「オキシトシンとセロトニンの違いって?」幸せホルモンや幸福ホルモンと呼ばれるこの2つの言葉を聞いたことはあっても、どのような違いがあるかまでは知らない方も多いでしょう。そこで今回は、オキシトシンとセロトニンの違い、オキシトシンとセロトニンの出し方についてまとめました。「最近、幸せを感じることが少ない」そんな方は、日常生活の幸福度を高めるきっかけとして本記事を参考にしてみてください。
1.幸せホルモンとは
まずは、幸せホルモンの種類とオキシトシンが多い人と少ない人の特徴、オキシトシンとセロトニンの違いを確認してみましょう。
■幸せホルモンの種類
主な幸せホルモンは、オキシトシン、セロトニン、ドーパミンの3つ。4つ目として、気分の高揚や抗ストレス作用・鎮痛効果のある神経伝達物質、β-エンドルフィンも幸せホルモンとして分類されることもあります。
今回は、主な3つの幸せホルモンの特徴や効果について詳しく解説します。
オキシトシン
オキシトシンは、脳の視床下部でつくられる神経伝達物質の1つ。分娩や出産後の子宮回復、母乳分泌を促す作用などがありますが、オキシトシン効果は女性のみに限りません。性別に関係なく、ストレスを緩和する、安らぎを感じさせる、共感・信頼感を高めるといった効果もあります。
セロトニン
セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリンを抑制することで不安な気持ちを緩和し、精神的な安定をもたらす神経伝達物質。痛みの緩和や体温調節、睡眠を促す「メラトニン」の材料としての役割も果たしており、日々の健康管理に欠かせない物質といえます。
ドーパミン
ドーパミンは、脳を覚醒させる作用がある神経伝達物質。目標達成したときや褒められたとき、楽しいことをしているときなどに分泌されます。ドーパミンの出し方によっては、脳が快感を覚えてしまい、パチンコ依存症やアルコール依存症といった中毒症状を起こすことも。
セロトニンとオキシトシンによる幸せを感じた上で、ドーパミン的要素のある幸せを得ることが理想的といえます。
■オキシトシンが多い人と少ない人の特徴は?
オキシトシンが多い人は、いつも気持ちが安定していて楽しく過ごせているといった特徴があります。
対してオキシトシンが少ない人は、認知機能が低下するためコミュニケーションがとりづらく、場合によってはうつ症状を発症するケースも。また、筋肉の痛みや睡眠の質の低下など身体的な影響をきたすこともあります。「最近、幸福感が少ない」と感じることが多ければ、日常生活に支障が出る前に対策を講じましょう。
■オキシトシンとセロトニンの違いは?
オキシトシンとセロトニンの大きな違いは、分泌を促す方法にあります。セロトニンとドーパミンは、オキシトシンがつくられることで分泌が促される成分です。すべての幸せホルモンが相互的に作用することで、ストレス緩和につながります。
また、オキシトシンは食べ物を摂取することによる分泌の促進はできません。しかし、おいしいものを楽しく食べることで分泌が促されます。一方、セロトニンは食べ物による分泌促進が可能。セロトニンの分泌を促したいときには、ビタミンB6とトリプトファンを多く含む食べ物を摂取しましょう。
同じ食事でも、楽しめているかどうかによってオキシトシンとセロトニンの両方を分泌できるか否かの違いが生まれます。
2.幸せホルモン「オキシトシン」の出し方
オキシトシンとセロトニンは、それぞれ分泌を促す方法に違いがあるとご説明しました。それでは、幸せホルモンオキシトシンの出し方を詳しく解説しましょう。
■スキンシップをとる
家族やパートナーとのハグやキス、見つめ合う、性行為などのスキンシップは、オキシトシンを分泌しやすくする方法として有効です。スキンシップが多い女性は、パートナーだけでなく自分自身の幸福度も高めやすくなります。オキシトシンの分泌を促したいときには、積極的に家族やパートナーとスキンシップをとってみましょう。
また、オキシトシンが男性に与える大きな影響には、眠りやすくなるという効果も。寝る前にハグすることで、男性のオキシトシン分泌も促されやすくなります。
■好きな人と楽しい時間を過ごす
家族や気の知れた友人と楽しく食事や会話することも、オキシトシンの分泌を促す方法としておすすめです。「仕事ばかりでプライベートな友人とまったく会えていない……」そんな方は、無理しすぎず好きな人とコミュニケーションをとる機会を設けましょう。オキシトシンの分泌を促すことで、仕事のストレスも軽減できる可能性があります。
■人にやさしくする
オキシトシンは、まわりの人を助ける、何かを分け与えるといった行為でも分泌されやすくなります。「幸せな状況にいるはずなのに、何かもの足りない気がする」そんなときには、人に親切にする意識をもってみましょう。人にプレゼントする、ボランティア活動に参加するといった行動は、人の助けになるだけでなくオキシトシン分泌を促す方法としてもおすすめです。
また、マッサージにもオキシトシンを分泌しやすくする効果があります。とくに、施術している側は相手を気持ちよくさせようという思いやりの気持ちが働くため、マッサージを受ける側よりもオキシトシンを分泌しやすくなるのです。疲れが溜まって幸福感が薄れているときには、パートナーとマッサージし合って心身ともに疲れを癒やしてみるといいかもしれません。
■ペットと触れ合う
人との関わり合いだけでなく、ペットと触れ合うこともオキシトシンの分泌を促進する方法として有効です。ペットと見つめ合う、なでるといった行為で癒やされる感覚が得られる理由には、オキシトシンの分泌が大きく関係しているのです。
ペットとの触れ合いは、飼い主だけでなくペットのオキシトシン分泌を促進する効果も。お互いのオキシトシン分泌を促すことは、絆を強めるきっかけにもなります。
3.幸せホルモン「セロトニン」の出し方
オキシトシンとセロトニンの違いを詳しく知るためには、セロトニンの出し方も詳しく確認しておく必要があります。幸せホルモンセロトニンの出し方をチェックしてみましょう。
■タンパク質をとる
セロトニンはビタミンB6とトリプトファンを多く含む食べ物を摂取することで合成されやすくなります。トリプトファンは、体内で合成されません。そのため、大豆製品や乳製品などの食べ物から摂取する必要があります。
トリプトファンを多く含む食べ物を摂取するときには、セロトニンの合成を助けるビタミンB6も一緒にとり入れることが大切です。ビタミンB6とトリプトファンを多く含む食材には、豆乳や納豆、バナナなどがあります。セロトニンの合成を促したいときには、これらの食材を積極的に摂取しましょう。
■朝日を浴びる
セロトニンの合成を促す方法としては、朝日を浴びる行為もおすすめです。網膜から入ってきた太陽の光は、セロトニンの合成を促進。太陽の光を浴びやすい日中は、セロトニンの分泌量も増えやすくなります。
また、日光を浴びる機会が少ない人ほど、うつ病のリスクが高い傾向も。心身ともに健康な状態を維持するためにも、しっかりと日光を浴びて規則正しい生活を心がけましょう。
■リズム運動する
ジョギングやウォーキング、筋トレ、ダンスなどの反復運動は、セロトニンの合成に役立ちします。精神的なストレスや不安感が強いときには、朝の出勤時や昼休みなどの時間を利用して15~30分程度散歩してみましょう。運動する時間が確保できないときには、ゆっくりと息を吐きながら行う深呼吸がおすすめ。忙しい日々の中でも、ちょっとしたリズム運動をとり入れることが大切です。
■まとめ
主な幸せホルモンの特徴、オキシトシンとセロトニンの違い、それぞれの出し方についてご紹介しました。オキシトシンの分泌を促すためには、家族や友人、パートナー、ペットとの関わりを深め、楽しい時間を過ごすことが大切です。朝日を浴びる規則正しい生活と適度な運動や食事をとり入れてセロトニンの合成を促すことで、幸せホルモンの相乗効果が得られます。まわりにいる人の存在や生活スタイルを見直して、幸せのかけらを見つけてみませんか?
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