【Global News】IMCAS 2026閉幕レポート──世界最大の学会が示した「選ばれ続ける美容医療」

📌 記事をざっくりまとめると…

  • IMCAS World Congress 2026は参加者21,764人を集めた世界最大級の美容医療学会

  • 学会の主軸は新技術ではなく、安全性・解剖・合併症・検証

  • 再生医療・エクソソーム・AIは「ブーム」ではなく検証フェーズ

  • 死体解剖・超音波・危険部位など基礎回帰型プログラムが中心

  • 美容医療は「若返り」ではなく老化をどう扱うかが評価軸になった

2026年1月29日から31日にかけてフランス・パリで開催された
IMCAS World Congress 2026が閉幕した。

NEROでは開幕直後、「美容医療は技術競争から、安全・構造・老化科学へ移行している」という視点で速報を行った。


本稿は、その最終報告データ・公式レポート・全プログラム構成を踏まえた閉幕後の総括である。

結論は明確だ。
IMCAS 2026は、「目新しさ」ではなく、“選ばれ続ける医療の条件”を世界に突きつけた学会だった。

【Global News】IMCAS World Congress 2026が映す“次の10年”──美容医療は「技術競争」から「安全・構造・老化科学」へ

© IMCAS World Congress 2026
Source: IMCAS Official Website
https://www.imcas.com/en/imcas-world-congress-2026

1. 数字が示すIMCAS 2026の「重心」

IMCAS World Congress 2026は、単なる展示会型イベントではない。

  • 参加者数:21,764人

  • 講演者:1,145人

  • セッション数:225

  • 出展企業:402社

  • 非スポンサー科学セッション:64%

とくに注目すべきは、商業色の薄い科学セッションが依然として多数派である点だ。

IMCASは「売る場」ではなく、
世界の医師が“何を信じ、何を捨てるか”を決める場として機能している。

2. 技術競争の終焉──安全・解剖・合併症が主役に

IMCAS 2026で最も多く配置されていたのは、以下のテーマだった。

  • 死体解剖ワークショップ

  • 顔面・血管の危険部位

  • 注入合併症・血管閉塞

  • 超音波による可視化

  • EBD(エネルギーデバイス)の安全管理

これは偶然ではない。
世界的に美容医療トラブルが増加している現実が、プログラム構成に反映されている。

「うまくやる」よりも、
“事故を起こさない医療”が評価される時代に入ったことを、IMCASははっきり示した。

3. 再生医療・エクソソームは「夢」から「審査」へ

再生医療、エクソソーム、PRP、幹細胞、成長因子──
これらはIMCAS 2026でも数多く取り上げられた。

ただし語られ方は、数年前とは明らかに違う。

  • エビデンスはどこまであるのか

  • 未解明なリスクは何か

  • 品質管理・再現性は担保されているか

「使えるか」ではなく「説明できるか」が問われる構成だった。

これは、
再生医療が“夢の技術”から“選別される医療”へ移行したことを意味する。

4. 老化科学とAIが、美容医療の「主語」になった

IMCAS 2026では、以下のテーマが周縁ではなく中心に置かれた。

  • Aging Science(老化科学)

  • AI・ロボティクス

  • GLP-1と皮膚・顔への影響

  • 栄養・エピジェネティクス・バイオハッキング

美容医療はもはや
「見た目を若返らせる医療」ではない。

老化をどう理解し、どう介入し、どう付き合うか
その設計力こそが、評価軸になった。

IMCAS 2026は何を教えてくれたのか?

IMCAS World Congress 2026は、
医師や業界関係者だけの学会ではない。

世界最大級の学術集会が示した変化は、
これから美容医療を受ける側の「選び方」そのものに直結している。

今回のIMCASで、繰り返し強調されたのは
「どんな治療をするか」ではなく、
「どんな姿勢の医療が、長く選ばれ続けるのか」という問いだった。

では、私たちは何を見ればいいのか?

IMCAS 2026が示した“選ばれ続ける美容医療”を、
患者目線に翻訳すると、次の3点に集約される。

  • 「最新です」より、「なぜ安全なのか」を説明できるか

  • メリットだけでなく、リスクや限界も具体的に話すか

  • 流行の名前ではなく、解剖・管理・経験の話が出てくるか

逆に言えば、

  • 「世界初」「最先端」「今SNSで話題」

  • なのに 合併症・管理体制・長期リスクの説明が薄い

こうした医療は、
世界の一流学会ではもはや評価の中心にない

IMCAS 2026が静かに示したのは、
「派手さ」ではなく
説明できる医療、壊れにくい医療こそが残るという現実だ。

これは、
これから美容医療を選ぶすべての人にとって、
“失敗しないための共通言語”になり得るかもしれない。

編集長POINT―IMCAS 2026は「派手な医療」ではなく“壊れない医療”を選んだ

IMCAS 2026を俯瞰すると、世界の答えは一つだ。

  • 安全に使えるか

  • 科学的に説明できるか

  • 長期的に信頼されるか

この3点を満たさない美容医療は、
どれだけ流行っても、選ばれ続けない

日本でも自由診療は拡大している。
だからこそ、IMCAS 2026が示したこの基準は、
数年後の日本市場の未来図でもある。

まとめ

  • IMCAS 2026は「世界の美容医療の現在地」を確定させた

  • 技術競争から、安全・構造・老化科学への転換が鮮明

  • 再生医療やAIは検証フェーズに本格突入

  • 美容医療は「説明責任」を果たす医療だけが残る

NERO 安達健一 

NEROでは、世界各国における医療の制度変容と自由診療の構造分析を継続的に報じている。今後も「医療市場の倫理とサステナビリティ」をテーマに、日本がどこまで自由診療を拡張すべきか、その境界を問い続ける。