膣のかゆみで受診する目安は?美容クリニックでできる治療法を紹介

膣のかゆみで受診する目安は?美容クリニックでできる治療法を紹介

膣のかゆみがあっても、受診するべきか迷う方は多いのではないでしょうか?しかし、膣のかゆみの原因にはさまざまあり、間違ったケアをしていると悪化につながるため、注意が必要です。今回は、膣のかゆみの原因や受診の目安、美容クリニックでできる治療について解説します。膣のかゆみにお悩みの方や、婦人科形成の治療法が気になる方は、参考にしてください。

1.膣のかゆみの原因は?

出典:photoAC

膣のかゆみは、主にかぶれや感染症が原因と考えられます。陰部は下着で覆われていて蒸れやすく、汚れや汗が溜まりやすい状態になっているため、かぶれや感染症が起こりやすいのです。膣のかゆみの原因となるかぶれや感染症について、詳しく見ていきましょう。

■かぶれ(接触皮膚炎)

かぶれは「接触皮膚炎」ともいい、汗や皮脂、乾燥などによって皮膚が刺激を受け、炎症を起こした状態を指します。皮膚の表皮が刺激から皮膚を守る役割をしますが、防ぎきれないほどの刺激を受けた場合にかぶれが起こってしまうのです。女性の場合は、生理中に皮膚とナプキンやタンポンの紐が接触することや、経血によって蒸れることが、主なかぶれの原因になります。また、特定の物質と接触し、アレルギーを起こすことでかぶれる場合もあります。

■感染症

膣のかゆみの原因には、次のような感染症が考えられます。

性器カンジダ症

性器カンジダ症は、常在菌として体内に持っているカンジダ菌による感染症です。ストレスや疲れなどから免疫力が低下すると、カンジダ菌が増殖して発症します。性器カンジダ症になると、女性の場合は酒粕状やヨーグルト状のおりものが増えたり、性交時に痛みを感じたりすることが特徴です。

性器ヘルペスウイルス感染症

性器ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスというウイルスが原因の感染症です。口や性器の接触によって感染すると、約1週間の潜伏期間の後に外性器に水ぶくれができ、発熱や痛みの症状が現れます。悪化した場合は、激しい排尿痛や、太ももの付け根にあるリンパ腺の腫れが起こるのも特徴です。

しかし、感染しても無症状で、誰から感染したのか特定が難しいケースも少なくありません。一度感染するとウイルスが神経節の中に潜むため、治った後も免疫力が下がったときに再発することがあります。

性器クラミジア感染症

性器クラミジア感染症は、日本の性感染症の中では最も多いといわれています。クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされます。代表的な症状は、おりものの増加や下腹痛、不正出血、排尿痛、性交痛などです。

女性は無症状が多く、感染に気付かないケースもあります。感染が長期化すると、子宮頸管炎や不妊症、流産などの原因になることもあるため注意が必要です。

膣トリコモナス症

膣トリコモナス症は、トリコモナス原虫(微生物)が性器内に入り、炎症を起こす感染症です。感染すると、陰部に激しいかゆみ・痛みを感じたり、悪臭のある黄色いおりものが増えたりします。炎症が卵管まで進むと、不妊症や流産・早産の原因になり得ますが、無症状のケースが多いことも。

膣トリコモナス症は、ほとんどが性交渉による感染ですが、稀にタオルやシーツ、浴槽などを介して感染するケースもあります。

2.膣のかゆみを繰り返すのはなぜ?

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もしも、市販薬を使ったり、病院を受診したりしても膣のかゆみを繰り返す場合は、難治性のかゆみかもしれません。難治性のかゆみには、次のような原因が考えられます。

■掻きすぎている

膣のかゆみを繰り返す原因として、無意識に掻きすぎていることが考えられます。起きているときは掻くのを我慢できるかもしれませんが、寝ている間は無意識に掻いてしまうことがあるのです。皮膚を掻きむしると、ヒスタミンが生成されてかゆみが悪化するため、悪循環になってしまいます。デリケートゾーンのかゆみが治らない場合は、掻きすぎている可能性も考えてみましょう。

■洗いすぎている

膣のかゆみを繰り返すのは、デリケートゾーンの洗いすぎが原因かもしれません。かゆい部分を清潔にしようと、洗浄力の強いソープで念入りに洗っている方もいるでしょう。しかし、膣周辺の皮膚は薄く乾燥しやすいため、洗いすぎると皮膚が傷ついたり、常在菌のバランスが崩れたりして炎症が起こりやすくなってしまうのです。かゆみの悪化を防ぐためには、必要以上に洗いすぎないことも意識しましょう。

■誤ったケアをしている

かゆみに対して誤ったケアをしている場合も、症状を繰り返してしまうでしょう。例えば、自己判断で処方薬の使用をやめると、かゆみが治りきっていない可能性があります。また、市販薬を使ってもかゆみが治まらない場合は、かゆみの原因と関係のない薬を使っているかもしれません。繰り返すかゆみに対して適切なケアができるよう、自己判断で対応せず、医師に相談して指示を守ることが大切です。

■皮膚のターンオーバーが乱れている

膣周辺のかゆみを繰り返すのは、皮膚のターンオーバーが乱れていることが原因かもしれません。かゆみがあるということは炎症が起きているということ。炎症が起きている皮膚が乾燥すると、バリア機能が低下し炎症が治りにくくなるのです。また、皮膚のターンオーバーが乱れると、黒ずんだり厚くなったりすることにもつながります。

3.膣のかゆみで受診する目安

膣のかゆみを感じたら、「できるだけ市販薬で対応したい」という方が多いかもしれません。しかし、かゆみが長引くと、無意識に掻いて悪化したり、外陰部の皮膚が厚くなって見た目が悪くなったりすることもあります。そのため、以下のような場合は婦人科に相談してみましょう。

  • セルフケアをしても3日以上症状が治まらない
  • 眠れないほどのかゆみに悩まされている
  • 治ったり再発したりを半年以上繰り返している
  • デリケートゾーンを掻きすぎて皮膚が厚くなってしまった

皮膚のかゆみの症状だと皮膚科への受診を考えるかもしれませんが、デリケートゾーンのかゆみは性感染症の可能性もあるため、婦人科を受診して検査を受けたほうが安心です。

4.膣のかゆみは婦人科形成が可能なクリニックで治療する方法も

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デリケートゾーンの汚れや擦れが原因で膣のかゆみが起こっているのなら、婦人科形成の治療でかゆみの原因を改善するのも一つの手です。婦人科形成が可能なクリニックでは、膣のかゆみをはじめ、臭いや尿漏れなど、さまざまな悩みに対する治療を行っています。例えば、次のような治療法があるのでチェックしておきましょう。

■膣ヒアルロン酸

膣にヒアルロン酸を注入する治療では、加齢によって緩んだ膣壁を引き締めたり、膣内にうるおいを与えたりする効果が期待できます。注射による治療のため、治療の傷痕が残らず、ダウンタイムもほとんどないのがメリットです。ヒアルロン酸は1~2年かけて体内に吸収されます。

■小陰唇縮小

小陰唇縮小手術は、小陰唇の余分な部分を取り除き、美しく整える手術です。大きすぎたり左右差があったりする小陰唇を整えることにより、擦れや汚れの蓄積による臭いを改善できます。また、擦れて黒ずんでいた小陰唇を切除すれば見た目の改善も見込めるため、女性器をきれいに整えたい方にも向いている治療法です。

■クリトリス包茎

クリトリス包茎の手術は、クリトリスを覆う皮膚を切除する手術です。これにより、クリトリスと皮膚の間に恥垢が溜まりにくくなり、臭いの改善につながります。また、クリトリス部分の不快感や違和感、擦れによる痛みを軽減したり、デリケートゾーンの炎症を防いだりする効果も期待できるでしょう。

■副皮除去

副皮除去手術は、クリトリス包皮とつながっていて小陰唇の前方にあるヒダを除去する手術です。副皮はまったくない方もいますが、片方だけある・二重にある場合も。副皮のヒダには汚れが溜まりやすいため、除去によりデリケートゾーンを清潔にすることが可能です。また、臭いや炎症の改善にもつながります。

■まとめ

膣のかゆみは感染症が原因になっている可能性もあるため、セルフケアで治らない場合は婦人科を受診してみましょう。感染症ではなく、乾燥や擦れが原因になっている場合は、婦人科形成手術で改善する方法もあります。婦人科形成が可能なクリニックでは膣のかゆみ以外にも、臭いや見た目の悩みにも対応していることが多いです。デリケートゾーンのお悩みがある方は、受診を検討してみてはいかがでしょうか。

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