生物学的年齢とは?年齢よりも若く見られたいときはどうしたらいい?

生物学的年齢とは?年齢よりも若く見られたいときはどうしたらいい?

美容上級者の方なら「生物学的年齢」というキーワードを最近耳にして、気になっているという方もいるかもしれません。しかし注目され始めてはいるものの、「生物学的年齢」と検索しても分かりやすく説明している記事が少なく、いまひとつ理解できていない方も多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、2024年に注目を集めている「生物学的年齢」について分かりやすく解説していきます。いつまでも若々しくいたい方や、健康や美容意識が高い方は、今後きっと役立つ情報ですので、ぜひ参考にしてください。

1.暦年齢と生物学的年齢の違い

出典:photoAC

生物学的年齢について知るために、まずは私たちが一般的に考える「暦年齢」との違いについて解説します。

■暦年齢とは

暦年齢とは、生まれてからの時間の長さを表した、いわゆる実年齢のことを指します。暦年齢とは呼ばずに、年齢という認識が一般的です。自分が生まれた日、つまり誕生日を迎えたら1歳暦年齢が上がると考えます。学年は、暦年齢に応じて段階的に上がっていくものです。

■生物学的年齢とは

生物学的年齢とは、身体の機能や細胞の状態に基づいて導き出す年齢で、病気へのリスクや老化の進行具合などが反映されます。暦年齢が40歳の場合、生物学的年齢が約35歳だとすると、実際の年齢よりも健康状態や身体機能状態が良好で若々しいということ。
つまり「年齢よりも見た目が若く見える」というのは、生物学的年齢が暦年齢よりも“若い”ということになるのです。

<例>

  • 暦年齢(実年齢)40歳・生物学的年齢35歳→実際よりも5歳ほど若く健康寿命も長くなる
  • 暦年齢(実年齢)40歳・生物学的年齢45歳→実際よりも5歳ほど老いていて健康寿命が短くなる

従来は、健康面でも美容面でも「老化」は防ぐことができない自然な現象というふうに考えられていましたが、昨今は状況が変化しています。暦年齢とは違った概念である、生物学的年齢が低年齢であれば、同世代の人に比べて健康寿命や病気へのリスクが軽減すると期待されています。
よって、「生物学的年齢」は現在、医療業界において注目度の高いキーワードといえるでしょう。

2.暦年齢と生物学的年齢が離れてしまう原因

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人は生まれてから今の年齢に至るまで、背の高さや体重の重さに違いがあるものの、みんな同じように育ち、同じように老化していくのではないのか?と考える方もいるかもしれません。しかし上記の例にもあるように、暦年齢(実年齢)と生物学的年齢の差が開いている人、ほぼイコールな人などさまざまです。では、どうして暦年齢と生物学的年齢が離れてしまうのか、考えらえる原因を紹介していきましょう。

■不規則な生活

まず考えられる原因は、不規則な生活を続けていることです。昼夜逆転の生活を送っていたり、睡眠時間が極端に少なかったりすると、当たり前ですが健康状態に支障をきたします。このような生活を続けていると、老化につながる遺伝子が反応してしまい、身体の機能や肌・健康状態が衰えていってしまうのです。

■不健康な食生活

食事が体にとって大切な要素であることは、幼い頃から誰もが伝え聞いていることではありますが、生物学的年齢についても関連が高い要素です。例えば、ジャンクフードを頻繁に食べていたり、アルコールの摂取が日常化していたりすると、体の酸化が進みやすいとされています。酸化が進むと体に不調をきたすようになったり、体力が低下したりするリスクが高まります。そのため、実年齢を若くキープするにはバランスの良い食生活を心がけることが大切です。

■ストレス

生活習慣や食事と同様に健康状態に影響を及ぼすのがストレスです。肉体的、精神的なストレスを抱えた状態でいると、生物学的年齢が急上昇するかもしれません。疲れている人や連勤・長時間勤務明けの人を見て「短時間でどっと老けたな」と感じることはありませんか?自分自身も同じく、体や心が疲れている状態で鏡を見ると年齢が顔に出ているように感じるでしょう。これは生物学的年齢の研究においても分かっていることで、ストレスを感じると生物学的年齢が上昇してしまう傾向にあります。
反対にストレスを取り除くと、生物学的年齢の急上昇をなかったことにできるという見解も発表されているそう。健康的な生活や食生活を心がけるのはもちろんですが、休息でストレスの軽減を図ることも大切なことの1つといえるでしょう。

■喫煙習慣

喫煙は体を少しずつ蝕んでいき、大きな健康被害を与えます。発がんリスクや動脈硬化、呼吸機能の低下など、さまざまなリスクがあるとされています。そのため、喫煙習慣は生物学的年齢が上昇する原因となり得るのです。

3.生物学的な老化にはどんな影響がある?

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生物学的な老化、つまり暦年齢よりも生物学的年齢が高い場合には、さまざまな加齢関連の疾病リスクが上昇することが分かっています。具体的には、認知症や脳梗塞、パーキンソン病などです。また、体力の衰えや神経への伝達速度の低下なども起こり得ます。
さらに生物学的な老化は、見た目にも影響をきたします。生物学的年齢が高齢であると、実年齢よりも老けて見られやすいでしょう。

4.生物学的年齢を知ることは美容にどう良いの?

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上記で挙げたような不規則で不健康な習慣は、健康面に対してはもちろん美容面にも影響を及ぼします。しかし、どの習慣がどれくらい影響を及ぼしているのかを具体的に示すのは難しいものです。
このとき、生物学的年齢が分かっていれば、実際に老化や美容面への影響を与えるとされるNG行動をとったときに、どれくらい影響があったのかを可視化できます。反対に、健康的な行動を行った際にどれくらいの健康・美容効果があったのかが分かるのです。
つまり、生物学的年齢を知れば、生活習慣の改善や美容効果のある行動などがいかに結果として表れているのかを数値化して示せるということになります。そのため美容医療、とくに美容内科の分野で、生物学的年齢に注目していこうという取り組みが進められています。

5.生物学的年齢の診断・測定方法は?

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生物学的年齢を知るにはどうすればいいのでしょうか?診断・測定方法について確認していきます。

■生物学的年齢を示すエイジング・クロック

生物学的年齢を反映する指標として「エイジング・クロック」という考え方があります。これは画像や生体データをもとにAI学習を駆使して、老化ステージを分析する方法です。既往歴やライフスタイル、腸内環境なども分析対象です。

■有望な測定方法:エピジェネティック・クロック測定

生物学的年齢の測定方法としては、「エピジェネティック・クロック測定」が、今後主流化していくかもしれません。生物学的年齢と相関していることがわかっている「DNAメチル化」のパターンを調べることで、体の細胞や組織がどれくらいの状態にあるのかを測定する方法です。欧米ではすでに一般向けの検査が提供されています。

■DNAのメチル化測定で血液から細かく検査

血液検査でDNAのメチル化測定が行えます。国内ではまだ導入しているクリニックは少なく、貴重な検査方法です。とはいえ、難しい検査ではなく、採血をして測定結果を提出し数週間後に検査結果が届くというフローです。このように手軽に生物学的年齢を測定できる方法が確立されれば、今後は健康診断のように年に一度生物学的年齢を測定するのが当たり前の世の中になるかもしれません。

6.生物学的年齢を若見えさせたいときに効果的な美容医療3選

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最後に、見た目にも深く関係する生物学的年齢を若返らせる効果が期待できる美容医療について、おすすめの治療を3つ紹介します。

■オーソモレキュラー栄養療法

オーソモレキュラー栄養療法は、自分自身に必要な栄養素と食事を知り、改善していくことで若返りを目指す治療法です。まずは血液検査で必要な栄養素の詳細を調べ、必要なサプリメントを摂取したり、食生活を見直したりと対策を行います。医療機関で検査を行い、医学的な面から的確な栄養アドバイスを仰いだうえで実施しましょう。

■ハイブリッドヒアルロン酸

美容医療の治療としてオーソドックスなヒアルロン酸治療の次世代型治療、「ハイブリッドヒアルロン酸」。おでこや眉間のシワなど、気になっている箇所に注入する従来のヒアルロン酸治療とは異なり、複数のポイントに注入し肌に浸透させて皮膚全体にアプローチする方法です。自然なリフトアップやハリ感のアップ効果が期待できます。

■ペプチド療法

ペプチド療法は、アメリカでは広く知られていますがまだ日本ではあまりなじみがない治療法です。アミノ酸が連なってできるペプチドにはホルモン作用や抗菌作用などがあるとされており、主に注射や内服カプセルでペプチドを服用し、その効果を得ます。内科的な若返りを目指す治療法として、美容内科の分野で今後発展を遂げることが期待されています。

■まとめ

見た目の老化は、暦年齢ではなく生物学的年齢によって大きな差が出ます。今後は「老化は仕方がないこと」「みんなが同じように歳をとってシワやたるみが増えていく」という考えは通用しなくなるかもしれません。生物学的年齢を若返らせる方法を実践することで、見た目よりも若く、さらに健康に過ごせるようになるでしょう。

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