【Breaking News】歯の“無料体験”で契約地獄? セルフホワイトニングで違約金トラブルが急増?

「無料体験」のつもりが、まさかの即日契約。そして違約金──。

セルフホワイトニングを巡る契約トラブルが今、急増している。SNS広告で気軽に予約した20〜30代女性の多くが、サロン現地で「本日限定価格」「今だけ特典」と迫られ、高額な契約を結んでしまう。

しかも施術が「セルフ形式」であるがゆえに、クーリング・オフ制度が適用されない
解約できないまま、不透明な契約に縛られるケースが続出している。

NEROでは、歯科領域の“制度外”美容市場についてこれまでも継続的に取材・報道してきた。
今回の国民生活センターの注意喚起により、改めて法の抜け道を悪用した構造的ビジネスモデルが浮かび上がった。

これは単なる説明不足ではない。
“セルフ”という言葉で制度と責任をすり抜ける、仕組まれた契約構造ではないのか?

画像:啓発資料「無料体験と思ったら…?「セルフホワイトニング」の契約トラブル」出典:国民生活センター(2025年7月22日公表)― セルフホワイトニングの契約トラブルに関する相談が多発

📌 記事をざっくりまとめると…

「無料体験」のはずが現地で“即契約+違約金”を迫られるケースが続出
 → SNS広告を見て来店した若年層が、想定外の高額契約に巻き込まれている実態

・セルフホワイトニングはクーリング・オフ制度の適用外という“制度の穴”に位置する
 → 自分で施術する形式が、特商法・医師法・歯科医師法のいずれからも外れる構造的問題

・NEROでは以前から歯科美容の“制度外領域”に注目してきた
 → 業界の健全性を保つには、「セルフ」という言葉に隠された無責任な構造を再評価する必要がある

その手口とは? SNS広告 → 無料体験 → 即決契約

“入り口は軽やかに、出口は重たく”がこのビジネスの常套句

「無料体験」「今だけ限定」。
SNSや美容アプリでこうした広告を見て、セルフホワイトニングを予約した若年層が、サロンで直面するのは、その場での契約勧誘急かし文句の嵐だ。

  • 「無料なのは今日契約する人だけ」

  • 「今決めれば特別価格になる」

  • 「契約しないと体験料が発生します」

実際、国民生活センターに寄せられた相談件数は、
2022年:86件 → 2023年:174件 → 2024年度(6月時点):236件
と急増中。なかには100万円超の契約契約書がないままの口頭合意まで存在していた。

共通するのは、「その場で決めさせる」ことを前提に設計された流れ
言葉は軽く、契約は重い。
そのギャップが、今の若年層を静かに飲み込んでいる。

【Breaking News】歯の“無料体験”で契約地獄? セルフホワイトニングで違約金トラブルが急増?

クーリング・オフ不可──“セルフ”が制度を無効化する

この問題の根底にあるのが、「セルフ施術」という形態そのものだ。
自分で薬剤を塗布し、照射まで行うセルフホワイトニングは、施術者が存在しない。

そのため、以下のような規制が“適用されない”という現象が起きている

  • 特定商取引法のクーリング・オフ対象外

  • 契約書交付義務なし

  • 医師法・歯科医師法の規制対象外

つまり、“誰も施術していない”という理由で、事業者はあらゆる法的責任から逃れることが可能になる。
これは法制度の盲点を突いた、“無敵のグレー契約モデル”だといえる。

消費者は、自覚のないまま「法の保護を受けない」契約を交わし、違約金付きの地雷を踏む構造に巻き込まれていく。

【Breaking News】歯の“無料体験”で契約地獄? セルフホワイトニングで違約金トラブルが急増?

制度と倫理の抜け道が、業界の信頼を崩している?

NEROでは以前より、ホワイトニングや審美歯科における制度のグレー領域に注視してきた。

今回のセルフホワイトニング事例は、規制の外に置かれた美容ビジネスが“契約リスク化”する典型だ。

本来は…..

  • 安価で

  • 手軽で

  • 好きなときにできる

という魅力があったセルフ美容。
だがその裏では、消費者の“契約の自由”が確実に削られている

美容業界の信頼性を守るためにも、次の一手が必要だ。
たとえば:

  • クーリング・オフ制度の適用範囲の拡張

  • “実質的にサービス提供が行われているか”という観点での法的再評価

  • セルフ系業者に対する契約・説明義務の明確化

このまま放置すれば、被害者が増えるだけでなく、真摯な美容医療や歯科クリニックまでが巻き込まれるリスクがある。

編集長ポイント
~「やっていない」ではもう逃げられない──制度の隙を突いた美容契約に終止符を~

「セルフだから法の外」──それは本当に正当化されるのか?

セルフホワイトニングの契約トラブルは、単なる個別事例の積み重ねではない。そこに共通するのは、制度の想定を巧みにすり抜ける“構造的モデル”が存在するという事実だ。

施術者が不在であるがゆえに、クーリング・オフも効かない。
医師法も歯科医師法も適用されない。
契約書の交付義務すらなく、違約金という“出口戦略”まで用意されている。

これは「やっていないから、責任もない」という時代遅れのロジックの延命に過ぎない。

そもそも、美容や歯科における信頼とは、法的なギリギリを攻めることではなく、利用者との誠実なコミュニケーションに基づくものだ。
消費者が「騙された」と感じた時点で、それはもう信用ではない。

セルフサービス市場が拡大する今だからこそ、“誰が責任を持つのか”を明確にするルール設計が不可欠である。
制度と倫理のグレーゾーンに業界が無自覚である限り、そのツケはやがて、美容医療・歯科全体の信頼低下として跳ね返ってくるだろう。

【Breaking News】歯の“無料体験”で契約地獄? セルフホワイトニングで違約金トラブルが急増?

まとめ

  • セルフホワイトニングの契約トラブルが前年比倍増

  • 「無料体験」からその場で高額契約へと誘導される流れ

  • “セルフ施術”ゆえにクーリング・オフ制度が効かない

  • 医療・歯科法の規制も及ばず、無資格営業が常態化

  • NEROでは歯科美容のグレー問題を継続的に報道中

  • 今後は制度改正と業界の倫理的自主規制が必要不可欠

▲以上で終了▲

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