赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!

赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!

肌の赤みやヒリつきを「敏感肌だから仕方ない……」と思い込んでいませんか?実はその赤み、酒さや毛細血管拡張、炎症といった“皮膚疾患”の可能性も。

これらは一般的な化粧品やセルフケアでは改善が難しく、誤った対処が症状を悪化させることもあります。

本記事では、赤ら顔のタイプを見極めるポイントや医療的アプローチについて詳しく解説。慢性化してしまう前に、正しい治療法へたどり着くための参考にしてください。

あなたはどのタイプ?症状別の“赤ら顔”

「顔がすぐに赤くなる」「いつも鼻の頭が赤い」など、赤ら顔で悩む人は少なくないでしょう。中でも色白の人や皮膚が薄い敏感肌の人は顔の赤みが目立ちやすく、ほてりや刺激を伴うこともあります。

赤ら顔と一言で言っても、その原因や症状はさまざま。一時的な症状であればセルフケアで改善が見込めるものもありますが、慢性化すれば根治が難しくなることもあります。

それどころか中には、医療機関での治療が必要な“皮膚疾患”が潜んでいる可能性もゼロではありません。

■赤ら顔のタイプ

赤ら顔の症状は、大きく分けると次の2つがあります。

  • 皮膚の炎症による赤ら顔

赤ら顔 赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

ニキビやアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患によって肌荒れが慢性化すると、炎症を起こした部分やニキビ痕が赤く目立つようになります。

赤みが出るのは、頬や鼻など顔の中心部。かゆみや腫れを伴うことが多く、ニキビのような発疹が見られることもあります。

  • 毛細血管拡張による赤ら顔(酒さ)

赤ら顔 赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

皮膚の下にある浅い層の毛細血管が拡張し、透けて赤く浮き上がって見える状態のことを言います。赤みが出やすいのは、頬や鼻、眉間、顎など。ヒリヒリとしたり、かゆみや火照りを伴ったりする場合もあります。

その中でもニキビのようなブツブツ(丘疹)を伴うものは“酒さ”と呼ばれ、30代以降の女性が発症しやすい皮膚疾患の1つ。その症状から炎症型赤ら顔を併発している、とも言えます。

酒さは発症部位や重症度によって、次の4種類に分類されます。

酒さ分類 赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

酒さの種類 主な症状
紅斑毛細血管拡張型 両頬や顎などの毛細血管拡張が目立ち、かゆみや火照り、ヒリヒリ感を併発する場合も。急激な温度変化やアルコール摂取によって悪化することもある。
丘疹膿疱型 紅斑毛細血管拡張型が進行し、赤みに加えてニキビのようなブツブツ(丘疹)、膿のあるブツブツ(膿疱)が発生する状態。ニキビとは違って、毛穴の詰まりはない。
瘤腫・鼻瘤型 増加した丘疹が集まって、凸凹とした腫瘤(しゅりゅう)を形成した状態。とくに鼻は赤紫色になり、毛穴が目立つようになる。
眼型 眼の周りの腫れや充血、結膜炎、角膜炎が発生。皮膚の症状よりも先に起こることもある。

これ以外に、酒さと似た症状の疾患には「酒さ様皮膚炎」や「脂漏性皮膚炎」があります。

酒さはセルフケアでの改善は難しく、重症化すると治療が長引きやすくなるため、疑われる場合にはすぐに皮膚科を受診することが大切です。

■赤ら顔の原因

赤ら顔は複数のタイプを併発することもあり、はっきりと原因特定できないケースも少なくありません。

ただし、以下に挙げたような要因から症状が長期化したり、悪化したりする場合があります。

  • 敏感肌や薄い皮膚、色白などもともとの肌質
  • 免疫機能や血管の遺伝的不調
  • 急激な寒暖差
  • アルコールや香辛料の摂取
  • 紫外線ダメージ
  • 乾燥
  • スキンケアによる過度な刺激
  • ホルモンバランスの乱れ(更年期や月経周期による)
  • ステロイドの長期使用(皮膚の菲薄化)

考えられる原因の多くは、日常の中でよく起こりうること。そのため、早期治療が遅れ、気づいたら慢性化していた、というケースも多々あります。

赤ら顔はセルフケアで治せる?

赤ら顔はタイプによっては、セルフケアで改善が見込めるものもあります。例えば、敏感肌や生活習慣の乱れなどに起因する赤ら顔の場合には、次のような方法でケアすることも可能です。

<赤ら顔のセルフケア>

  • 抗炎症成分や保湿成分を配合したスキンケア製品を使う
  • 睡眠や運動など健康的な生活習慣を心がける
  • 刺激物や脂質の多い食べ物などを控える
  • 水分をしっかりと摂る

しかし、赤ら顔のタイプや原因を自己判断すると、より症状が悪化してしまうこともあるため要注意。誤ったケアによってかえって改善への糸口が見えにくくなることもあります。

「急に顔が赤くなった」「だんだん悪化している」といった場合には、できるだけ早く皮膚科を受診すると安心でしょう。

慢性化・重症化する前に!赤ら顔の“医療的アプローチ”

赤ら顔が慢性化し、セルフケアでは改善できそうにない場合には、美容皮膚科や皮膚科での治療を検討してみても良いでしょう。赤ら顔のタイプ別に次のような治療があります。

赤ら顔のタイプ 効果が期待できる治療
皮膚の炎症 ・皮膚の炎症 ・IPL光治療
・RFマイクロニードル治療
・内服薬/外用薬
毛細血管拡張(酒さ) ・IPL光治療
・RFマイクロニードル治療
・レーザー治療
・内服薬/外用薬

■IPL光治療

IPL 赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:INMODE

カメラのフラッシュのような光を照射し、赤ら顔も含め、くすみや毛穴など広範囲の肌悩みにアプローチできる治療法。炎症型、毛細血管拡張型の両方の赤ら顔に適応しており、3~5回程度の照射で効果が期待できます。

主に使用されている機器は、「フォトフェイシャル」や「ルメッカ」。ダウンタイムもレーザー治療と比べると軽度で済みます。

  • 治療期間……3~4週間隔で3~5回
  • 費用の目安……15,000円程度/1回

▼ルメッカによる赤ら顔治療について解説した記事はこちら

■RFマイクロニードル治療

RFマイクロニードル 赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:Viol Medical

皮下へ細い針を刺して穴を開け、真皮層へ熱を送る治療法。炎症型の赤みを引き起こすニキビやニキビ痕へアプローチし、赤みを改善へと導きます。

主に用いられる機器は「シルファーム」や「ポテンツァ」。ダウンタイムも1~3日程度で収まる場合がほとんどです。

  • 治療期間……4~6週間隔で3回以上
  • 費用の目安……60,000~100,000円程度/1回

■レーザー治療

レーザー 赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:CANDELA

赤ら顔治療では、主に「Vビーム」という色素レーザーが使われます。Vビームとは、ヘモグロビン(血中の赤い成分)に反応し、拡張した異常な毛細血管のみを破壊する機器。

照射後のダウンタイムとして、むくみや軽度の皮下出血が生じることがありますが、1週間ほどで解消する場合がほとんどです。

  • 治療期間……4週間隔で2~10回程度
  • 費用の目安……10,000~30,000円/1回

■内服薬

内服赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)赤ら顔治療では、以下の内服薬が主に処方されます。

  • 保険治療……抗生物質・ビタミン剤・漢方薬
  • 自由治療……イソトレチノイン

イソトレチノインは、欧米では重症のニキビ治療薬として古くから使用されていますが、2025年5月時点、日本ではまだ厚生労働省の承認が下りていません。そのため、主に美容皮膚科などの自由診療にて処方されています。

■外用薬

肌 赤ら顔・酒さは“敏感肌”とは別モノ?見逃されがちな疾患系の赤みに注意!|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)赤ら顔治療では、以下の外用薬が主に処方されます。

  • 保険治療……抗生物質・メトロニダゾール
  • 自由治療……アゼライン酸・イベルメクチンクリーム

メトロニダゾールは、2022年に保険適用された酒さ治療薬。この薬によって副作用を抑えつつ、酒さによる赤ら顔の治療が可能になりました。

赤ら顔治療には保険適用と適用外(自費治療)がある

赤ら顔の治療には、保険適用される場合と適用外となる場合があります。

例えば、毛細血管拡張症の治療に採用されるVビームは以下の条件に当てはまれば保険適用となるケースがほとんど。ただし、医師による診断のもと、厚生労働省認可の機器を使用し、規定の間隔で治療を行うことが条件となります。

<Vビームが保険適用となる条件>

  • 小鼻や頬などに出現している網目状の赤み
  • 子どもから大人まで年齢問わず生じる
  • 自然に消滅しない

また、酒さやアトピー性皮膚炎、ステロイドの長期使用などによる赤ら顔には保険は適用されません。

赤ら顔は継続治療が必要となるため、費用面で負担にならないように、医師へ保険適用になるかどうかをしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

赤ら顔は、さまざまな要因が絡み合って発症し、慢性化すると改善が難しくなることもあります。そのため早期にケアすることが大切。

治療の選択肢は幅広く、保険適用で受けられる薬物療法やレーザー治療だけでなく、より複合的に肌の悩みにアプローチできる美容医療(自費治療)もあります。効率的に赤ら顔を改善したいなら、自己判断せずに皮膚科や美容皮膚科で専門医に診てもらうのが確実。

誤った対処法で症状を悪化させることのないよう、ご自身の赤ら顔のタイプや原因を正確に把握し、最適な方法で改善を目指しましょう。

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