SNS広告で気軽に見える美容医療の裏で、実はいま、現場の土台が静かに揺らいでいる。
誰が、どこまで、何をしていいのか….看護師やスタッフが“診療補助”として行っている業務の多くが、法的にはグレーとされ、事故やトラブルの火種となっている。
そんな中、看護師や医療従事者の誇りと安心を守るための動きが静かに始まった。
現場で起きている“無法地帯”を是正するべく、2025年、7月に「日本診療補助協会」が発足。
美容医療の足元を支える「診療補助」の再定義が、いま医療の質そのものを変えようとしているかもしれません。

📌 ざっくりまとめると…
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美容医療の急成長と“診療補助業務の不透明さ”がリスクを生んでいる
自由診療、美容医療の現場では、診療補助の範囲が不明確で、誰が何を担うのかが曖昧なまま業務が進行しており、トラブルが増加している。
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「日本診療補助協会」が設立され、業務の専門性と安全性を高める取り組みを開始
診療補助業務の標準マニュアル作成、認定制度導入、研修実施などを通じて、業務の可視化と専門職化を進める。
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協会の活動により、“見えない安心”を提供する新たな医療現場が構築される
診療補助の明確な線引きが、医療現場での不安を解消し、患者の安心を実現する仕組みが整備される。
日本診療補助協会 設立の背景と理念
急速に拡大する美容医療の現場において、診療補助業務の“グレーゾーン”が深刻化している。医師の指示のもとに行われる診療補助行為は、法的に明確な定義や範囲が未整備のまま運用されており、現場では看護師やスタッフが責任の曖昧な業務を担わざるを得ない状況が常態化している。
この構造的課題を放置すれば、現場の混乱やトラブル、そして何より患者の安全性にも関わるリスクが高まる一方である。
この問題を打開すべく設立されたのが、「日本診療補助協会」だ。
協会は、診療補助の業務を可視化・標準化し、関わる医療従事者の専門性と安全性の向上を図ることを目的に掲げている。
また、業務範囲の明確化とともに、現場で働く看護師が誇りを持ち、安全に働ける環境を構築し、患者にとっての“見えない安心”を提供することが協会の理念である。
この協会を設立したのは、医療法人社団隆盛会 理事長・和倉隆造氏。美容医療を牽引する現場医師としての豊富な経験を持ち、アエルクリニックの運営や日本美容外科学会(JSAS)での活動を通じ、現場に根差した制度設計の必要性を痛感してきた人物だ。診療補助を担う人々が適切に評価され、安心して専門性を高められる社会の実現に向けて、和倉氏の構想が現実の一歩を踏み出した形となる。

写真出典:日本診療補助協会 公式サイト
日本診療補助協会 理事長
和倉 隆造(わくら りゅうぞう)先生
医療法人社団隆盛会 理事長。美容医療の実践と制度設計の両面に精通し、アエルクリニックを全国で4院展開(2025年8月に【新宿院】【大阪院】が新規開院予定)。現場の声を重視した経営姿勢と、高い医療安全意識が評価されている。
日本美容外科学会(JSAS)および日本整形外科学会の正会員。診療補助の“グレーゾーン”に早期から警鐘を鳴らし、看護師やスタッフが法的リスクなく誇りを持って働ける環境を構築すべく、2025年7月「日本診療補助協会」を自ら設立。
診療補助の標準化と専門職の地位向上を目的に、制度と現場をつなぐリーダーとして注目を集めている。
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