ヒアルロン酸製剤である「テオシアル」と「ジュビダームビスタ」の違いを知りたい方に向けて、両者の特徴を、製剤の承認状況や質感、持続性や適応部位などの観点から見ていきましょう。
部位や仕上がりの好みによって、選択が変わる点を中立的に解説しています。
納得のいく施術が受けられるよう、医師の判断ポイントやカウンセリングで確認すべき視点などもまとめました。
テオシアルとジュビダームの基本的な違い
「テオシアル」と「ジュビダームビスタ」は、どちらも美容医療で広く用いられるヒアルロン酸製剤です。
この2つの製剤は、承認状況や構造に違いがあります。
■製剤の承認状況
ジュビダームは、厚生労働省に承認されているヒアルロン酸製剤のブランドで、国内での安全性評価や品質基準を満たした上で流通しています。
一方、テオシアルはスイスのテオキサン社が開発した製剤で、海外では幅広く使用されていますが、日本では未承認です。
未承認といっても、医師の判断において「輸入された医薬品」として使用されています。
多くのクリニックでは、海外での実績や評価にもとづいて取り入れられています。
承認の有無は、製剤そのものの優劣を意味するものではなく、国内での審査プロセスが行われたかどうかの違いを示すものです。
承認された製剤のジュビダームは、種類が明確に分類されています。
クリニックによってはラインナップや価格を一定の基準により提示していることが特徴です。
対してテオシアルは、RHAシリーズやウルトラディープなど選択肢が多く、海外基準の幅広いラインナップの中から医師が選択するケースが多く見られます。
■製剤の構造
ジュビダームはVYCROSS(バイクロス)技術を採用し、分子量の異なるヒアルロン酸を組み合わせて架橋の密度を調整することで、比較的滑らかで長期的に形を保ちやすい構造を持っています。
輪郭形成やボリュームアップに用いられやすく、ヒアルロン酸注入を行う治療で幅広く対応できる点が特徴です。
テオシアルはRHAテクノロジーを用いており、肌の動きに追従する弾力性を重視した製剤構造が特徴となっています。
「テオシアルRHA1」や「テオシアルRHA3」など複数の種類があり、中でも「テオシアルRHA4」は、深部のボリューム補填に使われることが多い製剤です。
また「テオシアルウルトラディープ」など硬めのラインも存在するため、顎やこめかみなど立体感が求められる部位で選ばれやすいです。
ジュビダームは「形の保持力と安定感」に、テオシアルは「皮膚の動きになじむ柔軟性」に長けている点が両者の違いとなります。
各製剤の特徴は質感や仕上がりの方向性に影響し、部位ごとの製剤の向き・不向きにもつながります。
仕上がりや持続期間、なじみやすさの違いは?

出典:photoAC ※画像はイメージです
仕上がりの質感や持続期間は、ヒアルロン酸製剤を選ぶ際にとくに気になるポイントではないでしょうか。
「テオシアル」と「ジュビダームビスタ」はともにラインナップの種類が多く、部位や目的に合わせて使い分けられています。
ここでは、それぞれのヒアルロン酸製剤の硬さや、なじみやすさの違いを説明します。
■硬さや質感による仕上がりの違い
仕上がりの質感に大きく影響するのが、硬さの違いです。
ジュビダームはVYCROSS技術による密度の高い架橋構造のため、比較的形を保ちやすい傾向があります。
輪郭形成や額・顎の立体感を出したい場合や、シャープな印象を作りたい場合などに使われています。
テオシアルはRHAテクノロジーにより、皮膚の動きに寄り添うやわらかさを重視して作られている製剤です。
動きの多い口元など表情による変化が出やすい部位ではなじみやすく、仕上がりの自然さにつながりやすいことが特徴です。
とくに唇や目周りといったやわらかく繊細な部位では、RHAシリーズがよく選ばれています。
しかし、テオシアルにも「テオシアルウルトラディープ」など硬めの製剤のラインがあり、逆にジュビダームにもやわらかいタイプが存在します。
ブランド単位で硬い・やわらかいと区分するのではなく、特性によって使われる製剤が変わることを理解しておきましょう。
■持続期間の比較
どのヒアルロン酸でも、部位をはじめ、使用量や注入深度、個人差など複数の要因が持続期間に大きく影響します。
一般的に語られる傾向として、ジュビダームは長い期間で形を保ちやすい製剤だといわれています。
ボリューム形成を目的とした部位で選ばれやすいです。
テオシアルはRHA特有の柔軟性を持つため、組織へのなじみが良く、表情の動きに合わせて自然に変化していく点が特徴のヒアルロン酸製剤です。
製剤の種類によって持続性に差があるため、やわらかい=持続期間が短いとは一概にいえません。
安全性や副作用・ダウンタイムの比較

出典:photoAC
「テオシアル」と「ジュビダームビスタ」はいずれもヒアルロン酸を主成分とする製剤で、基本的な副作用やリスクは共通しています。
注入直後の腫れや赤み、内出血のほか、触れたときの違和感などは一般的に起こり得る反応で、時間の経過とともに落ち着くことが多い症状です。
製剤の種類に関係なく、血管への誤注入などによって深刻な合併症が起こる可能性はわずかにあります。
施術の際は、医師の判断力や解剖学的知識があるかどうかが重要です。
製剤ごとのリスクの差として挙げられるのは、硬さや架橋構造によるなじみ方の違いです。
硬めの製剤では、稀に凹凸が出やすい部位があります。
反対に、やわらかい製剤では、吸収の過程で、ゆっくりと変化が進むことなどが挙げられます。
しかし、これらはあくまで一般的な傾向であり、個々の肌質や注入する層・量によって大きく異なるため、製剤名だけで判断することは適切ではありません。
費用相場とクリニックでの確認ポイント

出典:photoAC
「テオシアル」と「ジュビダームビスタ」は、どちらも複数の種類があるヒアルロン酸製剤で、値段にも幅があります。
ここでは、一般的な費用の目安をご紹介しましょう。
クリニックで確認したいポイントもまとめていますので、参考にしてください。
■費用の目安と価格差が生まれる理由
テオシアルやジュビダームなどのヒアルロン酸注入は「1本あたり〇円」と価格設定されていることが多いです。
テオシアルシリーズの費用相場は1本約4~8万円、ジュビダームの1本あたりの費用相場は約5~10万円といわれています。
しかし、注入する量によって、トータルでかかる費用が変わります。
費用を比較する際は、1本の価格だけでなく、その部位への注入にはどれくらいの量が必要なのかも、併せて確認してください。
価格差が生まれる理由としては、製剤の種類やクリニックの施術方針などの理由が代表的です。
また、クリニックごとに異なる安全対策への投資や正規流通ルートの有無なども、理由として挙げられます。
■カウンセリングで確認したいポイント
費用や製剤の違いを理解した上で、カウンセリングで確認したいのは「医師がなぜその製剤を提案するのか」という具体的な理由です。
テオシアルのやわらかさが適しているのか、ジュビダームの保持力が必要なのか、目的や部位に応じた判断が重要です。
「どちらの製剤が良いか」ではなく「自分の悩みに合っているか」を見極めましょう。
持続性の考え方についての説明も重要です。
ヒアルロン酸は種類によって持続期間が異なります。
どれくらい持つのか、どのように変化していくのかについても聞いておくと、長期的な治療計画が立てやすくなるでしょう。
注入層・注入量の説明が丁寧な医師は、施術設計を重視しているケースが多いです。
また、過去にヒアルロン酸治療を受けている場合は、そのことについて伝えておきましょう。
体内にヒアルロン酸が残っていると、必要に応じて溶解しなくてはなりません。
加えて、施術時の仕上がりに影響する可能性があります。
まとめ
「テオシアル」と「ジュビダームビスタ」の違いは、承認状況や製剤の構造をはじめ、質感や持続性にあります。
選択する際に重要なのは、どちらの製剤が優れているかではなく「入れたい部位や目的にどの製剤が適しているか」です。
動きになじませたい部位には柔軟性のあるものを、立体感を出したい部位には保持力のあるものを選ぶと良いでしょう。
カウンセリングで聞いた話などをベースに、自身に合ったヒアルロン酸治療の計画を立てることが大切です。
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【施術の内容】ヒアルロン酸注射
【施術期間および回数の目安】約9~12ヶ月ごとに1回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1本 ¥55,000~¥150,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分を有する他の国内承認医薬品は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。


