性感帯の真実:男女の違いと勘違い、そして快楽の極地へ…中イキと外イキ、性感帯探求のススメ

性感帯の真実:男女の違いと勘違い、そして快楽の極地へ…中イキと外イキ、性感帯探求のススメ

セックスにおいて、男女とも性感帯に正確に触れてほしい・触れたいと考えるものですが、思うようにいかない場合「身体の相性が悪いのでは?」「自分は不感症なのでは?」と悩む方もいるでしょう。男女は身体の構造が違うように、性感帯も大きく異なります。本記事では、快感を得られる身体の部位を男女別に詳しく解説。物理的な気持ち良さだけでなく、パートナーとの愛情や安心感にもつながる“性的快楽”のベールを捲り、真実に迫りましょう。

1.男女の性感帯の違い:身体と心の奥深くまで

性感帯とは、刺激を加えると性的興奮が高まったり、快感を得られたりする体の敏感な部位のこと。部位や気持ち良さには個人差がありますが、自身やパートナーの性感帯を知ることで、より性的なふれあいを充実させ、心のつながりを持つことができます。どのような部位が性感帯になりうるのか見ていきましょう。

男女の性感帯の生物学的な違いとは

ここでは、生物学的な違いに基づいた男女別の性感帯をご紹介します。

男性器の性感帯

非常に敏感な神経が集中している男性器は、男性の性感帯として代表的な部位。男性器の中でも亀頭は特に快感を得られやすい場所です。その他にも、陰茎の裏側にある細い帯のような小帯裏筋とも呼ばれる部分)、睾丸を覆っている袋である陰嚢(いんのう)、陰嚢と性器と肛門の間にある会陰に性感帯がある男性が多いといわれています。

女性器の性感帯

女性も性器に気持ちいいと感じる場所が多く集まっています。特に8000以上もの神経が集中しているクリトリス、膣を保護する小陰唇、膣の入り口辺りにあるGスポットは、性的刺激を感じやすい場所です。女性器はその複雑な形状から、どこに性感帯があるか分かりづらいため探求する余地があります。詳しくは後述します。

女性の性感帯は全身にある!?衝撃の事実

女性の性感帯は、性器以外ではどこにあるのでしょうか?実は性器以外にも神経が多く集まっている場所は性感帯になりやすいといわれており、大多数の女性は「全身が性感帯」といわれるほど快感の領域が多いという事実があるのです。
2016年(※1)・2020年(※2)の調査報告によると、特に快感を得やすいのは乳房・唇・首・耳・お尻で、太ももの内側や下腹部も敏感だといわれています。

〈ほかにもたくさんある女性の性感帯〉

このような調査報告があるものの、オーガズムに達するのが難しい、または経験したことがないという女性は多いものです。自身の性感帯を知り快感を得るためには、自分で身体に触れてみて感じる場所を探し、パートナーに伝える必要があります。
しかし、男性は性的なことについて比較的オープンに話すことができるのに対し、女性は長年性について抑圧されてきた背景があります。性行為や快楽を積極的に追求することに対して、うしろめたさを持っている女性も多いでしょう。
セックスや快楽は、隠さなければならないものではありません。人生の楽しみとして身近なものとして捉えられるよう、意識をアップデートしてみましょう。

2.女性の性感帯の真実:女性の身体は秘密の宝庫

AV大国といわれるほど、アダルトビデオの制作や視聴が盛んな日本。男性向けのAVでは、男女が出会ってすぐに行為に及び、男性がオーガズムに達することをセックスのゴールとした作品に人気が集まりがちです。そのため、女性の快楽は挿入によって得られるものと勘違いしてしまう男性も多くいます。しかし、前項で述べたように女性の性感帯は多くの部位にあり、唇を這わせたり、触れたりすることでも興奮を高めることが充分に可能です。

乳首よりも、より感じる、隠れた性感帯・部位とは?

性器にはたくさんの性感帯が集まっていますが、性感帯として広く認識されている部位にクリトリスがあります。クリトリスは、女性に快感をもたらすために設計されているような器官です。膣口の上のほうにある突起として認識している方も多いのですが、突起は体外に露出しているごく一部分で、大部分は下記のように二股に分かれて体内に広がっています。

膣内にある代表的な性感帯として「Gスポット」がありますが、実はGスポットはクリトリスと深く関わっている部分。詳しくは最後の項で解説しましょう。

言葉やタッチ(触覚)・雰囲気づくりで開かれる性感帯の扉

性感帯へのアプローチだけでなく、言葉によっても興奮を高められることをご存じでしょうか。
ハグやスキンシップとともに「愛してる」「可愛い」「うれしい」「気持ちいい」など、恥ずかしがらずにコミュニケーションをとることでパートナーとの関係性が深まり、前戯の質が高まります。
敏感な部位に触れる前に、愛情を伝える言葉で性感帯の扉を開きましょう
やりすぎたり、関係性によっては「言葉かけが多くてキモかった」といった感想もある…といえばありますが、良い関係性であるという前提に立った場合、適切な声掛けは重要な要素です。
(ただし、「ここがきもちいいの?」「何が欲しいか言って」といったオジさんっぽい声掛けはやめた方が無難ですよ…相手の気持ちが同じ状態ではないことがあると思うので、あくまでも「自分が思うこと」を伝える、というのもポイントかもしれませんね。)

〈ピックアップコラム:オーガズムの定義って?〉
オーガズムとは、性行為中に起こる性的快感の最高点のこと
骨盤まわりの筋肉が高速で収縮し、呼吸が速くなったり心拍数が増加したりといった身体の変化が起こります。
男性がオーガズムを迎えるのと連動して、射精が起きるのに対し、女性は身体の硬直やけいれんがみられることがあります。女性については、毎回オーガズムを迎えるわけではありません。しかし、一度オーガズムの感覚をつかむと、その後もオーガズムを迎えやすくなるといわれています。

3.男性の勘違いと影響:アダルトビデオの幻想と現実

出典:photoAC

オーガズムに達せない(イケない)・セックスを楽しめないという悩みを持つ女性の中には、セックス中の男性の誤った行為に不満を持っているケースがあります。
男性が誤ったセックス観を持ってしまう原因として、前項でも触れたアダルトビデオ(AV)が挙げられます。ジェクス株式会社による「ジャパンセックスサーベイ2020 調査結果報告書」によると、マスターベーションの際にアダルト動画を視聴している人は、男性75.9%、女性28.5%。男性の多くが高頻度でAVを視聴していることが分かります。
男性のセックス観に大きな影響を与えているAVの幻想と現実について、見ていきましょう。

AVの演出から見える男女の性のすれ違い

男性向けのAVにおける性行為の描写には、しばしば痛みを伴うような暴力的な行為が含まれています。また、それに対して女性が喜ぶような反応を示している点も特徴
これは、局部にモザイクをかけるという制限がある中で、いかに刺激的な映像を作り出すかを考えた末に生まれた表現だといわれています。

AVの演出で、現実的ではないと思われる行為や表現は、主に以下のとおりです。

  • 愛撫や挿入時の動きが激しく勢いがある
  • 行為開始後すぐに女性があえぎ声を出す
  • 行為中に何度も体位を変える
  • 女性が簡単に何度もオーガズムに達する
  • 女性がオーガズムに達したときに潮を吹いたり海老反りになったりする

他にもAVによって植えつけられたセックスの間違ったイメージは数多くあり、近年では複数のセクシー俳優が「AVはファンタジーである。それをわかった上で、楽しんでほしい」と公言しています。
しかし、AVを“性の教科書”として学ぶ男性は少なくないもの。学んだ内容を現実のセックスに持ち込むと、女性はセックスに苦痛を感じ、相手に愛情を持てなくなってしまうでしょう。
男性側もパートナーに女優のような反応が見られないことに不満を持ったり、苦痛を感じている様子を「快感を得ている」と勘違いしたりする方もいます。

一方、女性向けのAVはストーリー性を重視したものが多く、行為に至るまでの会話や性的ではないスキンシップ、行為後のコミュニケーションを丁寧に描いた作品が好まれる傾向です。例えば、「職場の先輩との関係」などの憧れのシチュエーションや、「沢山いちゃいちゃする」といった、本来パートナーにしっかりして欲しいけれどおろそかにされがちなコミュニケーションを盛り込んだものが多い、というのも特徴的です。
価値観が異なることがよくわかる傾向性で、男性向けのAVのようなセックスでは、女性が快感を得ることは難しいでしょう。

正しい性感帯の探求と理解がもたらす深い快楽

前述のとおり、激しい挿入がメインのセックスや、それに対する女性の反応はAVによる幻想です。一般的に、男性は相手の顔や身体を見るだけでも性的欲求が一気に高まるのに対し、女性は男性と優しく触れ合いながらリラックスして過ごすうちに、ゆっくりと性欲が高まっていくといわれています。このズレをお互いに理解して、ムードづくりを工夫するほか、愛情を伝える声掛け、前戯による性感帯の探求に重きを置くことで、深い快楽がもたらされるでしょう

4.中イキと外イキの真実:Gスポットを探求・快楽の極地を目指して

女性のオーガズムの種類は、「中イキ」「外イキ」に区別されることがあり、中イキのほうが満足感が高いと聞いたことはないでしょうか。ここからは、中イキと外イキの本当の意味と、知られざるGスポットの場所や快楽を得るための秘訣について解説します。

中イキと外イキの意味

女性のオーガズムは、以下のように区別されることがあります。

中イキ: 膣内(Gスポット)への刺激でオーガズムに達すること
外イキ:クリトリスへの刺激でオーガズムに達すること

しかし、クリトリスの大部分は体内に広がっているため、たとえ「中イキ」を体験しても体内にあるクリトリスを刺激した結果であるケースが多いのです。どちらも同じ器官で快感を得ていることから、医学的には「中イキと外イキの区別や差はない」という考え方もあります。
男性の中には「Gスポットは中イキにつながる部位」だとして、荒く刺激するケースがありますが、Gスポットの位置は個人差があり、そもそも無い女性もいます。激しく触れると痛みを感じたり、傷をつけたりしかねないため、やみくもにGスポットの位置を探るのは間違いです。

中イキと外イキの鍵を握る方法とは?

女性にとって刺激が強い部位の一つとされるGスポット一般的に膣の入り口に指を入れて、2~3cmほどの位置で指を曲げたところにある感触が異なるゾーンのことをいいますが、Gスポットもクリトリスの一部。単純にGスポットのあたりを刺激すれば感じるというわけではありません。
まずはクリトリスを刺激して陰核海綿体を膨張させることで、クリトリスを男性でいう勃起の状態にします。そのプロセスを経ることで、Gスポットの感触がより明確になり、感度を高めることができるのです。いわゆる「中イキ」には、「外イキ」と同様にクリトリスが鍵を握っているといって良いでしょう。

「ちゃんとイキたい!」快楽の極地に到達するための秘訣を探る

「オーガズムを経験したことがない」と悩む女性は、まずセルフプレジャーを楽しむことをおすすめします。セルフプレジャーとは自分自身で性的快楽を追求する行為のことで、女性が行うことについては、これまでオープンに語られることはありませんでした。
しかし近年は、セルフプレジャーでオーガズムを得るとエンドルフィンやオキシトシンという2つのホルモンが分泌され、身体をリラックスさせることができるとして、ポジティブに捉えられています。

「いつかパートナーがオーガズムに導いてくれる」という受け身の意識でいると、オーガズムを迎えることは難しくなるかもしれません
セルフプレジャーは、自分の気持ちいいと感じる場所や触り方を探りながら、指や道具を使って刺激します。クリトリスは最もオーガズムを得やすい場所です。まずは下着の上から触り、徐々に直接触れる・擦るなど、さまざま刺激を試してみると良いでしょう。

クリトリス以外でオーガズムに達するのが難しい(中イキができない)という方は、パートナーに頼らず、自分でも、Gスポットを刺激して感度を高めてみてはいかがでしょうか。Gスポットに触れる際は、まずクリトリスに触れて膣を潤します。そして、中指を少し曲げた状態で第二関節までゆっくりと入れて腹部側に触れ、ザラザラとした感触のGスポットを探します。Gスポットを見つけたら、リズミカルに円を描いたり上下に動かしたりして刺激しましょう。

オーガズムに達せなくても焦らずに、リラックスして行うことで、徐々に感度が高まります
セックスの際には、自分が知る気持ちいい場所をパートナーにも知ってもらうことでより良いセックスにつながり、オーガズムに達しやすくなるでしょう。

Gスポット開発には、美容医療もおすすめ!

美容医療の分野には感度を高めたり、男女のオーガズムをサポートするような施術もあります。
例えば、以下のような治療があります。

外イキ:クリトリス包茎や、小陰唇や副皮切除など、外側の皮を整えることで感度を増す、もしくは自信を持ってセックスができるようになる。
中イキ:「Gスポットヒアルロン酸」…Gスポットなど膣内にヒアルを注入することでふっくらさせる&デザイン次第で名器を創るテクニック。

▼そのほか、NEROの参考記事一覧

男性のテクニックはもちろん重要ですが、膣内の環境を「イキやすく」「感じやすく」することは、美容医療の力を借りればできるということは、知っておいて損はないでしょう。

まとめ

女性が自身の性感帯を知り 、性的快楽を楽しむことは長い間タブー視されてきました。しかし、その探求は自身の身体を理解し労わることや、パートナーシップに大きな影響を与えます。
セックスは身体を使ったコミュニケーションの一種です。これまでの価値観に捉われず、お互いの性感帯を正しく理解し合って、より深い快楽とつながりを築いていきましょう

【参考】
※1 Younis, Ihab & Fattah, Menhaabdel & Maamoun, Marwa. “Female hot spots: extragenital erogenous zones” . Human Andrology. 6. 20-26.(2016)

※2 Lara Maister(2020)The Erogenous Mirror: Intersubjective and Multisensory Maps of Sexual Arousal in Men and Women Arch Sex Behav. 2020; 49(8): 2919–2933

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