
「ジャルプロ」は肌育注射の1つ。美肌治療において注目される製剤ですが、どのような効果があるかご存知でしょうか?この記事では、ジャルプロが美肌に良いとされる理由や、4種類あるジャルプロの違いを徹底解説。また、ダウンタイムや治療の注意点についてもお伝えします。ジャルプロを取り入れるか悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
1.「ジャルプロ」とは?美容皮膚科で選ばれる理由

出典:photoAC ※写真はイメージです
「JALUPRO(ジャルプロ)」とは、2005年にイタリア・ミラノで生まれた、肌育注射に用いられる製剤です。まずは、ジャルプロの効果や仕組み、同じく注目される「スネコス」との違いを見ていきましょう。
■「ジャルプロ」の効果
ジャルプロは、細胞外マトリックス(ECM)を再構築(リモデリング)する作用を持つことが特徴です。非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸を主成分としており、真皮に存在する線維芽細胞の働きを活性化させ、コラーゲンやエスラチンの産生をサポートします。
ジャルプロを肌に注入すると、肌の自己再生能力が高まり、弾力性や保湿力、キメの乱れの改善が期待できます。注入後は数日以内にヒアルロン酸による肌質の変化が感じられ、その後数週間かけて、アミノ酸による肌再生効果を感じられるでしょう。効果をより高めるためには、定期的に注入する必要があります。
■「ジャルプロ」と「スネコス」の違い
「スネコス」は、ジャルプロと同様に皮膚の再生効果が期待できるリモデリング製剤です。ジャルプロとの違いは、配合されているアミノ酸の量。スネコスには6種類、ジャルプロには4種類のアミノ酸が含まれており、数でいうとスネコスのほうが多くなります。
一方で、ジャルプロはアミノ酸の一種であるグリシンを、スネコスより高濃度に配合していることが特徴です。グリシンはコラーゲンの生成に重要な役割を持っているため、その点を評価する声もあります。また、ジャルプロのほうが発売されてからの歴史が長く検証データが多いことも、選ばれている理由でしょう。
■「ジャルプロ」の施術方法
ジャルプロは、気になる部分に医療用の針を用いて注入します。施術は医師による手打ちのほか、水光注射などのマシンを用いた方法もあります。手打ちとマシン注入の特徴は以下のとおりです。どちらの手法が適しているかはお悩みや肌状態にもよるため、医師に相談して決めましょう。
手打ち
医師による手打ちはピンポイントに注入できることがメリット。注入位置、製剤の量を細かく調整できるため、悩みに合わせたオーダーメイドな施術が受けられることが特徴です。
マシン
一定の深さで、顔全体に均一に製剤を注入できることがメリット。痛みも比較的少ないとされており、施術時間も短めです。
一般的に肌表面に麻酔クリームを塗布してから注入を行いますが、痛みに強い方は麻酔なしでも受けられます。痛みがとくに心配な方は、笑気麻酔を用意しているクリニックもあるため、事前に相談しておきましょう。カウンセリング・麻酔を除いた施術時間は範囲によって異なりますが、20~40分がおおよその目安です。
2.「ジャルプロ」は4種類!効果や特徴を比較

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ジャルプロは4種類の製剤が展開されています。ヒアルロン酸の分子量や、ペプチドの有無が主な違いです。ここからはジャルプロの製剤別に、効果や特徴を比較してみましょう。
■「ジャルプロクラシック」
「ジャルプロクラシック」は、ジャルプロの中でも定番の種類です。成分や効果は以下のとおり。
配合成分 | 非架橋ヒアルロン酸(低分子)・4種のアミノ酸 |
主な効果・悩み | 目の下のクマ、小ジワ、ハリ・ツヤ向上、保湿 |
推奨部位 | 全顔、目元、額、首まわり など |
推奨施術回数(1クール) | 1~2週間に1回を4回 |
広範囲に注入できるため、主に美肌治療を受けた後の定期的なメンテナンスや、自然に肌を整えたい方、乾燥や小ジワが気になる方に向いています。
■「ジャルプロHMW」
「ジャルプロHMW」は、高分子の非架橋ヒアルロン酸が配合されていることが特徴です。低分子ヒアルロン酸に比べて吸収・拡散速度がゆるやかになるため、ボリュームアップ効果も得られます。
配合成分 | 非架橋ヒアルロン酸(高分子)・4種のアミノ酸 |
主な効果・悩み | 小~中程度の小ジワ・シワ改善、ハリ・ツヤ向上、保湿 |
推奨部位 | 口元、額、首、頬 など |
推奨施術回数(1クール) | 2~4週間に1回を4回 |
ほうれい線が目立つ、コケた頬をふっくらさせたいなど、老けた印象が気になる部位にピンポイントでアプローチが可能です。
■「ジャルプロスーパーハイドロ」
ヒアルロン酸とアミノ酸を強化し、さらにペプチドを配合した「ジャルプロスーパーハイドロ」。真皮層の奥深くまで働きかけ、より深い悩みにアプローチします。
配合成分 | 非架橋ヒアルロン酸(低分子+高分子)・7種のアミノ酸・3種のペプチド |
主な効果・悩み | たるみ予防、リフトアップ、小~中程度の小ジワ・シワ改善、ハリ・ツヤ向上、保湿 |
推奨部位 | 全顔(片側6~7箇所)、首(片側6箇所) |
推奨施術回数(1クール) | 4週間に1回を2回 |
注入部位は推奨箇所がありますが、クリニックによってはカスタマイズ治療を行うケースも。ハリ・ツヤの向上やシワのお悩みに加え、たるみもケアしたい方に向いています。
■「ジャルプロヤングアイ」
「ジャルプロヤングアイ」は名前のとおり、目元の悩みに特化した製剤です。2種類の低分子ヒアルロン酸を組み合わせてあり、保水力が高く、乾燥による小ジワやハリ不足に、ピンポイントでアプローチします。
配合成分 | 非架橋ヒアルロン酸(低分子×2種)・7種のアミノ酸・3種のペプチド |
主な効果・悩み | 目の下のクマ、目元の小ジワ、目元のたるみ |
推奨部位 | 目のまわり |
推奨施術回数(1クール) | 1~2週間に1回を3回 |
目元のエイジングサインが気になり始めたら、ジャルプロヤングアイを検討してみましょう。
3.「ジャルプロ」のダウンタイムや副作用

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ジャルプロのダウンタイムや、副作用についても理解をしておきましょう。
■ダウンタイムの症状と期間
ジャルプロのダウンタイムの症状は以下のとおりです。
- 痛み
- 紅斑
- 腫れ
- 内出血 など
一般的に、施術直後は蚊に刺されたような膨らみができますが、数時間ほどで消失し、翌日には目立たなくなります。稀に内出血の症状が出ますが、安静に過ごせば数日で落ち着くでしょう。施術当日の飲酒や運動は、血行を促進させ内出血が長引く恐れがあるため控えたほうが無難です。
ただし、ダウンタイムの表れ方には個人差があります。心配な方は、施術後しばらくは大切な予定を入れないなど、余裕を持ったスケジュール管理を心がけましょう。
■「ジャルプロ」のリスクや副作用
ジャルプロは、従来のヒアルロン酸にあった架橋剤によるアレルギー反応や、血栓塞栓のリスクが低い製剤です。しかし、ヒアルロン酸に過敏に反応する方や、妊娠・授乳中の方、注入部位に炎症や皮膚疾患がある方は施術を受けられません。
失敗や後悔を避けるためにも、不安な点は事前前に医師に相談しておきましょう。
4.「ジャルプロ」を受ける際の注意点
肌育注射には、ジャルプロ以外にも「スネコス」や「リジュラン」など、さまざまな種類があります。効果や料金、注入サイクルの期間などそれぞれ特徴が異なるため、まずは医師に診察してもらい、自分に合った製剤を選ぶことが大切です。
また、医師による手打ちの場合、熟練した技術と豊富な経験が求められます。実績や実力を事前に確認し、信頼できるクリニックを選びましょう。
まとめ
ジャルプロは数ある肌育注射のうちの1つです。皮膚を再生するよう働きかけ、自然な過程で美しい肌を目指せます。4種類の製剤はそれぞれ異なる成分や効果を持つため、肌に合った製剤を選ぶことが大切です。また、施術は針での注入になるため、ダウンタイムが必要な場合があることも理解しておきましょう。肌育注射に迷ったら、ぜひジャルプロも検討してみてください。
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