今回のNew Columnでは、米国版『ELLE』美容チームが専門家への取材を元に報じた、最新の美容トレンドを深掘りします。革新的なテクノロジーが、私たちの肌、髪、そして体の未来をどう描き出すのか、その全貌に迫ります。
サーモンDNAで肌を“育てる”時代へ
サケ由来のDNA(ポリヌクレオチド)注入が、肌の若返りに新たな光を当てています。これは、サケのDNA断片からコラーゲン生成を促進する治療法で、海外では既に人気です。皮膚科医らは「自然な仕上がりで、不自然になる心配はほぼゼロ」と評価。効果は最長6~7ヶ月持続します。しかし、米国FDAの承認は未取得であり、専門家は安易な自己判断に注意を促しています。

髪の再生、エクソソーム療法が示す可能性とは
エクソソームは、細胞が生成する小胞で、髪の再生に新たな可能性をもたらすと注目されています。形成外科医のガブリエル・チウ氏によると、「PRPよりもさらに高濃度」で、発毛と毛密度の改善が見られた症例も報告されています。エクソソームは頭皮への注入やマイクロニードリング後に塗布されますが、FDAは「いかなる疾病・症状を治療するエクソソーム製品も承認されていない」と警告しており、今後の研究が待たれます。

メス不要のボディタイトニング、安全と効果の両立
急激な減量後のたるみ肌に、新たな低侵襲治療「レヌビオン」が登場しました。高周波とヘリウムプラズマを皮下に照射し、皮膚を正確に加熱・収縮させることで引き締め効果をもたらします。従来の外科手術に比べダウンタイムが約1週間と短く、形成外科医のアンドリュー・オルドン氏は「非侵襲的な選択肢を持つことは業界の目標だった」と語ります。効果は直後から実感でき、6~9ヶ月かけてさらに改善しますが、信頼できる医師選びが重要です。

■編集長POOINT
~未来の“私”をデザインする美容医療の選択~
美容医療の未来を拓く新技術
リジュラン注射(サーモン注射)やエクソソーム療法など、これらの技術は、これまで治療が難しかった美容の悩みを解決する新しい手段として注目されている。特にリジュラン注射は、自然な仕上がりを求める多くの患者に支持され、今後もさらに普及していくことが予想される。しかし、現時点での施術にはFDAの承認が下りていないものも多く、安全性や効果については慎重な評価が求められる。
また、エクソソーム療法は脱毛症治療に新たな希望をもたらし、今後の技術進化に大きな可能性を秘めている。しかし、まだ承認を受けていない段階であり、科学的な根拠を確立するための研究が進むことが期待される。
これらの新しい技術が進化することで、美容医療はさらに多様化し、個々のニーズに対応する治療法が増加するだろう。医療技術の進化と同時に、法的な規制や倫理的な問題も議論されるべき時期に来ている。
まとめ
美容医療はこれからますます進化し、リジュラン注射、エクソソーム療法、そしてレヌビオンといった新しい技術がその中心を担っていく。このような技術は、FDAの承認を待っている段階ではあるが、その効果と可能性に対する期待は高まる一方だ。患者にとって、より効果的で自然な治療法が増える中で、今後の医療選択に大きな影響を与えることだろう。