
平均寿命と健康寿命の違いについて知りたい方へ。長く生きられれば幸福なのでしょうか?
せっかく長く生きるなら、できるだけ健康でありたいと考える方は多いはずです。
そこで本記事では、平均寿命と健康寿命の違いを解説。今日から実践できる老化予防策や老けない体を目指せる美容医療についてもご紹介します。
いつまでも若々しく元気でいたいと考えている方、健康意識を持ち始めた方はぜひ最後までご覧ください。
平均寿命と健康寿命のギャップ

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寿命は、何歳まで生きられるかを表す数字です。ひとくちに寿命といっても、平均寿命と健康寿命では大きな差があります。
では、平均寿命と健康寿命の違いとはどこにあるのでしょうか?
平均寿命とは“0歳における平均余命”のことで、その人が生まれてから何歳まで生きられるかを示したものです。
一方、健康寿命は“健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間”のこと。
簡単にいえば、動作に困ることなく健康で過ごせる期間を指します。
病気や老化などにより日常生活に困難が生じた場合、健康寿命にはカウントされません。
厚生労働省発表の2022年(令和4年)における日本の男女の平均寿命と健康寿命についてご覧ください。
平均寿命 | 健康寿命 | 平均寿命と健康寿命の差 | |
男性 | 81.05歳 | 72.57歳 | 8.49年 |
女性 | 87.09歳 | 75.45歳 | 11.63年 |
(※)
平均寿命と健康寿命には大きな差があることがわかります。
また最新の情報によると、平均寿命は年々のびており今後もさらにのびると予想されています。しかし、不健康な期間ばかりのびても医療費など個人の負担が増えるばかりです。
だからこそ長寿大国である日本において、平均寿命と健康寿命の差をなくしていくこと、健康寿命をのばすことが課題とされているのです。
老化を放置すると現れる“フレイル”とは

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平均寿命と健康寿命の差をなくしていくにはどうすればいいのでしょうか。
また、健康への意識がないまま日常生活を送るとどのような状態になってしまうのでしょうか。
そこでキーワードとなるのが“フレイル”です。
フレイルとは、老化により心身の活力が低下している状態を指します。
放置していると、病気にかかりやすくなったり、将来、要介護状態になったりするリスクが高まるため注意が必要です。
フレイルはさまざまな評価基準で判断されますが、身体的フレイルの場合、以下の5つを基準にすることが多いようです。
項目 | 基準 |
体重 | 意図せず、体重が大きく減少した(6ヶ月で2kg以上) |
疲れやすさ | 疲れやすく、やる気が起きない |
活動量 | 以前より運動する機会が減った |
身体能力(歩行速度) | 歩行速度が遅くなった |
筋力(握力) | ペットボトルなどの蓋が開けづらくなった |
5つの項目のうち、3つ以上当てはまったら“フレイル”、1つか2つ当てはまったら“プレフレイル(フレイルの前段階)”と判断します。
体の健康だけに目を向けがちですが、認知機能が落ちる、うつ状態になるといった“精神的フレイル”や、孤独など社会的なつながりがなくなる“社会的フレイル”などもあります。
フレイル予防には、人間の営みを包括的な視点でみていく必要があるのです。
フレイル予防|健康寿命をのばすアプローチ

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健康と要介護の中間に位置する状態であるフレイルは、早めに気づき対処することで健康寿命をのばすことが可能です。
また高齢期のフレイルを予防するためにも、40〜50代あたりからの健康管理が重要となります。
健康を意識する上で、生活習慣病などの予防に目が向きがちですが、将来のフレイル予防にも目を向けましょう。
ここでは、フレイル予防のポイントについて解説します。
■食事を見直す
健康でいるために、十分な栄養は欠かせません。
一般的に年齢が上がるにつれて、食事量が減ったり味の濃いものを好まなくなったり、食事が偏りやすくなります。
このような食事を続けていると低栄養状態になり、病気や全身の衰えにつながってしまうのです。
1日3食バランスの良い食事を心がけましょう。
とくにタンパク質の摂取は重要です。
タンパク質を摂らないと、筋力が低下します。
年齢とともに自然に筋力が減っていく高齢期においては、タンパク質をしっかり意識して摂取することが求められます。
■お口の健康を意識する
年齢が上がると、筋力とともに口腔機能も低下します。
そうすると、硬いものが食べられなくなったり、飲み込めなくなったりして食事へ影響が生じてしまうのです。
だからといってやわらかいものばかり食べていると、噛む力や飲み込む力が落ちてしまうため、お口の健康を見直すことも重要となります。
口腔機能を低下させないために、定期的に歯科健診を受けましょう。
また、噛みごたえのある食材を意識して食べることもおすすめです。
■運動を行う
何もしないと筋力は低下するばかりです。
定期的に運動することは、フレイル予防や生活習慣病予防にもつながります。
座っている時間が多いなら、ストレッチをしたり運動したりする時間を意識して作りましょう。
初めから、スイミングやジョギングなどを始める必要はありません。
- 出かけた際に階段を使うようにする
- 10分程度の運動や筋トレを頑張ってみる
- 家の中でこまめに動く
ちょっとしたことを意識するだけでも予防につながります。
■社会に参加する
人との関わりが減ると、フレイルのリスクが高まるため、人とのつながりはフレイル予防の大切なポイントとなります。
趣味を見つけたり、サークルに入ってみたり、友人などと食事する機会を作ったりなど、交流の場を設けましょう。
会えない場合は、電話で話をするだけでも構いません。
老けない人生はつくれる!美容医療で始める健康へのアプローチ

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フレイル予防で心身の健康を維持することも重要ですが、健康的でいるには体の内側に対するアプローチも大切です。
ここでは、フレイル予防が期待される美容医療についてご紹介します。
■エピジェネティッククロック検査
見た目は、単に暦の年齢だけで決まるものではありません。
若々しい見た目を手に入れるには“生物学的年齢”が重要となります。
生物学的年齢とは、体の細胞や組織の機能、健康状態、老化の進行度合いを反映した年齢のこと。
見た目に影響すると言われています。
その生物学的年齢を測定する方法が、エピジェネティッククロック検査です。
検査では、老化につながるDNAのメチル化のパターンをAIで解析します。
メチル化の度合いを数値で把握することで、目には見えない健康状態がわかるのがメリットです。
そして、結果に応じて、食事や運動、サプリメントなど、問題に対して具体的なサポートを行うことができるのがエピジェネティッククロック検査の魅力の1つです。
■高濃度グルタチオン点滴
アミノ酸の仲間であるグルタチオンを注入する施術です。
グルタチオンは人の体内にもともと存在する成分ですが、加齢とともに減っていきます。
活性酸素の生成の抑制や肝機能を助ける働きがあるグルタチオンを点滴で補うことで、肌荒れの改善はもちろん、疲労回復など全身の健康維持に役立つ可能性があります。
美容と健康の維持を目的に、体の内側からケアしたいという方に向いているでしょう。
■ペプチド療法
アミノ酸の鎖で構成されたペプチドを体内に投与し、生体内の生理機能の調整、健康改善、エイジングケアなどを目指す治療法です。
ペプチドは体内の細胞や組織などを維持するための重要な成分であり、病気を改善したり健康を維持したりするために体内で利用されます。
年齢とともに減少するペプチドを補うことで、創傷治癒や身体の機能の回復をサポートしたり、病気を予防したりといった効果が期待できます。
また髪の毛や肌などにも良い影響を与えてくれるため、見た目の若々しさの持続にもつながるでしょう。
■NMN点滴療法
加齢によって体内で減少する成分“NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)”を点滴で体内に補充し、サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を活性化させる治療法です。
NMNは身体能力に影響するため、点滴で注入することで実年齢よりも健康的で若々しい体の維持が期待できます。
またNMNを食材から補うとなると、膨大な摂取量が必要です。
点滴を行うことで、効率的に体へ取り込むことができます。
■オーソモレキュラー栄養療法
オーソモレキュラー栄養療法とは、血液検査や尿検査で足りない栄養素を解析し、食事内容の提案やサプリメント補充などで内面からの健康をサポートする方法です。
自分の必要な栄養を把握できるため、薬に頼ることなく健康が維持できる点が魅力といえます。
また老化の進行度合いにより、美容面でのエイジングケアも可能です。
生物学的年齢の若返りに効果的な治療を行うことで、見た目への良い影響も期待できます。
まとめ
長く健康でいるためには、平均寿命と健康寿命の差を埋めることが重要となります。
老化の症状をチェックするにはフレイルチェックを行いましょう。
自分の現状を理解してフレイル予防に努めることも大切です。
また見た目の若々しさを維持するには、美容医療を受けるのも選択肢の1つです。
内側と外側、両方からのアプローチで平均寿命の期間をより健康に過ごせるようにしていきましょう。
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【参考】
※ 厚生労働省調査データ
・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |
【治療の内容】グルタチオン点滴
【治療期間および回数の目安】約1~2週間に1回程度、計6~10回程度
【費用相場】1回¥4,000~¥10,000程度 ※各クリニックによって異なります
【リスク・副作用等】アレルギー反応、内出血、血管痛、吐き気、嘔吐、頭痛、 低血糖状態など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】NMN点滴(ニコチンアミドモノヌクレオチド主成分製剤の点滴)
【治療期間および回数の目安】約1~4週間に1回程度
【費用相場】1回¥30,000~¥50,000円程度 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】血管痛、悪心、倦怠感、アレルギー反応など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】オーソモレキュラー栄養療法
【治療期間および回数の目安】計2~5回程度(約3ヶ月~1年程度)※治療期間・回数等は解析結果や医師の判断によって異なります。
【費用相場】
・栄養解析1回 約¥20,000~¥35,000
・1か月分のサプリメント約 ¥5,000~ ¥80,000
※検査項目数や、購入するサプリメント数によって金額は変動します。
【リスク・副作用等】便秘、嘔吐、消化不良、頭痛、肝機能の低下など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
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・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。