エンライトンとピコシュアがこれで分かる!特徴や期待できる効果を解説

エンライトンとピコシュアがこれで分かる!特徴や期待できる効果を解説

「エンライトン(enLIGHTen®)」と「ピコシュア(PICOSURE®)」は医療用のピコレーザー機器です。シミやそばかすに悩む方にとって、ピコレーザーが自分に合っているのか、効果や安全性はどうなのかは気になるポイント。そこで、この記事では「エンライトン」と「ピコシュア」の特徴や効果について解説します。あなたの肌悩みにマッチした治療法を見つけるヒントとしてお役立てください。

エンライトンとピコシュアの概要

「エンライトン」と「ピコシュア」は、美容医療の分野で注目を集めているピコレーザー医療機器です。はじめに、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ピコレーザーとは何か

ピコレーザーは、ピコ秒である1兆分の1秒でレーザーを照射できる医療用機器です。おもに、シミやそばかす、肝斑などのケアに用いられています。
従来のレーザー治療では、ナノ秒(10億分の1秒)の機器が一般的です。しかし、ピコ秒でレーザーを照射することで、周囲の肌組織へのダメージを抑制。より効果的なメラニン色素の粉砕が狙えるため、従来のレーザー治療では難しかった症例にも効果が期待できます。
なお「エンライトン」や「ピコシュア」などのピコレーザーは、治療目的に応じて3つの照射方法(ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナル)があります。

ピコスポット 患部のサイズに合わせて、ピンポイントに高い出力のレーザーを照射する
ピコトーニング 肌の広範囲に低出力のレーザーを照射し、徐々に色素を薄くする
ピコフラクショナル 肌の真皮に刺激を与えて細胞を活性化させ、コラーゲンなどの生成を促す

エンライトンとピコシュアの特徴

ピコ秒でレーザーを照射できる「エンライトン」と「ピコシュア」。また「エンライトン」には「エンライトンSR」と「エンライトンⅢ」があり、それぞれの違いや特徴を表にまとめました。

エンライトンSR エンライトンⅢ ピコシュア
メーカー キュテラ株式会社 サイノシュアー株式会社
レーザー波長 532nm・1064nm 532nm・670nm・1064nm 755nm
レーザー照射時間

(パルス幅)

750ps 532/1064nm:750ps

670nm:660ps

550~750ps

※5段階に可変

承認 厚生労働省 FDA(米国公的機関)
特徴 ・表在性色素班に有効なアプローチができる

・レーザー照射のスポットサイズを調整できる

・3つの波長でさまざまな症状をケアできる

・広範囲を短時間で照射できる

・アレキサンドライトの波長を搭載

・メラニンの吸収率が高く、血管へのダメージを抑える

なお、ピコレーザー医療機器は「エンライトン」と「ピコシュア」だけではありません。クリニックによっては「ディスカバリーピコ(DISCOVERYPICO)」や「ピコウェイ(PicoWay)」といった機器を導入しているケースもあります。

エンライトンとピコシュアは従来のレーザー治療とどう違うか

「エンライトン」と「ピコシュア」は、双方とも極めて短いパルス幅で照射できる特徴があります。そのため、熱による周囲組織へのダメージを抑制。衝撃波でより効果的にメラニン色素の粉砕が可能です。
さらに、ナノ秒レーザーと比較して、メラニン色素をより細かい粒子に分解できることから、体内での吸収が促進されます。従来のレーザー治療よりも少ない施術回数で、効果を実感しやすいでしょう。

エンライトンとピコシュアの主な効果

続いて「エンライトン」と「ピコシュア」に期待できる効果を紹介します。

シミ・そばかすを薄くする

「エンライトン」および「ピコシュア」を用いたレーザー治療は、シミやそばかすの存在感を薄くするのに向いています。そもそも、シミやそばかすが目立つのは、メラニン色素の蓄積によるもの。ピコ秒単位のレーザーを照射することで、メラニン色素の破壊と吸収が促され、悪目立ちが緩和されるのです。
濃いシミやそばかすを治療する場合はピコスポット、肌全体のシミを薄くしたい場合はピコトーニングが適用されます。

毛穴・ニキビ痕を目立たなくさせる

高密度のレーザーを照射するピコフラクショナルは、毛穴やニキビ痕の改善が目指せます。その理由は、衝撃波で表皮内にごく小さい穴が開き、空洞が形成される刺激によって、コラーゲンやエラスチンの生成が活発化。肌質改善が図れ、毛穴の開きやニキビ痕が目立ちにくくなります。
「エンライトン」や「ピコシュア」などピコレーザーの場合、肌表面へのダメージを極力抑えられるので、ダウンタイムが短く、炎症のリスクが低いのも特徴です。

肝斑治療が目指せる

従来のレーザー機器では、肝斑治療ができませんでした。というのも、肝斑に強いレーザーを当てると悪化する恐れがあるためです。しかし、低い出力でレーザーを照射できるピコトーニングにより、肝斑の治療が実現。低出力の照射を繰り返しながら、悪化や皮膚の炎症を抑えながらアプローチします。

タトゥー除去への応用

「エンライトン」と「ピコシュア」は、タトゥー除去に高い効果を発揮する点も特徴です。まず、大きい粒子である刺青の色素を粉砕。さらにピコ秒でレーザーを照射することで、小さくなった粒子も破壊でき、よりきれいな除去が目指せます。さらに、色の種類や深さに応じて適切な波長を選択できるため、多色タトゥーにも対応可能です。

エンライトンとピコシュアに関するよくある質問

最後に「エンライトン」と「ピコシュア」に関して抱きがちな疑問に対する答えをお伝えします。

痛みはどの程度?

施術中の痛みは、個人差がありますが、我慢できる程度だと感じる方が多いようです。モード別に痛みのイメージをまとめました。

【モード別・痛みのイメージ】

ピコスポット ・輪ゴムで軽くはじかれるような痛み
ピコトーニング ・輪ゴムではじかれるような痛み

・熱をおびたような痛み

ピコフラクショナル ・輪ゴムで軽くはじかれるような痛み

・チクチクした痛み

従来のレーザー治療より痛みに配慮され、施術を受けるハードルが下がりました。とはいえ、痛みがゼロというわけではありません。痛みに敏感な方は、施術前に医師とよく相談したうえで、自分に合った疼痛管理を検討しましょう。

効果はいつ頃から実感できる?

効果が実感できるようになるまでの期間は、個人差があります。1回の施術でも肌の調子が整う感覚はありますが、多くの場合「シミが薄くなってきた」「肌質が良くなってきた」と感じるには、数回の施術が必要です。また、モードによっても効果を感じられるタイミングが異なります。

【モード別・効果を実感できる目安】

治療間隔 効果を実感できる回数
ピコスポット 1~3ヶ月に1回程度 1~3回
ピコトーニング 2週間~1ヶ月に1回程度 5~10回
ピコフラクショナル 2週間~1ヶ月に1回程度 6~10回

メラニン色素は、日々生成されています。そのため、治療間隔が空きすぎてしまうと思ったような効果が得られない可能性も。肌質や症状の程度による個人差を考慮し、医師と相談して適切な間隔で治療を受けましょう。

日焼けしていると治療が受けられない?

「エンライトン」および「ピコシュア」で、日焼け直後の肌に施術するのはおすすめできません。日焼けしている肌へピコレーザーを照射すると、次のリスクが懸念されます。

  • やけど
  • 色素沈着
  • 効果が不十分

肌が日焼けしている場合、状態が落ち着くまで治療を受けるのは控えましょう。また、ピコレーザーによる治療を計画している方は、紫外線対策を強化し、肌が日焼けしないようにご注意ください。

なお、施術後も紫外線対策が欠かせません。ピコレーザーを照射した後に紫外線を浴びると、色素沈着を起こす危険性があります。

まとめ

「エンライトン」と「ピコシュア」によるレーザー照射は、シミ・そばかす・毛穴の開き・ニキビ痕など、多岐にわたる肌トラブルに対応可能です。効果の高さと周辺組織へのダメージの低さも魅力でしょう。ただし、思い描く美肌を手に入れるには、自分に合った施術を受けることが大切です。専門医と相談し、納得したうえで治療を受けましょう。

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
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