2025年上半期、医療機関の倒産が急増―物価高・人件費高騰で事業継続困難
医療機関の倒産が急増しており、2025年上半期の倒産件数は35件に達し、過去最多のペースで推移している。背景には物価高や人件費の高騰などによる収益悪化があり、特に経営者の高齢化や建物の老朽化も影響を及ぼしている。このままのペースで推移すれば、2025年の倒産件数は70件に達する可能性があるとされる。

📌 ざっくりまとめると…
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医療機関の倒産が過去最多ペースに
2025年上半期だけで35件の倒産が発生。病院・診療所・歯科すべてで増加し、このままでは年間70件超えも現実に。
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原因は“収益悪化 × 高齢化 × 建物老朽化”のトリプルリスク
物価高や人件費上昇に診療報酬が追いつかず赤字に。さらに経営者の高齢化と病院の老朽化問題が倒産を加速。
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中小クリニックほど厳しい時代へ
世代交代・経営改善できないまま閉院や整理を選ぶケースが増加。医療の持続可能性をどう確保するかが喫緊の課題。
医療機関の倒産急増か?
2025年上半期(1~6月)の倒産件数は35件に達し、前年(2024年)の同時期をすでに上回るペースとなっている。
内訳は病院9件・診療所12件・歯科医院14件で、特に病院と歯科の倒産は過去最多水準。都市部から地方まで幅広く広がっており、「医療崩壊」は既に静かに進行しているといえる。

出典:帝国データバンク 医療機関の倒産動向調査(2025年上半期)
収益悪化 × 高齢化 × 物価高の三重苦?
倒産の背景には、物価・人件費・光熱費の高騰と、診療報酬の据え置きによる収益悪化がある。
さらに、経営者の高齢化や死亡により後継が不在のまま廃業・整理を選ぶケースが増加。特に個人開業の歯科医院や地方の診療所は、体力を削られやすく、廃院が連鎖する構造的リスクが顕在化している。
