BIANCA CLINIC 表参道院長 大久保由有先生へインタビュー。肌治療や手術など美容医療の豊富な経験を持つ「BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)」表参道院長 大久保由有先生にインタビュー。美容医療に栄養療法をいち早く取り入れ、トータルビューティーの重要性を提唱する大久保先生。誰もが憧れる美しさと心に寄り添う診療で、多くの患者様を魅了しています。そんな大久保先生に、美容医療を選んだきっかけや美容医療への情熱、そして美容医療業界の展望などをお伺いしました。
INDEX
ドクターズプロフィール
BIANCA CLINIC 表参道 院長
大久保 由有(おおくぼ ゆう)先生
肌治療と栄養療法を行うことで、外見だけでなく体の内側から美しくなる美容医療を提案しています。2019年からは「BIANCA CLINIC 表参道」の院長として、スタッフ教育にも尽力。自身のInstagramでは約3.8万人のフォロワーに向け、美容医療医として情報発信を行っています。
(経歴) 2015年 北里大学医学部 卒業 2015年 順天堂大学附属順天堂医院にて初期研修 2017年 国際医療福祉大学 三田病院 勤務 美容外科・美容皮膚科クリニックにて院長を歴任 2018年 BIANCA CLINIC 勤務 2019年 BIANCA CLINIC 表参道 院長 (所属学会) 日本美容皮膚科学会 日本美容外科学会 日本抗加齢医学会 |
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医師としての背景 ~おしゃれへの情熱から美容医療の世界へ~
―――まずは、医師を目指したきっかけを教えてください。
父や祖父をはじめ親戚に医師が多い、いわゆる医師家系で育ったことが大きいと思います。一方で、絵を描いたりアート作品を鑑賞したりすることが大好きで、メディアクリエイターになりたいと思っていた時期もありました。大学の進路を決めるときには、医師になるか、アートの道に進むか真剣に悩んだほどです。しかし、父や祖父の医師として働く姿がとてもカッコよくて。そんな父や祖父の姿に憧れて、医師になることを決意しました。
―――大学卒業後に麻酔科で研修されていますが、その後美容医療を選ばれたのはどのような経緯だったのですか?
もともと麻酔科を選ぶ前から、美容医療には興味がありました。子どもの頃からファッションやメイクでおしゃれを楽しむのが大好きだったことが、私の美容医療の選択に大きく影響していると思います。おしゃれをすると自分に自信を持てるようになり、気持ちも明るくなったんです。人をきれいにするお手伝いをしたい、きれいになって幸せになってもらえる仕事に就きたいという想いは子どもの頃から抱いていました。
ただ大学で勉強していた当時は、美容医療に進むことを大々的に声にできる時代ではありませんでした。そのため他の科へ進むことに決めたのですが、せっかくなら将来美容医療に進んでも役に立つ診療科をと考え、麻酔科を選びました。ただ研修先に選んだ病院の麻酔科で組織変更があり…。そのときに、私が本当にしたいことは麻酔科ではなく、美容医療だと改めて認識しました。
麻酔科から美容医療に移ろうと決意し、美容医療についてすごく調べたんです。その中で現「BIANCA CLINIC」理事長の堀田先生の存在をInstagramで知り、センスが良くて真摯に美容医療に取り組んでいる先生と働きたいと思い、堀田先生の元を訪れました。堀田先生との出会いが、今の美容医としての自分を形成していると思います。
美容医療成功のポイント ~SNSのブランディングで自分を魅せる~
―――美容医療業界に入られた後、これまでとの違いや苦労はどのようなものがありましたか?
これまで学んできた技術とは異なる部分が多く、初めのうちはとても苦労しました。また美容医療は保険診療ではないため、経営や集客も自分で努力しなければならず、それも大変でしたね。いくつか経験した中でも、私が特に感じた美容医療での苦労は、Web上で医師個人が名指しで評価されることです。良い評判もありますが、悪い評判もSNSなどにダイレクトに書かれるんです。正直にいえば、批判を直接受けるInstagramなどのSNSは、私自身したくありません。しかし、この先生に診てもらいたいと認識してもらうためには、情報発信はとても大切です。だから苦労することがあっても、SNSを通して技術面の情報にプラスαで、医師としての魅力を伝える必要があると感じています。
―――美容医療を始めた当初からSNSでの発信を積極的にされていましたが、工夫されたポイントはありますか?
美容医療を始める前からInstagramを利用していたので、先行利益があったかなと思います。ただ、以前はおしゃれな写真や可愛く撮った写真を主に投稿していました。既にフォロワーは1万人を越えていたのですが、堀田先生から「SNSのブランディングを一気に医療に変更して行こう!」といわれて。そこから美容ドクターとしてのスキンケアや症例の紹介など、美容医療の投稿をメインにスイッチしていきましたね。投稿内容の転換を図ったことで、一時フォロワー数は減ったんですが、結果的にSNSを美容ドクターとしての適切な情報発信の場にできたと思います。
美容医療への情熱 ~美容医療で患者様の人生を救う~
―――美容医療を行う上で、どのようなことを大切にされていますか?
診察では患者様がどうなりたいのか、その人のゴールを本気で考えるようにしています。何のために施術をするの?なぜ美しくなりたいの?と親身になればなるほど、自分も治療に真剣に向き合えるんです。
どの施術がこの患者様にとって一番良いかを考えると、全ての施術を自分一人で担うことがベストでないこともあります。患者様のベストを考え、鼻整形をするなら鼻整形が得意な医師へ紹介するなど、専門性の高い医師へ任せるようにしています。美容医療を始めた頃は、症例数や経験を積むためにできる限り自分で施術を行っていました。でも患者様のベストを考えると、そうではないと気づいたんです。
もちろんどうしても私に施術してほしいとおっしゃる患者様には、私が施術を行うこともあります。でもトータルビューティーの観点から、チーム医療のように得意分野を各医師が担当することが、患者様の利益になると考えています。
―――トータルビューティーというと、先生は栄養療法にも力を入れていらっしゃいますが、栄養療法に注目したきっかけを教えてください。
栄養療法に興味を持ったのは、父の影響が大きいんです。実は以前から父は診療にサプリメントを取り入れていました。その流れで、大学3年生の頃から家族3人で日本抗加齢医学会に参加することが恒例行事になっていたんです。学会に参加して勉強する中で、栄養状態を良くすることが健康面はもちろん精神面にも良いと知り、美容医療でも重要なポイントだと考えるようになりました。
―――栄養状態は美容医療にどのように影響しているのですか?
美容医療で美しくなっても、心の状態が変化しないと元気にはなれません。元気が出ない方の中には、精神論だけではなく、栄養状態の悪さが原因のこともあります。また栄養状態が悪いと、肌治療などの効果も出にくい。美容効果を高める土台を作るためにも、体の内側から健康になることが重要だと考えています。
美容医療で外見がきれいになり、栄養状態が良くなって元気になることで、内面も整っていきます。そうすると、人ってイキイキしてキラキラと輝いてくるんです。人生の第一の目的は、きれいになることではなく、幸せになること。そのためにどうするかが重要であり、そのひとつに、栄養状態を改善して健康になることがあると思います。
―――患者様の幸せを考えるために、先生が診療で意識されていることはありますか?
患者様のことを知るためには、カウンセリングが重要です。私のクリニックでは、問診票に栄養面の質問も設けています。栄養状態の改善についての話をしたり治療をしたりすることは、肌がきれいになるだけでなく、精神面でも良い働きをすると実感しています。
またカウンセリングを丁寧に行うと、患者様が美容整形に何を求めているのか、なぜ変化したいのかがよく理解できるんです。カウンセリングを通して、美容整形をしてもこの患者様は幸せになれない、と判断したら美容整形を積極的にはすすめません。極論、外見より内面の美しさのほうが、人間の魅力に関わってくると考えています。
だからこそ、きれいになって自分に自信を持てるようになる、そんな風に患者様を幸せにできる美容医療を目指したいですね。美容医療で人命を救うことはできませんが、その人の人生を救ってあげることはできると自負しています。
BIANCA CLINIC 表参道の強み ~“人のための”精神で、皆が幸せになれる~
―――先日の第112回日本美容外科学会にて「スタッフが幸せになるために」をテーマに発表されていましたが、先生が院長として意識されていることを教えてください。
スタッフを人として愛する、これが私の最も意識していることです。人同士の付き合いなので、悩みがあれば寄り添ってあげたいですよね。「最近どう?」とこまめに声をかけたり、食事に誘ったりコミュニケーションを密に取ることは欠かしません。その場では、悩みを打ち明けてもらえないこともあります。でも院長が自分を気にかけてくれていると感じてもらうことで、退職など大きな問題に発展する前に、悩みを拾い上げて解決できていると思います。
―――スタッフのモチベーションを上げるために、取り組まれていることがあると伺いました。どのような取り組みなのでしょうか?
スタッフが良いことをしたときは、スタッフ全員の前で褒めるようにしています。私自身、患者様から「先生に施術してもらえて、うれしかったです」など称賛されることが、モチベーションアップに繋がっています。でも表に立つ私たち医師に比べ、スタッフは称賛される機会が少ない。だからこそ、患者様から「スタッフの○○さんに親切にしてもらいました」などの声があれば、すぐにスタッフ全員に知らせるようにしています。「クリニックは、皆が主役なんだよ」という意識を、成功体験を通して共有できていると感じています。
ただし一緒に働く仲間であって友だちではありません。良いところはしっかり褒めて、良くないところは注意することも大切です。注意する点には私なりの基準があり、患者さんやクリニックのためにならないことは、必ず指摘しますね。過ぎてしまったことはどうしようもありませんが、同じミスを繰り返さないために、「次はどうする?」と問いかけるようにしています。
―――医師としても、経営者としても、『人のために』の精神がとても強いと感じました。GIVE精神の高い先生が、今後目指すビジョンはどのようなものでしょうか。
たしかに、あまり人からの見返りは求めませんね。人のためにしてあげたい、という気持ちが人一倍強いのは間違いありません。「相手が喜んでくれたら私もうれしいし、皆が幸せになれる」との想いで、日々診療しています。
その想いを大切にこれからも、ご縁がある方を幸せにしていきたいです。患者様やスタッフを幸せにするためには、自分も成長しないといけない。成長するための努力を続けて自分自身の人生を充実させることが、人のための行動に繋がると考えています。
美容医療業界のこれから ~専門性の高い医師が生き残る時代に~
―――患者様の幸せを第一に考えられている先生から見て、今後の美容医療はどのように変化していくとお考えでしょうか。
特色のないクリニックは淘汰される時代になると思います。皆できることは被ってくる。だからこそ自分の強みを知って、プロモーションしていくことが重要ですね。美容医療は1度施術したら終わりではありません。患者様が幸せになるためのゴールを真剣に考えて、最良の医療を提案することが、私たち美容医療に携わる医師の仕事です。この施術はこの先生!という専門性があれば、患者様から選ばれるし、他の医師から患者様を紹介してもらえます。
専門性を見つける、つまりそこまでの努力をして、真剣に美容医療に取り組む医師しかこれからは生き残ることができない。生き残るためには、美容医療の勉強に励むことは欠かせませんね。私が美容皮膚科部門の創設に携わった「クリエイションラボ(クリラボ)」は、クリニックや役職の垣根を越えて美容医療について学ぶ集まりです。美容外科と美容皮膚科に分けて開催されていますが、実臨床で活躍される先生方から直接お話を伺える貴重な場になっています。クリニック単体や医師個人ではなく、美容医療業界全体で切磋琢磨して、患者様の人生を豊かにしていきたいですね。
読者や患者様へ向けてメッセージ ~自己肯定感を高めて人生を豊かに~
シワがあってもシミがあっても美しくなくても、自己肯定感が高くて幸せなら、それで良いんです。でも、容姿にコンプレックスがあるから自信が持てない、肌が汚いからおしゃれができないなど悩みがあるなら、1度カウンセリングに来てみてください。
美容施術だけでなく、健康になったりダイエットしたりして「きれいになったね」「痩せたね」と褒められると、すごく自信になる。自己肯定感が高まると、もっと頑張ろうと人は思えるんです。その成功体験が人生を豊かにし、幸せへと導いてくれます。美容医療を始めるのに、遅いことはありません。今が一番若い!だから気になることがあるなら、ぜひ美容クリニックに相談しに来てみてください。