【Breaking News】再生医療で50代女性死亡 ― 厚労省、クリニックと細胞加工施設に初の緊急命令

速報:国内初、患者死亡で再生医療に緊急命令

厚生労働省は8月29日、自由診療の再生医療を受けた外国籍の50代女性が投与中に急変し死亡した事案を受け、「一般社団法人THティーエスクリニック」(現:日本医療会 東京サイエンスクリニック、東京都中央区)に対し、再生医療の一時停止を命じた。
また、同法人は死亡事例の発生後、法人名と医療機関名を変更しているという闇深さ。

さらに、同治療に用いた細胞を培養していた「コージンバイオ株式会社 埼玉細胞加工センター」(埼玉県坂戸市)に対しても製造の一時停止命令を下した。

患者死亡を理由とする再生医療安全性確保法に基づく緊急命令は、今回が初めてである。

【Breaking News】再生医療で50代女性死亡 ― 厚労省、クリニックと細胞加工施設に初の緊急命令

📌 記事をざっくりまとめると…

  • 東京都中央区のクリニックで、脂肪由来幹細胞を使った治療中に50代女性が死亡

  • 厚労省は「東京サイエンスクリニック」に治療停止命令

  • 細胞加工を担った「コージンバイオ 埼玉細胞加工センター」にも製造停止命令

  • 再生医療安全性確保法に基づく「死亡例による緊急命令」は初

  • 原因は不明、アナフィラキシーなど急性反応の可能性も

  • 厚労省が徹底調査へ、自由診療再生医療の在り方が問われる

① 患者死亡と初の緊急命令

8月20日、慢性疼痛の治療を目的に自己脂肪由来間葉系幹細胞を培養・点滴投与された50代外国籍女性が治療中に急変。搬送先の病院で死亡が確認された。

厚労省は29日、「日本医療会 東京サイエンスクリニック(旧THティーエスクリニック)」に対し再生医療の一時停止を命令。さらに、細胞を加工した「コージンバイオ 埼玉細胞加工センター」に対しても製造の一時停止を命じた。

【Breaking News】再生医療で50代女性死亡 ― 厚労省、クリニックと細胞加工施設に初の緊急命令

② 原因は不明、行政は厳格対応

クリニックは「アナフィラキシーの可能性もある」と説明しているが、現時点で死亡と治療の因果関係は特定されていない

厚労省は「経緯を考慮すれば、再生医療との関連を否定できない」としており、今後は第三者調査や解剖結果を踏まえ原因究明を進める。

③ 自由診療の再生医療に影落とす

自由診療で広がる「幹細胞点滴」「エクソソーム療法」などは、科学的根拠や品質の規格化が不十分と繰り返し指摘されてきた。
今回の死亡事案と緊急命令は、

  • 規制の網が不十分な自由診療

  • 細胞加工施設の管理体制
    に改めて警鐘を鳴らすこととなった。

【Breaking News】再生医療で50代女性死亡 ― 厚労省、クリニックと細胞加工施設に初の緊急命令

編集長ポイント
~再生医療に初の緊急命令 ― 自由診療の安全性に警鐘~

今回の事案は「再生医療の安全神話」に揺さぶりをかける重大な事件だ。
とりわけ自由診療で提供される細胞治療やエクソソーム点滴は、“未病や若返り”という期待と、科学的根拠不足の狭間にある。

厚労省が示した緊急命令は「命を守る最後の歯止め」として機能したが、同時に患者にとって安全な制度設計の不在を露呈した。
今後は、

  • 加工細胞の規格化・トレーサビリティの徹底

  • 自由診療における透明な臨床データ開示

  • リスクとベネフィットを踏まえた説明義務の強化
    が不可欠となるだろう。

再生医療は未来を切り開く技術である一方、信頼を失えば一気に市場は崩壊する。産業と科学のバランスをどう設計できるかが、これからの日本医療の試金石になる。

【Breaking News】再生医療で50代女性死亡 ― 厚労省、クリニックと細胞加工施設に初の緊急命令

まとめ

  • 東京都中央区のクリニックで再生医療中に50代女性が死亡

  • 厚労省は「東京サイエンスクリニック」に治療停止命令

  • 細胞加工を担った「コージンバイオ 埼玉細胞加工センター」に製造停止命令

  • 再生医療安全性確保法に基づく死亡事案での緊急命令は初

  • 原因は不明、厚労省が徹底調査へ

  • 自由診療の再生医療に制度的課題、規格化と透明性が焦点