Glycine Clinic 院長 藤本雅史先生へインタビュー!“美容医療はあくまで医療”の姿勢で患者さまと真摯に向き合う鼻整形のスペシャリスト

Glycine Clinic 院長 藤本雅史先生へインタビュー!“美容医療はあくまで医療”の姿勢で患者さまと真摯に向き合う鼻整形のスペシャリスト

Glycine Clinic 院長 藤本雅史先生へインタビュー。藤本先生は、2024年に日本橋に開院した「Glycine Clinic(グリシーヌクリニック)」の院長。鼻整形を得意とする美容外科医で、現日本美容外科学会(JSAS)の理事も努められています。美容医療業界へ進んだきっかけや患者さまとの向き合い方、鼻整形へのこだわり、今後の展望についてお伺いしました。美容医療業界の課題・展望、若手医師への想いなどもお話いただいています。ぜひご覧ください。

ドクターズプロフィール

Glycine Clinic(グリシーヌクリニック) 院長
藤本 雅史(ふじもと まさし)先生

「手術ですべてを解決したい!」と外科医を志し、大学卒業後は3年間一般外科に身を置く。その後10年間形成外科で手技を磨き、美容医療の世界へ。「VERITE CLINIC(ヴェリテクリニック)」に入職後は銀座院の院長職を8年間担いながら、後進の指導も行う。2024年、中央区日本橋に「グリシーヌクリニック」を開院。『美容は医療』との信念のもと、『安心・安全・確実な結果』を提供している。鼻整形を得意とし、患者さまとの丁寧な向き合い方が魅力。

(経歴)
2002年 東京慈恵会医科大学卒業
2002年 東京慈恵会医科大学付属病院 外科
2005年 東京慈恵会医科大学付属病院 形成外科
2007年 がん・感染症センター都立駒込病院 形成外科
2009年 東京慈恵会医科大学付属病院 形成外科
2012年 東京慈恵会医科大学付属柏病院形成外科診療医長
2015年 ヴェリテクリニック入職
2016年 ヴェリテクリニック銀座院院長
2023年 ヴェリテクリニック医療技術部長 就任
2024年 グリシーヌクリニック 開院
(資格)
日本形成外科学会認定 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)認定日本美容外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)認定美容外科学会専門医
(所属学会など)
日本頭蓋顎顔面外科学会会員
東京慈恵会医科大学非常勤診療医員

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医師としての背景 ~手術ですべてを解決したい!外科から美容医療の世界へ転身~

―――まずは、藤本先生が医師を志した理由と最初に一般外科を選ばれたきっかけを教えてください。

あるあるですが、手塚治虫のマンガ「ブラックジャック」が好きだったことが医師になろうと思ったきっかけです。また、子どもの頃からプラモデルを組み立てたり作ったりと、手先を使う作業が好きだったことも手術に興味を持った理由の1つでしょうね。「医師と言えば、やっぱり手術」そんな気持ちから、医師になって最初の3年は一般外科に身を置きました。

―――そこから、形成外科に進まれたのはなぜですか?

グリシーヌクリニック藤本先生

一般外科では、数多くの手術を執刀しました。外科手術はたくさんの命を救うことができる優れた治療ではありますが、中には手術だけではどうにもできず無力さを痛感することも…。そこで、手術そのものが結果に直結する分野で活躍したいという想いを強く抱き、他の科を検討したときに興味を持ったのが形成外科でした。形成外科は手術以外の治療が入り込む余地が少ない、手術で勝負していける領域だと感じたんです。

ただ、ケガや病気を治すことはもちろんやりがいがありますが、保険診療でやれることはある程度決まっています。医師によってディテールの差は多少出てくるものの、基本的には誰がやっても同じような手術にはなってしまう…。このような想いから結果を厳しく評価される美容医療に興味を持ったんです。

いずれはもっと厳しく、大きなやりがいを感じられる美容医療に行きたいと考え、まずはベースを作ろうと形成外科に進みました。

―――形成外科に進まれた時点で、すでに美容医療に興味を持たれていたのですね。

そうなんです、美容医療に興味があることを表明した上で、形成外科に入りました。実際に形成外科をやってみたら楽しくて、結局形成外科を10年ぐらいやりましたね。一通り手術もできるようになった段階で、美容外科に行こうと決めました。

―――その後、「ヴェリテクリニック」に入職されたということですね。美容医療の場合、形成外科と違って医師の独自性を問われる部分もあると思います。“美”に対して、先生が意識されていることとは?

美容外科でも、一定のルールは絶対あると思うんですよね。だから理想的なところから離れていたときにどうバランスを取るかについては、医師間での違いがあまり出ないと思っています。ただ逆に、そこまで手をつける必要はないケースのときにどうするかは、医師によって意見が分かれてくるところですね。

私が心がけているのは、あくまで一般的なバランスを崩さないこと。個々の要望とリスクのバランスを取りつつ、どう提案していけるかが美容医療の資質だと思っています。美容外科医はバランス感覚が大事だなと感じますね。

―――先生は2024年に独立・開業されましたが、「ヴェリテクリニック」に入るときから独立することを考えられていたのですか?

正直なところ、最初は独立するなんて全く考えていなかったんです。でも、徐々に自分が思い描いている美容医療と患者さまのニーズがマッチしなくなってきた自覚があって…。

美容医療はクリニックや医師によってカラーや治療の方針も変わってきますし、クリニックの空気感を求めて来られる患者さまもいますよね。それなら自分のカラーでクリックを作ったほうが、ニーズと供給とのズレも解消されて悩まなくても済むのかも、と考えたんです。それで、ヴェリテをやめる2年前ぐらいから独立を意識し始めました。

また、患者さまの術後10年、20年といった長期的な経過を責任持って見守りたいと考えたとき、勤務医としての立場だと環境の変化や制約で、それが難しくなる可能性もあります。自らクリニックを開業し、安定した環境で患者様に寄り添い続けることが最善だと判断したことも、独立を検討するようになった理由です。

先生の鼻整形のこだわり ~患者とのすりあわせを重視、自然な美しさを目指す~

グリシーヌクリニック

―――先生が鼻整形を得意とされているのには何か背景があるんでしょうか?

そもそもヴェリテが鼻整形を得意とするクリニックで、鼻整形の手術を行う機会が多かったことは理由の1つです。私自身も鼻整形が好きでしたし、学会の発表も自然に鼻寄りになっていきました。そうすると世間のイメージも鼻整形になっていって、開業するとよりそれが強くなっていった印象です。

―――鼻整形に関して他院との差別化で意識されていることは?

私は顔全体に対して主張しすぎない鼻、悪目立ちしない鼻になることを重視しています。パッとお顔を見たときに、まず鼻に目が行ってしまうような手術はしちゃいけない。あたかも生まれもった鼻と思わせるような鼻整形を目指しています。

―――先生と患者さまの“美”とのすり合わせが重要になってくると思います。カウンセリングで気をつけていることは?

患者さまが求めているゴールを把握することが一番肝心だと思っているので、そこにまず時間をかけます。例えば小鼻を最大限小さくしてほしい、左右差を極限までなくしてほしい、それって言ってしまえばキリがない欲求で。これ以上する必要はない、リスクの方が大きいと思ったときは、「もうやめた方が良いですよ」と正直にお伝えするようにしています。

当然お金もかかりますし、そのお金をもっと違うことに使った方が良い。これまでに「とにかく患者さまの希望に付き合う」やり方も見てきましたが、患者さまは大きな期待をしてしまうものなので、それ故にトラブルになることもあります。だから施術する側としても、やりすぎないことが大切かなと思っています。

―――素晴らしいですね!先生は治療方針を説明されるときに工夫していることはありますか?

当院では、患者さまのお顔の形状を3D映像で描出し、術後のシミュレーションを行える「ベクトラシミュレーション」を採用しています。言葉で説明してもなかなかイメージがわかないこともありますが、三次元でお見せするとパッと見て理解していただきやすい。だから「確かにこうだと変ですね」というのも気づいてもらいやすいんです。シミュレーションで説明する価値はすごく高いと思っています。

―――職人技とも言える精細な手技に定評のある藤本先生ですが、技術向上のために意識していることはありますか?

まずは、良い手術を見ること。あとは自分が施術した患者さまの結果をちゃんと振り返るようにしています。ひたすら手術するだけではやりっぱなしになっていくと思うので、やはり復習は大事ですね。

美容医療の魅力と課題今後の展望 ~美容医療の社会的地位を高めたい~

グリシーヌクリニック

―――先生が感じる美容医療の魅力とは?

美容医療の魅力は、社会貢献度が高いことだと感じています。形成外科医だったときも、見た目の問題の解決でプラスが生まれることは、理屈としてわかってはいました。でも実際に美容外科医として患者さまと接してみて、思っていた以上に大きなプラスを得られるんだなと実感しました。見た目の変化により人生がガラッと一変することだってあります。

例えば、怪我をして働けなくなった方が仕事に復帰することよりも、はるかにプラスは大きいような気がするんです。マイナスがゼロに戻るよりも、ゼロからすごくプラスになるっていうか。そう考えると、社会に対する貢献度は意外と小さくないのかな?と感じています。

―――美容医療業界にもいろいろな課題はあると思いますが、直美*(ちょくび)に関して先生のご意見をお聞かせください。

真面目な直美の先生も多くいるのは大前提として…。正直私は、直美はあまり良くないと思っています。医師としての倫理観は、保険診療をある程度長くやらないと形成されない部分はあると思っていて。直美の先生も2年間の研修期間で保険診療の経験は積みますが、指導員の監督のもと動くことがほとんどですから、責任はそこまでありません。だからこそ、本当の意味で保険診療を担う経験までは積めないと思うんですよね。

医師としての倫理観の形成には、保険診療を経験して患者さまの痛みを理解する過程が必要だと感じます。そこがしっかりできていれば、美容業界でもブレずに医療として向き合っていける素地はできるんじゃないかと思いますね。

*直美(ちょくび)…「直接美容医療」の略称で、保険診療の経験なしに自由診療である美容医療に進む医師を指す言葉

―――難しい問題をご自身の言葉でお答えいただきありがとうございます。今度は美容医療業界の今後について、先生の希望も期待も込めてお聞かせください。

先日、日本美容外科学会(JSAS)の理事になり、業界全体を見て考えなくてはいけない立場にもなりました。美容医療は、患者さまに対してプラスを提供することもできるけれど、逆にマイナスになってしまうこともある。「なぜこんなことになったの?」という悲しい患者さまがなくなるような業界にしていきたいし、マイナス面もあることもきちんと発信していきたいです。美容医療はあくまでも医療ととらえ、美容医療の社会的地位を高めていきたいと思っています。

読者へのメッセージ ~美容医療はあくまで医療であることを念頭に~

―――最後に、この記事を読んでいる一般の方や若手医師へのメッセージをお願いします。

美容医療は医療である以上、マイナス面もあるしトラブルが起こることもあります。そこは自分で情報をしっかり収集して納得したうえで選択し、施術を受けてもらえたらと思います。当院「グリシーヌクリニック」は日本橋にあるのですが、もともと日本橋は五街道の起点で、日本の中心でした。そんな経緯もあり、全国から患者さまが集まってくれるような、信頼と技術で医療を提供できるクリニックにしていきたいと思っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

また、若手医師に向けては、美容外科医である前に医師であってほしい、ということを伝えたいです。美容医療業界を健全に盛り上げていきましょう。

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