【Global News】スコットランドで未成年が美容医療トラブルで負傷 — 規制強化を求める声が急拡大

スコットランドで、15歳前後の未成年がボトックスや皮膚フィラー注入の失敗により健康被害を受ける事例が相次いでいる。
消費者支援団体の調査を受け、同国政府は18歳未満への非外科的美容医療を違法とする法案を提案。
美容医療市場の拡大と規制の遅れが生む構造的リスクが、欧州で改めて浮き彫りになった。

📌 記事をざっくりまとめると…

  • スコットランドで15歳程度の未成年が美容医療トラブルで救済を求める事例が発覚

  • 消費者団体ADSが過去2年間で430件の苦情を把握

  • 被害総額は19万2,000ポンドに上る

  • 無資格施術者による注入・自宅や公共の場での施術が問題視

  • スコットランド政府は18歳未満への非外科的施術を違法化する法案を提案

① 未成年被害が顕在化したスコットランドの実態

消費者支援団体アドバイス・ダイレクト・スコットランド(ADS)によると、過去2年間で430件以上の美容医療関連の苦情が寄せられた。
これらの事例により、消費者が被った経済的損失は合計19万2,000ポンドに達している。

報告には、15歳前後の若者がボトックスや皮膚フィラー注入を受けた結果、強い腫れや体液貯留を起こし、医療的な対応を必要としたケースも含まれている。
一部の被害者は、施術後も十分なアフターケアを受けられず、問題解決までに長期間を要したという。

② 無資格施術とSNS集客が生む制度の空白

ADSは、無資格の美容師や個人施術者が、自宅や公共の場所で注射行為を行っている事例が複数確認されたと指摘する。
施術前には十分な説明が行われず、希望していなかった施術をアップセルされるケースも報告されている。

背景には、SNSを通じた安易な集客と価格訴求がある。
現行制度では、こうした無資格施術に対する実効性のある苦情処理や救済制度が乏しく、被害者が泣き寝入りする構造が温存されてきた。

③ 政府が踏み出した「18歳未満禁止」法案

こうした状況を受け、スコットランド政府は18歳未満への非外科的美容医療を違法とする法案を提出した。
法案では、認可施設での施術義務、施術者資格の明確化、監査・是正権限の強化などが検討されている。

政府関係者は、「非外科的施術を選択するすべての人が安全に受けられる環境を整えることが目的」としており、
同法案は欧州でも最も踏み込んだ美容医療規制の一つとなる可能性がある。

編集長POINT
~未成年×無資格施術は市場拡大の“副作用”──日本美容医療として考えると~

今回のスコットランドの事例は、美容医療市場の拡大と制度整備の遅れが生む典型的な副作用を示している。
SNS主導で需要が先行し、資格・施設・責任の所在が曖昧なまま施術が行われる構造は、日本の美容医療市場とも無縁ではない。

日本では未成年施術が完全に違法ではない領域も多く、
・カウンセリングの実質形骸化
・同意取得の形式化
・医療と美容の境界の曖昧さ

といった課題は、今後さらに顕在化する可能性がある。
「誰が、どこで、どの条件で施術できるのか」を制度として明文化することは、日本美容医療にとっても避けて通れない論点である。

まとめ

  • スコットランドで未成年の美容医療被害が社会問題化

  • 無資格施術・SNS拡散が被害を拡大

  • 政府は18歳未満への非外科的施術を違法化する法案を提出

  • 欧州全体で美容医療規制強化の流れが加速

  • 日本美容医療も制度的な「未整備領域」の再点検が求められる

NEROでは、世界各国における医療の制度変容と自由診療の構造分析を継続的に報じている。今後も「医療市場の倫理とサステナビリティ」をテーマに、日本がどこまで自由診療を拡張すべきか、その境界を問い続ける。