エピジェネティッククロックという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
人間の年齢といえば一般的には暦年齢を指しますが、近年は老化の進行状態から生物学的年齢を計測する方法が研究されています。
その1つがエピジェネティッククロックです。
今回は、エピジェネティッククロックについて、見た目の老化との関係をはじめ、美容クリニックでの活用方法について詳しく紹介します。
エピジェネティッククロックについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
エピジェネティッククロックとは何か?

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初めに、そもそもエピジェネティッククロックとはどんな意味なのか解説します。
■エピジェネティッククロックとは
「エピジェネティッククロック」とは、「エイジングクロック」の1つ。
私たちの年齢は、一般的には暦上の年齢を指標としますが、最近は、老化の進行度から生物学的年齢を計測する方法が研究されています。
それがエイジングクロックです。
生物学的年齢とは、私たちの体を構成している細胞や組織の状態などにより決められる年齢のことです。
エイジングクロックでは、顔の画像や既往歴、ライフスタイルなどのデータを複合的に分析することで、老化の進行具合を判定します。
この他にも、以下のような項目が分析されます。
【エイジングクロックで指標とするデータ】
動作が分かる画像
運動習慣
腸内環境
食事のバランス
睡眠状態
住環境 など
エピジェネティッククロックは、エイジングクロックのうち、さらに細かく分けられた検査項目の1つである「DNAのメチル化」のパターンを調べることによって、生物学的年齢を推定するものです。
DNAのメチル化とは、DNAの基本配列「A(アデニン)」「T(チミン)」「C(シトシン)」「G(グアニン)」のうち、「C(シトシン)」にメチル基が結合し変化することを指します。
近年の研究では、DNAのメチル化と生物学的年齢は、相関関係にあることが分かってきました。
これにより、従来のエイジングクロックで判定される年齢よりも正確な生物学的年齢がわかるといわれています。
DNAのメチル化に影響を及ぼすとされている環境因子には、食事や運動、喫煙、ストレス、妊娠などがあります。
エピジェネティッククロックで計算された年齢は、後天的な要素により左右された生物学的年齢を可視化するのに役立つのです。
■エピジェネティッククロック検査の流れ
エピジェネティッククロック検査には、クリニックでの検査と自宅キットを使用した検査の2つのタイプがあります。
以下は、クリニックでの検査の一般的な流れです。
- 申し込み
- 医師・カウンセラーによる事前説明
- 採血(静脈)
- DNAメチル化データの解析
- 数週間後に専用レポートと医師による解説
検査前は絶食の場合もあるため、クリニックに確認してみましょう。
また検査結果が出るのは、おおよそ6~8週間後です。
結果が出たら、検査を受けたクリニックで、医師から検査結果について説明があります。
説明の際には、今後の対策や効果的なエイジングケアの方法などを提案してもらえるでしょう。
なお、エピジェネティッククロックを受けられる場所は、美容クリニックなどの医療機関です。
料金はクリニックにより異なりますが、88,000~110,000円ほどです。
初回検査と約4~6ヵ月ごとに追加で行うフォロー検査で料金設定が異なる場合もあります。
■エピジェネティッククロック検査のメリット
エピジェネティッククロック検査では、生物学的年齢や老化に影響する生活習慣の傾向を検査し、老化に影響する生活習慣の傾向を知ることができます。
そのため、食事や運動、サプリメント導入など日常的な取り組みが体にどのような影響を与えているかを確認しやすくなります。
検査を定期的に受けることで、生活改善の効果を評価し、次の行動指針を立てるための参考にもなるでしょう。
さらに、エイジングケア施策との相性がいいことも注目すべき特徴です。
エイジングケアを目的としたサプリメント選び、食事や運動の最適化、ストレスマネジメント改善などを考えられます。
エピジェネティッククロックは、健康的に長生きするための指針となり得るのです。
■他の検査との違い
同じような検査として遺伝子検査があります。
遺伝子検査は先天的な体質を調べるのに対し、エピジェネティッククロックは後天的な要因による変化を反映します。
生活習慣の見直しやケアが老化傾向にどう影響しているかを確認できる点が大きな違いです。
生物学的年齢を測れる検査はこの他にもありますが、エピジェネティッククロックは、科学的に信頼度の高いテストで、より正確に生物学的年齢を予測できるといわれています。
美容クリニックでの活用方法

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■なぜ美容クリニックでエピジェネティッククロックを行うのか
点滴やサプリなどの美容内科は、美容外科や美容皮膚科と違い治療効果が見えにくいのがデメリットでした。
しかし、エピジェネティッククロックを用いることで、美容内科の効果の可視化を実現。
現状の治療がどのくらいの効果を発揮しているのか、アプローチ方法が患者にあっているのかなど、治療の方向性の見直しや効果の実感に役立ちます。
より患者のライフスタイルや生活習慣に合わせた個別性のある美容内科治療を目指すことができるため、エピジェネティッククロックを採用する美容クリニックが増えてきているのです。
■エピジェネティッククロックの活用方法
エピジェネティッククロックを用いた美容クリニックでは、サプリメントの提案や食事指導、生活習慣の改善など、見た目年齢だけではない、内側から健康を支える治療を提供するクリニックもあります。
ほかにも、検査の結果によってはホルモン補充療法やオーソモレキュラー栄養療法など、より専門的な治療を選択することも可能です。
エピジェネティッククロックと併用される美容医療は?

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生活習慣の改善は、エピジェネティックに基づいた老化対策の基本となる重要な要素ではありますが、生活習慣の見直しを意識しても短期間で分かりやすい変化を実感することは難しい場合があります。
そういったときには、美容医療も選択肢の1つ。
エピジェネティッククロック検査によって体内環境や老化傾向を把握したうえで、医師の判断のもと、以下のような医療的アプローチが提案されるケースがあります。
■ホルモン補充療法
ホルモン補充療法は、ホルモンを体に補充することで自然なホルモンバランスに整えることを目的とした治療法です。
一人ひとりのホルモン状態を評価し、必要最低限のホルモンを補ってホルモンバランスを調整します。
その結果、疲れやすさやほてりをはじめとしたさまざまな症状が改善し、見た目の若さを取り戻す効果が期待できるのです。
■ペプチド療法
ペプチドは人の体内で自然に作られているもので、血圧や血糖の調整をしたり、神経の伝達をしたりする機能があります。
ペプチド療法では、加齢に伴って不足し始めたペプチドを補い、体の修復や再生を促進。
ペプチドには多数の種類があり、病気の予防からダイエット効果、活力サポートまで、目的に応じた幅広い活用が期待されています。
■オーソモレキュラー栄養療法
オーソモレキュラー栄養療法は、適切な食事や糖質コントロール、サプリメントなどにより体を構成している細胞の働きを向上させ、病気の予防や治療をする方法です。
オーソモレキュラー栄養療法を行うためには、体に不足している、もしくは過剰となっている栄養素を知るために血液検査や尿検査を実施。
健康状態に合わせた栄養素の補充や食事を提案します。
まとめ
エピジェネティッククロックは、生活習慣の見直しや美容医療の方針検討に役立てられる指標です。
ただし、医学的な診断を行うものではありません。
結果を過度に解釈せず、あくまで参考情報として活用する視点も重要です。
普段は見えない自分の体の中を「見える化」することで、より健康意識を高めるきっかけになるかもしれません。
興味がある方は、エピジェネティッククロックを検討してみてはいかがでしょうか。
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【施術の内容】エピジェネティッククロック検査
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】¥50,000~¥100,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】採血部位の内出血、痛みなど
【未承認機器に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医療機器を使用する場合があります。
・施術に用いる医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一性能を有する他の国内承認医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります。
【治療の内容】オーソモレキュラー栄養療法
【治療期間および回数の目安】計2~5回程度(約3ヶ月~1年程度)※治療期間・回数等は解析結果や医師の判断によって異なります。
【費用相場】
・栄養解析1回 約¥20,000~¥35,000
・1か月分のサプリメント約 ¥5,000~ ¥80,000
※検査項目数や、購入するサプリメント数によって金額は変動します。
【リスク・副作用等】便秘、嘔吐、消化不良、頭痛、肝機能の低下など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。


