📌 記事をざっくりまとめると…
資生堂の「美の検診(税込3万円)」が予約争奪戦
13項目・約200データから144タイプを導出
体験時間は約3時間、「肌・身体・心」を横断測定
満足度・継続意向95%以上
SNS拡散を起点に、数千人待ちの状態
静かに反転した市場
資生堂が横浜・みなとみらいの研究拠点で提供する「Shiseido Beauty Diagnosis Lab(美の検診)」に予約が殺到している。
110年以上の研究データを基盤に、「肌・身体・心」を13項目で測定。
3万円という高価格帯にもかかわらず、予約は即日完売。現在は数千人待ちの状態に入った。
背景にあるのは、“モノを売らない体験”という構造転換だ。

画像出典:Shiseido Beauty Diagnosis Lab 公式サイト
出典:ITmedia ビジネスオンライン 2026年2月17日
INDEX
① 13測定×144タイプ──「マニアック」の正体
従来の“肌タイプ診断”とは一線を画す設計。
本サービスでは、以下を含む13項目を測定する。
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角層タンパク量
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歩容美(歩行解析)
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鼻骨格
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五感感受性
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自律神経
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酸化・糖化
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毛細血管
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体組成
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握力 ほか
約200データを取得し、144通りのタイプ分類を実施。
さらに、
「3年後」「20~30年後(ノーマル/ベスト)」の未来予測まで提示する。
美容を“今の悩み解決”から、
“時間軸で設計する行動変容モデル”へ再定義した点が本質だ。
② なぜ3万円でも埋まるのか──SNS拡散の構造
販促費はほぼゼロ。
転機は体験者によるXやnoteの詳細レポートだった。
1投稿で
199万インプレッション・1.1万いいねを獲得。
評価ポイントは:
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モノを売られない安心感
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自分を深く知る体験価値
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エンタメ化された診断体験
主な顧客層は20〜30代女性(約8割)。
近年は若年男性ペアや夫婦来店も増加している。
これは、
“所有消費”から“自己理解消費”へのシフトを象徴する動きだ。
③ 研究還元型ビジネスモデルという設計思想
最も重要なのは、
この事業が単体利益を目的としていない点である。
取得データや顧客フィードバックを
研究開発へ還元するR&Dモデルとして位置付けている。
いわば、
「顧客参加型・美容研究プラットフォーム」
である。
満足度は95%超。
すでにリピーターも生まれている。
“美容版健康診断”を、
年1回の習慣消費へ昇華させる構想だ。
編集長POINT|あなたは“理解して”美容しているか?
今回の動きは、単なるヒット事例ではない。
美容市場は今、
施術中心 → メンテナンス → 診断プラットフォーム型
へと構造転換している。
特に示唆的なのは:
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医療の「健診モデル」の美容化
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データ取得→商品開発への循環設計
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SNSが生む予約困難プレミアム構造
将来的には、
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美容医療前のベース診断標準化
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生活習慣データとの統合
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老化予測×予防設計型ビジネス
へと発展する可能性がある。
“未来顔予測”は、
恐怖マーケティングではなく行動変容設計である。
ここに、美容と医療の境界が再定義される兆しがある。
消費者の本音はどこにあるのか
一方で、消費者側はどうか。
また、多くの人が、こう感じている。
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何をやれば正解か分からない
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とりあえず流行っているから試す
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不安だから、何か足す
でも本音は違う。
「自分に本当に必要なことが知りたい」
今回の「美の検診」が刺さった理由は、
ハイテクだからでも、予約困難だからでもない。
“自分の現在地”を可視化してくれるからだ。
しかも、
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3年後どうなるのか
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20年後どう老けるのか
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ベストな未来は何か
まで見せてくれる。
これは恐怖を煽る装置ではない。
“納得して選ぶための材料”だ。
「迷いながら足す美容」からの卒業
美容はこれまで、
足す・消す・上げるという“処置中心”だった。
でも今、求められているのは
「迷いながら足す美容」ではなく
「理解して選ぶ美容」
3万円を払う理由は、
キレイになりたいからだけではない。
“ちゃんと知ってから選びたい”からだ。
この欲求は、確実に次のスタンダードになる。
まとめ
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3万円でも埋まるのは測定体験価値の高さ
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13測定×144タイプの高度化
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SNSが生む予約困難ブランド化
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研究還元型R&Dモデルという新構造
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美容は「施術」から「データ診断」へ進化中


