【ゼオスキン】オンライン診療による販売中止の背景と今後の影響を徹底解説

【ゼオスキン】オンライン診療による販売中止の背景と今後の影響を徹底解説

ゼオスキンヘルス(ZO® SKIN HEALTH)』は、肌質を改善したい方に注目を集める医療機関専売ブランドです。ゼオスキンはこの度、オンライン診療による製品の販売を中止することを決定しました。今回は、この決定の背景にある事柄と今後の影響について、詳しく解説します。購入の際の注意点も紹介するため、今後ゼオスキンを使ってみたいと考えている方は参考にしてください。

1.ゼオスキンのオンライン診療販売中止:メーカー側の見解とは?

2024年をもって、ゼオスキンがオンライン診療による販売を中止することを決定しました。2025年からゼオスキンを購入する際は、対面による診療が必須となります。この決定にはどのような背景があるのでしょうか。詳しく確認していきましょう。

ゼオスキンとは

ゼオスキンは、アメリカの皮膚科医ゼイン・オバジ氏の研究に基づき開発された医療機関専売コスメブランドです。医師の指導のもと、一人ひとりの肌の状態に合わせて使用アイテムや使用量、使い方などプログラムの内容を提案します。

ゼオスキンの代表的な治療プログラムが、健やかな肌を継続するためのセラピューティックプログラムです。12~18週間という短い期間で反応期・耐久期・完成期という3スキンサイクルを経て、肌質改善を目指します。

セラピューティックプログラムの中心となる成分は、メラニン色素の発生を抑える医薬品ハイドロキノンと細胞に直接働きかけ皮膚の再生を促すビタミンAの一種トレチノイン。トレチノインでピーリングを行い、皮膚が薄くなってシミが表面に近づいてきたところにハイドロキノンを浸透させるという方法で行う治療です。そのため、反応期にはビタミンAによるA反応で、皮むけや赤みなどが起こります。

ゼオスキンでよくあるトラブルの一例

ゼオスキンで効果を実感した方も多いですが、失敗して後悔したという声もあります。例えば以下のような口コミがありました。

  • 皮むけがひどく使用を中止した
  • 思ったほど皮むけしないから使用量を増やした
  • ニキビができたためニキビ薬を併用した
  • 問い合わせをしても詳しく説明してくれない
  • 初回後の再診の頻度が少ない
  • ネットで購入した製品を使ったら肌状態が悪化した

本来は医療機関でしか購入できないゼオスキンですが、認知度が高まったことにより、偽造品や出所が定かではない製品がインターネットやフリマアプリなどで購入してしまう人が出てきてしまったというのも大きな要因です。正規ルート以外で購入し、診療を受けずにインターネットやSNSの情報をもとに自己判断で使い始める方もいるようで、その結果肌トラブルに見舞われた方からの口コミにより、「ゼオスキンは危ない」という印象を持たれる方もいます。

加えて、自己判断によるトラブルも多くあります。皮むけや赤みは配合成分により想定された「副反応」であるため、本来は過度に心配する必要はありません。しかし、不安になったり予定が入ったりしたからと自己判断で使用を中止したり、調整してしまうと、思うような効果が得られないばかりか肌の状態が悪化したりすることもあります。

また、ゼオスキンを取り扱うクリニックは日本全国に多くありますが、なかにはきちんと診療をしないクリニックや、皮膚の診断にあまり慣れていないクリニックもあるようです。販売元によってはきちんと指導してもらえず、正しい経過なのか分からなかったなどという声もありました。

ゼオスキンが初回オンライン診療・販売の中止に踏み切った背景とは?

ブランドを守るため

先述した通り、ゼオスキンの製品は一般的な化粧品よりも肌の深い部分に浸透して作用するため、専門医による管理や指導を前提としています。とくにセラピューティックプログラムは反応の程度に個人差が大きいため、治療前はもちろん定期的に診療を受ける必要があります。オンライン診療で肌の状態をきちんと把握するのは難しいため、今回ゼオスキンが初回オンライン診療での販売中止に踏み切ることを決めました。その目的は、初回のオンライン診療を不可とすることで、対面での診療の重要性を周知徹底していくこと。一部の消費者や医療機関の誤った対応からブランドを守り、製品の安全性と効果を保証したいというのが大きな理由です。また、こうしたオンライン診療で回転率・販売率を重視している企業系ECショップでのゼオスキンは、驚くほどの割引率で売られていることもあり、それもまたゼオスキンの医師診察を必須とするブランドを守る上で注意喚起をしたかったポイントだと推察されます。

日本での市場拡大を目指すため

2024年3月に日本法人を設立したことも、今回の決定の理由の1つです。これまで日本でも10年以上の販売実績があるゼオスキンですが、キュテラ株式会社とゼオスキンヘルス合同会社を設立。日本人の肌に合わせた「クラリファイング セラム」を開発するなど、日本での市場拡大を目指しています。健全にブランドを発展させていくため、ゼオスキンの意図しない使われ方による悪評を避けたいという意図もあるでしょう。

2.美容業界への影響:クリニックとオンライン市場の変化

ゼオスキンの初回オンライン診療・販売中止を受け、美容業界にどのような影響があるのでしょうか。

クリニック販売の増加とオンライン業者への影響

今回規制されるのは、新規でゼオスキンヘルス製品を購入する場合。初回から対面で診療を行わず製品を販売することはできなくなります。そのため、打撃を受けるのは、初回オンライン診療可として新規顧客を取り込む企業系ECショップ。既存の患者様が2回目以降にゼオスキンヘルス製品を購入する場合においては、規制されたわけではありません。しかし、ゼオスキンの意向を汲み、2回目以降も対面診療を必須とするクリニックも増えるのではないかと予想されます。

販売管理の厳格化と偽造品撲滅のための他ブランドへの波及効果

インターネットショッピングを利用する方が増えたことで、偽造品などのトラブルも増加。消費者庁もインターネットでの化粧品購入は慎重に行うよう提示しています。多くのブランドでも、偽造品の流通は大きな問題です。ゼオスキンの決定を機に、偽造品撲滅に向けた対策がさらに加速すると考えられます。製品に製造ナンバーを刻印する、出荷情報の管理を厳格化するなどして、偽造品が作りにくいような仕組みを強固にしていく必要があるでしょう。偽造品の製造や販売を行う業者には法的措置を取る、確認されている偽造品のパッケージを公開するなど、偽造品撲滅の姿勢を示すブランドもさらに増えると予想されます。

3.消費者が気をつけるべきポイント:正規ルートでの購入方法

ゼオスキンを購入する消費者が気をつけるポイントも、併せて確認しておきましょう。

ゼオスキンの正規ルートでの購入方法は?

ゼオスキンを購入する際の正規ルートは、医療機関での購入です。ゼオスキン公式サイトの「ZO®クリニックを探す」から、近くにある取り扱い医療機関を検索することができます。取り扱い医療機関を受診し、医師の診療を受けてからゼオスキン製品を購入するのが基本的な購入ルートです。

偽造品を避けるための注意事項

ネットショップやフリマアプリなどでゼオスキン製品が販売されていることもあるでしょう。医師の診療がなくても通常のネットショッピングの感覚で気軽に購入できるように思えるかもしれません。しかし、正規ルートではないため、本物のゼオスキン製品だという保証はありません。さらに、ゼオスキン製品は正しく保管していないと未開封でも変色の恐れがあるなど、デリケートです。品質や保証期限も保証はないうえ、使用期限が過ぎているなど品質が落ちていると、肌の刺激になる可能性もあるでしょう。正規ルートで購入していない場合、誤った使い方をしてしまい肌トラブルが生じてしまった場合でも、すべて自己責任となります。

信頼できるクリニックを見つける

ゼオスキンは医師と一緒に肌質を改善していくことを前提としています。一度診療を受けゼオスキン製品を購入したらそれで終わりというわけではないため、ゼオスキンは信頼できるクリニックで購入することが大切です。なかにはきちんと診療をしないクリニックや、皮膚の診断にあまり慣れていないクリニックがあるのも事実。

  • 肌の状態をきちんと診ていない
  • 再診の頻度が少ない
  • 問い合わせに真摯な対応をしてくれない

上記のようなクリニックは避け、長いお付き合いができる医師やクリニックを見つけて、困ったときにはすぐに相談できるのがベストです。信頼できるゼオスキン取り扱い医療機関を見つけて、自分の肌を守りましょう。

診療なしに購入できるゼオスキン製品は買わない・使わない!

ゼオスキンはコロナ禍のおこもり美容という名目で認知度が高まり、肌悩みを改善するスキンケアとして注目を集めました。前述のとおり、ネットショップやフリマアプリなどを通じ医療機関の診療なしに購入でてしまう場合があります。

ゼオスキンは医療機関専売スキンケアとして開発されたもののため、「安い」「簡単に手に入る」といった理由で出所不明のゼオスキン製品を使用するのは危険です。正規ルートで購入していない場合、誤った使い方をしてしまい肌トラブルが生じてしまった場合でも、すべて自己責任となります。診療なしで購入できるゼオスキン製品は買わない・使わないようにしましょう

アフターケアの重要性を理解する

ゼオスキンヘルスは正しい使い方があって効果を得られるものです。セラピューティックプログラムは、治療期間中はもちろん終了後も正しいスキンケアを続けることで、健やかな肌を継続させます。セラピューティックプログラムでは刺激の強い成分を使用して肌のターンオーバーを促進しますが、副作用のリスクがあるため長期使用はできません。そのため、セラピューティックプログラム終了後はメンテナンスプログラムに移行して、頻度や量を調整して肌の負担を抑えつつ効果を維持できるようにするのが基本。

きれいになったからといって以前のスキンケアに戻すのではなく、肌の状態を確認してもらったうえでメンテナンスプログラムを受けることが大切です。ゼオスキン以外のスキンケアアイテムと併用する場合も事前に組み合わせに問題がないか確認するなどして、適切なケアを続けることが健やかな肌を保つポイント。セラピューティックプログラムはアフターケアも重要ということをきちんと理解しておくようにしましょう。

ゼオスキンの購入は必ず医療機関で!

本来であればオンライン診療による販売を了承した方が、メーカーとしては売上につながりますよね。しかしながら、ゼオスキンはブランドを守り正しい使用方法で使っていただける世界を目指すため、オンライン診療による製品の販売を中止することにしました。メーカーとしての苦渋の決断をNERO編集部は支持して応援しています。ゼオスキンは正しい使い方をしてこそ効果を実感できる製品です。ゼオスキン購入の際は正規ルートで購入し、医師と相談しながら使用するようにしましょう

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