美容の巨人に何が起きた?前払いビジネスの歪みと業界再編のリアル
脱毛サロン最大手「ミュゼプラチナム」が3月22日から全店舗を一時休業。
背景には、給与未払い・備品不足・経営陣の総退任といった深刻な混乱がある。
競争激化と前受金依存により、自転車操業が限界を迎えた脱毛業界。
一方、医療脱毛市場では男性ユーザーの急増や値上げトレンドが進行中。
美容医療の“信頼”が選ばれる時代に突入している。
📌 3つのポイント
✅ 給与未払い問題が引き金に。従業員の抗議で全店休業へ
給与遅延は2024年11月から続き、従業員の信頼は限界に。
自主休業に踏み切る店舗が相次ぎ、全店舗一時営業停止という異例の決断に至った。
✅ 脱毛サロン業界の構造問題が噴出
前受金依存のビジネスモデルと過剰な広告費が経営を圧迫。
脱毛ラボ、銀座カラー、アリシアなど続く破綻の連鎖が、構造的なリスクを証明している。
✅ 男性脱毛・回数制限・値上げ…需要は変化中
回数契約の敬遠や男性需要の急増など、「新しい脱毛ユーザー像」が形成されつつある。
医療脱毛を含めた市場再編が始まったともいえる。
なぜ、脱毛業界最大手が「営業停止」に至ったのか?
2025年3月22日、脱毛サロンの雄・ミュゼプラチナムが、全国の全店舗を一時休業する事態となった。
発端は給与未払い。昨年から遅延が続く中、ついに一部店舗で従業員が抗議のため自主休業。
経営陣の突然の交代や資金支援の遅れも重なり、本社は「運営維持困難」と判断した。

※出典:ミュゼプラチナム/一時休業を発表
「広告に溺れた」脱毛ビジネスモデルの限界
脱毛サロンは、前払いで集金した資金を広告費や店舗展開に回す“前受金モデル”。
だが、顧客数減や物価高騰で回収不能に陥るケースが相次いでいる。
同様に破綻した脱毛ラボやアリシアといった名前は、業界全体の危機を物語っている。
その一方で、ニーズは変化している
特に注目すべきは、「男性利用者の増加」と「都度払いニーズ」の高まり。
SBCリゼやゴリラなどの台頭もあり、安さや広告に依存しないサロン選びが広がっている。
この変化に対応できない企業は、脱毛ブームの恩恵を受けた反動で淘汰されつつある。

編集長チェックポイント
~広告は打てても、給料は払えない~
脱毛サロンの成功モデルが、今まさに崩壊の淵にある。
前受金依存、過剰広告、人件費の高騰──これまで業界が“黙認”してきた構造的な問題が、ミュゼという象徴の崩壊によって露呈した。
医療脱毛や男性市場の伸長、1回ごとの支払いニーズなど「次世代型脱毛サービス」への移行は急務だ。
NEROとしても、「医療とエステの境界」「利用者保護と経営健全化」を問い直すタイミングだと捉えたい。
まとめ
✔ 脱毛大手ミュゼプラチナムが3月22日から全店舗を一時休業
✔ 背景には給与未払い、経営混乱、旧経営陣との対立など深刻な構造的問題
✔ 過去の前受金モデルが破綻しつつあり、業界再編が現実に
✔ 他サロンや医院による「顧客救済」も始まり、次なるリーダー企業の登場が注目される
✔ 男性脱毛・都度払い・医療脱毛への移行が加速する中で、脱毛ビジネスの在り方が問われている
“脱毛ブームの終わり”ではない。これは「脱毛経済の新章」の始まりだ。
必要なのは、ユーザー目線と健全な収益構造。
美容業界は、“信頼と持続性”という美しさを取り戻せるか。