韓国への美容医療を受けたい勢いと、制度変更・トラブルの影とは？
韓国の美容医療産業が世界を巻き込む勢いを見せている。
2024年には外国人患者が過去最高の120万人に達し、日本と中国が全体の6割を占めた。
ソウルの「整形ストリート」狎鷗亭洞には観光客が集中し、“ウィークエンド整形”や“ついで整形”が新たな旅行スタイルとして定着している。
背景には、韓流カルチャーとともに世界的人気を集める「Kビューティー」――韓国式スキンケアや美容整形、メイクトレンドを総称するブランド概念がある。
その魅力は「最新トレンドが体験できる」「日本より2〜3割安い」といった要素と結びつき、韓国美容医療を一大輸出産業に押し上げている。
しかし、盛況の裏では制度変更や価格不透明、過剰な勧誘、健康リスクといった影の部分も浮上している。
📌 記事をざっくりまとめると…
外国人患者120万人、皮膚科が最多の70万人超
訪韓整形は日本人・中国人が6割、ソウルに一極集中
安さとKカルチャー人気が追い風に
VAT還付廃止で“コスパ神話”に揺らぎ
価格不透明・不要施術勧誘・個人情報流用などトラブル多発
専門医偽装広告や地方格差拡大も問題視
INDEX
成長の背景 ― 世界を惹きつける「Kビューティー」
韓国保健福祉部によると、2024年に韓国で医療サービスを受けた外国人は約120万人で過去最高。
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皮膚科が70万5000人で最多
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国籍別では日本1位、中国2位
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両国で全体の6割を占める
ソウル・狎鷗亭洞「整形ストリート」には観光客が集中し、
週末に訪れて施術する“ウィークエンド整形”、
ライブ観覧と組み合わせた“ついで整形”が広がっている。
背景には、世界的人気を誇る「Kビューティー」がある。
これは、韓国式のスキンケア・メイク・美容整形を総称するブランド的概念で、韓流カルチャーの浸透とともに「韓国＝美容先進国」という認識を広めた。
さらに、日本で受けるより2〜3割安い価格優位性が強力な追い風となっている。
制度と価格リスク ― 揺らぐ「コスパ神話」
盛況に見える韓国美容市場にもリスクが潜む。
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外国人患者への10％VAT還付が2026年から廃止
→ 韓国で整形する魅力の一つ「安さ」が低下し、外国人離れの懸念。 -
「25％割引」と宣伝しながら実際は市価の2倍で設定
→ 価格の不透明性が批判の的に。 -
不必要な施術の勧誘、流れ作業的な施術
→ 術前説明や評価不足による健康リスクが指摘される。
構造的課題 ― ソウル一極集中と信頼性の欠如
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外国人患者の85％以上がソウルに集中 → 地方との格差拡大
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非専門医でも一部施術可能 → 広告では「専門医」と誤認させる誘導が横行
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患者写真や個人情報の無断使用 → 倫理的リスク
中国でも話題になっているため、
「国内で可能な施術は国内で受ける」「病院は友人の実体験を重視」「訴訟歴や規模を事前調査」「誇大広告に注意」といった対策を呼びかけているという。
編集長POINT
～120万人が殺到する韓国整形、その強みとリスク～
韓国の「美容医療経済」は、観光と医療を結びつけた国家的成長モデルにまで発展した。
だが、その基盤はKビューティー人気、税優遇、価格優位性といった外部要因に依存している。
もし優遇制度が消え、価格の魅力が薄れれば、外国人市場は急速に縮小するリスクがある。
さらに、過剰な商業主義が安全性や誠実さを損なえば、ブランド価値そのものが揺らぐだろう。
日本の消費者にとって韓国整形は身近な選択肢だが、
今後は「安さ」ではなく透明性・安全性・医療品質を基準に選ぶリテラシーが不可欠になる。
Kビューティーの真価は、“信頼の医療”へ進化できるかにかかっている。
まとめ
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韓国美容医療は外国人患者120万人で過去最高
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日本・中国が利用の6割、ソウル集中型
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「Kビューティー」＝韓国式美容（スキンケア・整形・メイク）の総称が人気を牽引
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VAT還付廃止で価格優位性に陰り
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価格不透明・過剰勧誘・個人情報流用など問題化
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今後は安さより信頼と安全性が成長の条件
参考文献
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