Ultherapy PRIMEの技術概要
Ultherapy PRIMEは、超音波をSMAS層(表在性筋膜)にピンポイントで照射し、
コラーゲン再構築と自然な皮膚引き締め効果を誘発する非侵襲リフト技術。
今回の新承認では、上腕部・腹部の皮膚弛緩に対する有効性が臨床的に認められた。
試験データでは、皮膚のハリ・滑らかさ・タイトニング効果の向上が確認され、
施術後のダウンタイムが少ない点も評価された。
Merz社は、今回の承認を「非侵襲リフトのボディ領域進出を示す歴史的マイルストーン」と位置付けている。
美容医療の新潮流:「全身型リフト」への拡張
これまで「リフトアップ=顔中心」とされてきた美容医療の概念が変わりつつある。
近年では、二の腕・腹部・太ももなどの“ボディタイトニング需要”が急増。
特に北米・中東・アジアでは、顔と体を統合的にケアする“ホリスティックリフト”が主流になりつつある。
Ultherapy PRIMEの登場は、
「切らずに全身の老化サインを整える」非侵襲医療の進化を象徴する。
今後は、ボディデザイン・皮膚再生・リフトアップが交差する
“統合的アンチエイジング医療”への転換が加速するとみられる。
市場展開とアジアへの波及
Merz Aestheticsは、2026年前半にもアジア太平洋地域への展開を開始予定。
特に日本市場では、非侵襲施術の需要増加とともに、
「顔+体」を同時にメンテナンスする医療美容メニューが急速に浸透している。
同社グローバル戦略責任者は声明で次のように述べている。
「Ultherapy PRIMEは“顔だけで終わらない美容医療”を提案する。
患者の自信を支える全身ケアの時代を、科学的根拠とともに切り開いていく。」
編集長POINT
フェイスリフトの概念が“全身医療”へと進化する時代
Ultherapy PRIMEの承認は、単なる適応拡大ではなく、
美容医療が“局所治療”から“全身構造医療”へと進化する転換点だ。
もはや「顔を上げる医療」ではなく、「全身の生体機能を整える医療」へ。
その中心にあるのは、再生医療・栄養療法・エネルギーデバイスを
横断的に扱えるドクターの存在だ。Ultherapy PRIMEが切り拓いた“非侵襲ボディ治療”の扉は、今後、リフトアップの定義そのものを再設計する可能性を秘めている。
まとめ
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Ultherapy PRIMEが腕・腹部のFDA承認を取得、ボディ領域へ正式進出。
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超音波リフト技術が「全身最適化」の時代を切り拓く。
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非侵襲医療の市場は「顔中心」から「全身包括型」へ変化。
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美容医療は、再生・予防・デザインが交差する複合医療へ向かう。
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日本を含むアジア市場への導入時期にも注目が集まる。
NEROでは、世界各国における医療の制度変容と自由診療の構造分析を継続的に報じている。
今後も「医療市場の倫理とサステナビリティ」をテーマに、
世界と日本の差分、どこまで自由診療を拡張すべきか、その境界を問い続ける。