【リスク・副作用等】注射部位の痛み、腫れ、筋肉の部分的な脱力、無感覚、内出血など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

【治療の内容】ヒアルロン酸製剤の注入
【治療期間および回数の目安】約9~12カ月に1回程度 ※製剤や部位によって個人差があります
【費用相場】1本 約¥55,000~¥150,000 ※使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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