ビスポーククリニック 統括院長/福岡院院長 室 孝明先生へインタビュー。室先生は、常に、丁寧かつ親身なカウンセリングで、将来を見据えたオーダーメイド施術の提案を行っています。
医師を志した頃から鼻の形成外科医を目指してきた、まさに鼻整形のスペシャリストです。2025年に鼻の老化に着目した総合的な鼻整形“アンチエイジングノーズ”の提供を開始し、美容医療界に新機軸を打ち出したとして大きな反響を呼んでいます。
今回は、室先生が形成外科医を目指したきっかけや、後悔しない判断基準、今後の美容医療業界のあり方について詳しく伺いました。
INDEX
ドクターズプロフィール
ビスポーククリニック 統括院長/福岡院院長
室 孝明(むろ たかあき)先生
日本形成外科学会認定 形成外科専門医。鼻整形を専門とし、「ビスポーククリニック」には他院での施術修正を希望して来院する患者が全体の約6割を占める。
2025年には、鼻の老化に着目した新施術“アンチエイジングノーズ”を提供開始。その他にも「JIKIDEN」を設立し、若手医師育成に尽力している。
| (経歴) 2002年 埼玉医科大学卒業 2002年 東邦大学医療センター大森病院 形成外科 2005年 東邦大学医療センター大橋病院 形成外科 主任 2006年 星総合病院 一般外科・乳腺外科 2008年 東邦大学医療センター佐倉病院 形成外科 主任 2010年 東京手の外科スポーツ医学研究所・明神町クリニック・医療法人八九十会理事 2011年 ヴェリテクリニック 入職 2012年 ヴェリテクリニック 福岡院院長 2017年 ビスポーククリニック 開院 (資格) 日本形成外科学会認定 形成外科専門医・指導医 日本美容外科学会(JSAPS/JSAS)認定 専門医 日本創傷外科学会認定 創傷外科専門医 など (所属学会) 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本美容外科学会(JSAS) 日本創傷外科学会 など |
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形成外科医 室 孝明先生の出発点 ~なぜ鼻整形のスペシャリストを目指したのか~

―――室先生は、いつ頃から医師を志したのでしょうか。
もともと、デザインが好きで、学生の頃は建築家を目指していました。医師を目指すきっかけとなったのは、大学の進路を決めるときに偶然観たアメリカのドキュメンタリー番組です。
その番組では、事故で鼻を失った子どもに鼻の再建手術が行われており、何もないところから立体的なものを作り上げていく姿に強い感銘を受け、医学の道へ進むことを決めました。
また、鼻は顔の真ん中に1つしか存在せず、その形やあり方で顔の印象やニュアンスが大きく変わることに衝撃を受けたこともあり、この頃からすでに鼻の形成外科医になりたいと思うようになりました。
そこで、鼻の構造や病態などを基礎から学びたいと思い、鼻の再建外科で実績のある大学や医局を選んだんです。
―――室先生は、一般外科でのご経験もありますが、なぜでしょうか。
研修を重ねる中で、形成外科と外科に興味を持ったためです。外科への意欲を残したまま形成外科に進んで良いのか迷い、一度外科で経験を積む選択をしました。
現場にはさまざまな症例があり、日々学びの多い環境でした。末期がんの患者さまを担当することもありましたが、患者さまに寄り添いすぎてしまう自分に気づいたのです。患者さまとの関係は良好である一方で、患者さんと一緒に落ち込んでしまったりもしました。
実際に「亡くなるまでに良い思い出を作れた」と言葉をかけてくださる患者さまもいましたが、もっとクールに患者さまと向き合える医師が外科に向いているのではないかと考え、私は形成外科医の道を選びました。
そして、形成外科医を目指すのであれば「室でなければ意味がない分野を極めたい」と思うようになったんです。のです。
―――「室先生のカウンセリングを受けたい」という方が多いのは、そういった背景があるのですね。
能力は比較的高いほうで、人と話すことが好きでした。会話の流れを予測しながら悩みに対する解決策を探ったり、提案したりすることも得意で、相手の考えや本音を引き出せる点は、自身の強みだと感じています。
美容は患者さまの精神面と深くつながっているからこそ、何よりもカウンセリングが重要なのです。近年は、SNSの普及で情報に振り回されている方も少なくありません。
トレンドに流されて「こんな顔にしたい」と来院し、「これとあれをすれば良い」と答えること自体は簡単です。しかしこれでは、私のカウンセリングでなくても良い。
患者さまが本当に幸福になる美容医療を意識し、あらゆる角度から分析したうえでオーダーメイドの施術をご提案するのが、私のカウンセリングの特徴です。傷跡は問題ないのか、家族の中で誰が整形に反対しているのか。
さらに、将来就きたい職業を踏まえると、その手術は避けたほうがよいのか。そうした点まで含めて、細かく確認しています。結果、話が聞けなかった、伝え足りない、といったことが起こらず、高い満足度につながっています。
鼻整形の新潮流“アンチエイジングノーズ”が生まれるまで ~室先生が考える美容医療~

―――室先生が考える“良い美容医療の結果”とはどういうものでしょうか。
私は、5年10年経っても感謝される施術こそが、良い美容医療だと考えます。施術を受けた直後は満足していたとしても、年月が経ち患者さまが再度施術を希望された際に「もう手の施しようがない」状態になってしまうのであれば、その施術は間違いだったと言わざるを得ません。
例えば、脂肪を取り除く施術の場合、流行しているからと年齢的にはまだ早い段階で行ってしまうと、将来的に脂肪が減りすぎて、かえってこけた印象になることがあります。
私が重視しているのは、その場限りの仕上がりではなく、将来を見据えたうえで施術計画を立てること。技術的に可能であっても、あえて行わない選択をすることもあります。
また、顔全体を俯瞰して施術を考え、「この施術ではこのくらいにとどめ、他の部位とのバランスを調整して相対的に仕上げる」などの工夫を重ねることで、結果的にダメージを抑えるようにもしています。
―――鼻のアンチエイジングという発想はどこからきたのでしょうか。
人は生きている限り顔の老化が進みます。目元やフェイスラインはたるみやすい一方で、顔の中で最も動きが少ないのが鼻です。そのため、鼻は形が変わりにくいと考えられ、後回しにされがちでした。
ただ、長い目で見ると、とくに女性の場合、軟骨や骨が徐々に小さくなり、それに対して皮膚が余ることで、鼻が横に広がって見えるようになります。その結果、気づかないうちに顔全体が老けた印象になっていくのです。
一方で、比較的早い段階で鼻整形を受けた方は、加齢による鼻の変化が緩やかであることに気づきました。そこで、鼻の老化について理論的に整理し、言語化したものが、“アンチエイジングノーズ”という考え方です。
―――従来の鼻整形とアンチエイジングノーズの最大の違いは何でしょうか。
最大の違いは、ゴール設定にあります。“理想の形を造形する”のではなく、“若々しいバランスを再構築する”という発想です。
患者さまの希望をすべて叶えること自体は、一見すると良いことのように思えます。しかし、顔全体の調和を乱さないデザインを提案し、「なぜ今、その施術を行わないのか」をきちんと説明できる医師でなければ、本当に患者さまのための医療とは言えません。
この説明ができないまま施術を行えば、将来的にトラブルにつながる可能性があります。私は、施術前後の一般的なシミュレーションに加え、患者さまの顔に眉ペンなどで影を描き、メイクを用いて術後のイメージを具体的に共有することもあります。
アンチエイジングノーズでは、将来を見据えたデザイン力をもとに、加齢による鼻の変化へ総合的にアプローチします。ナチュラルで、その人らしい美しさを長く保つための治療です。
美容医療業界の未来のために ~JIKIDEN誕生のきっかけとは~
―――室先生は、直美*(ちょくび)に対してどのようにお考えですか。
直美そのものが悪いとは思っていません。現在の保険診療には限界もあり、若手医師が悩むポイントが多いのは事実でしょう。
最初から、例えば埋没法のみ、ヒアルロン酸のみなど特定の狭い範囲の専門家を目指す医師が増えています。それでは、顔全体を整えるためのバランス感覚やトラブルに対応する応用力が養われません。
幅広い施術を理解しているからこそ、患者さまを全体でとらえ、状況に応じて柔軟に施術を選択できる。もし全体を見ずに施術を行えば、仕上がりのバランスを欠き、結果として患者さまを悲しませてしまうことになりかねません。
幸福になるはずの美容医療で不幸な結果を生んでしまうリスクは誰もが避けたいと思っているでしょうし、そのリスクを最小限にするために医師は学び続ける必要があります。
*直美……医師免許取得後、臨床経験を積まずに美容医療へ進む医師のこと
―――患者さまを悲しませたくないという思いからJIKIDENが生まれたのですね。
患者さまのこともそうですが、若手医師の育成や医療技術の継承という点にも、強い危機感を抱いていました。私の時代のように、若いうちに辛抱して経験を積むという方法もあります。
ただ、そのやり方が今の時代において持続可能かといえば、決してそうとは言えません。その結果として、直美へ進む医師が出てくること自体は、ある意味では避けられない流れだとも感じています。
ただ、そうした医師の多くが、いざ診療に携わる中で、自身の知識や経験の不足を痛感し、「学び直したい」と考えるようになります。しかし現実には、体系的に学べる場所がほとんどありません。
施術見学やセミナーを通じて学ぶ医師も多いですが、学んだ施術を初めて実践する際、その患者さまが“最初のケース”になってしまうのが現実です。私は、そうした患者さまを一人でも減らしたいという想いから、JIKIDENを設立しました。
また、SNSの普及により、豊富な経験を持つベテラン医師が経営するクリニックが、集患面で苦戦するケースも増えています。これは日本に限らず、世界的にも指摘されている課題です。そうした医師の技術が継承されないことは、患者さまにとっても大きな損失だと考えています。
そこでJIKIDENでは、ベテラン医師に講師として参加していただき、基本手技からコツ、判断のポイントまでを丁寧に指導してもらう体制を整えました。講師にとっては教える場として、若手医師にとっては質の高い技術の学びの場になります。
JIKIDENのように仕組みとしてビジネス化することで、若手医師の育成が持続可能になるのです。この仕組みは、美容医療業界に限らず、将来的には保険診療の分野にも広がっていくことが望ましいと感じています。
―――JIKIDENでは、どういったことが学べるのでしょうか。
セミナーはもちろん、マンツーマン指導なども行っています。施術の適応を判断することや、この形にするならこの施術を足すと良いといった判断には、どうしても経験が必要です。
そのためJIKIDENでは、単に施術を学ぶのではなく、「この手術を行うと、どこにリスクが生じるのか」「どの点が悪化する可能性があるのか」といったマイナス面まで含めて習得します。
ミスなく、スタンダードに施術を終わらせるための基本を大切にし、結果として患者さまの負担を軽減する考え方を身につけてもらいます。
セミナーでは、カンファレンス形式で一緒に施術計画を立てることも。参加者全員に意見を求め、それぞれの考えを言語化してもらいます。医師ごとに経験値が異なるため、そのレベルに合わせて質問を投げかけ、徹底的に考えさせる。
場合によっては、コーチングに近い形で指導することもあります。そうしたプロセスを通じてその人が持つ最大の力を引き出し、今の自身の立ち位置を認識することにもつながるのです。マンツーマン指導では、まるで二人羽織のように、そばについて施術指導します。
これまで受講してくださった医師からも好評で、「信じられないくらい勉強になった」とおっしゃる方も。「きちんと学びたい」と考える若手医師に寄り添い、美容医療はもっと楽しくやりがいのあるものだと実感してもらえたらと思っています。
考え方に共感し、「きちんと学び直したい」「基礎から判断力を鍛えたい」と感じた方は、
JIKIDENの取り組みやセミナー内容を公式サイトで確認してみてください。
美容整形外科医向け個別指導サービス
JIKIDEN公式HPはこちら
これから美容医療をお考えの方に向けて ~後悔しないクリニック選びとは~

―――室先生が考える美容医療の価値とは何でしょうか。
やはり、患者さまにとって「幸福につながる医療」であってほしいと思います。私は、この仕事を天職だと思っています。
患者さまの悩みが軽くなり、感謝の言葉や笑顔をいただけることが、何よりの原動力です。どんなに大変なときでも頑張れるのは、その瞬間があるからこそだと思っています。
だからこそ、美容医療で悲しむ方を、生み出さない医療でありたいと考えています。アンチエイジングノーズという考え方を提唱することで、美容医療業界全体がより活発になり、技術力の底上げにつながっていけばと考えています。
また、JIKIDENを通じて「もっと学びたい」と感じる医師が増え、日本の美容医療業界が、高度な技術を持つ医師によって支えられる世界になることを願っています。
―――最後に、読者の皆さんに伝えたいことはありますか。
SNSには、さまざまな情報があふれています。たとえ医師が発信している内容であっても、極端な表現が使われていたり、エビデンスが十分でないにもかかわらず信じられてしまったりしているケースも少なくありません。
基本的に、初めてカウンセリングを受けた段階では、どの医師も「良い先生」に感じるものです。その中で、本当に信頼できる医師かどうかを見極めるポイントは、将来を見据えた提案ができているかどうかだと思います。
普段の考え方が伝わるSNSをチェックしたり、その分野に詳しい信頼できる医師から、その分野に精通した専門医を紹介してもらったりするのも1つの方法です。
そして何より、施術計画を医師に任せきりにせず、自分のこだわりや意見をきちんと伝えられるクリニックを選んでほしいと思います。