【New Column】世界的トレンド予測機関WGSNが予想!“美の疲弊”の始まり──燃え尽き症候群と美容消費の終着点

NEROが美容・健康医療に関する注目のTOPICSをとりまとめ!


「美しくなりたい」という願いは、いつから“義務”に変わったのか。 ボトックス、フィラー、10ステップスキンケア、そして最新のAI肌診断まで──かつては憧れだった美容ルーティンが、今や「こなすべき仕事」に成り果ててはいないか。

世界的トレンド予測機関WGSN(World Global Style Network)は「2026年には美容の“燃え尽き症候群”が社会全体を覆う」と警鐘を鳴らす。 完璧を求めるあまり、逆に自分をすり減らしていく──そんな“美の消耗戦”が、静かに始まっている。

本稿では、美容の過熱がもたらす“燃え尽き症候群”に注目し、消費と政治、心の関係性から、美意識のこれからを考える。

📌 記事をざっくりまとめると…

美容に疲れた人が増加中?──背景にある「燃え尽き症候群」

✅完璧を求め続ける消費社会と政治・経済不安の交錯が加速

✅ルーティン疲れから脱却する新たな美意識の模索が始まった

第1章:ルーティン地獄と美容の“終わりなきレース”

アイブロウタトゥー、リップティント、まつげリフト、マイクロカレント、LEDフェイシャル、ボトックス注射、ヒアルロン酸注入、肌育治療──「手間をかけずに綺麗に」は、もはや“手間の積み重ね”に他ならない。

SNSの中で“映える”顔を保つためには、年に複数回の美容施術(ボトックスやヒアルロン酸など)が必要となり、日々の生活においてもスキンケアとヘアケア、サプリメント、プロテインといった健康投資が常態化している。

美容が“自分を癒すセルフケア”から“維持すべき外見管理”へと変質し、ルーティンの維持に疲れ果てた「美の燃え尽き症候群」が、Z世代からミレニアル世代を中心に広がっている。

第2章:美のインフレと「美的格差社会」の到来

美容医療の成長率は右肩上がりだが、その内実は決して万人に開かれたものではない。年間1万ドル以上を美容に投じる層と、少ない可処分所得の中でスキンケアさえままならない層との“美容格差”が静かに拡大している。

「美しくないと就職に不利」「メイクをしないと怠けて見られる」── このような社会的プレッシャーのなかで、美容を“やめたくてもやめられない”人々が増えている。

美を保つ努力は、もはや自己責任ではなく、現代社会を生き延びるための戦略となってしまった。

第3章:社会不安と“美容依存”の連動関係

世界の美容トレンドを予測するWGSN(World Global Style Network)は、ファッションや美容、ライフスタイルの領域で未来の消費トレンドを分析・予測する英国発のリーディングカンパニー。グローバル企業や業界トップが注視する情報源でもある。

そのWGSNが示した「2026年、美容疲労が社会全体を覆う」という予測は、あながち誇張ではない。

気候変動、政治的分断、戦争、ジェンダー格差、経済格差── これらの構造的ストレスが、“せめて顔くらいはコントロールしたい”という美容依存の背景を形作っている。

とりわけ欧米では、「外見管理」がメンタルヘルスの防衛線として機能する側面も指摘されている。美容の燃え尽き症候群は、もはや西洋文化圏で可視化された“集団的疲労”現象となりつつある。

一方、日本では“美容はポジティブな習慣”とする価値観が根強く、美容疲労の感覚がまだ顕在化しにくい。だがその裏で、日常の中に埋もれたプレッシャーが静かに積もっているのではないか──世界の潮流は、そうした問いを私たちに突きつけている。

第4章:「やめる勇気」と「新しい美意識」へ

疲弊したのは外見ではなく、内面だ。 かつてインフルエンサーだった人々が美容業界から距離を取り始めたり、10ステップを2ステップへと簡素化する動きが始まっているのは、その象徴だ。

米国や韓国では「No-makeup movement(ノーメイク運動)」「Skinimalism(スキンケア・ミニマリズム)」がZ世代を中心にトレンド化し、ルーティンからの離脱は、“静かなレジスタンス”として世界中に広がり始めている。

これからの美意識とは、無限ループの施術や購入に追われることではなく、“やらない自由”と“納得感ある自己選択”によって形作られていくはずだ。

 編集長POINT
~「“やめたい”と思った時点で、もうそれは美ではない」~

美容業界の疲弊は、日本国内だけの話ではない。むしろ、欧米を起点に広がる「美容疲労」は、文化としての美の変質を象徴している。

「何もしないこと」が新たな選択肢として受け入れられつつある今、美容の価値は“努力の総量”ではなく、“自己肯定感との整合性”にシフトしているのかもしれない。

美の自由は、選ぶことではなく「選ばないこと」にもある──NEROは今後もその可能性を追い続けたい。

まとめ

  1. 美容ルーティン疲れがZ世代~ミレニアル世代で拡大中
  2. 社会不安と美容依存の関連が明確に
  3. 高額施術や情報過多による“美的インフレ”が進行
  4. 欧米では「ノーメイク運動」や「スキンミニマリズム」が台頭
  5. ルーティンからの離脱は「静かな革命」
  6. これからの美容は“納得感と選択の自由”が鍵

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