人類は「不老不死」を手に入れられるか？インターネット、iPhone、そしてChatGPTといった革新的な技術が常にパラダイムシフトを引き起こしてきたように、今また新たなイノベーションが誕生しつつある。慶應義塾大学の早野元詞氏をはじめとする研究者たちが、老化研究を推進し、人類の寿命を250年に延ばすことを目指している。

老化は「病気」であり、治療可能だという考え方が広まりつつある。ハーバード大学のデビッド・A・シンクレア教授は、老化の原因を解明し、若返りの研究を進めている。カロリー制限やNAD＋（ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド）の活性化によって、老化を遅らせることが可能だとされている。NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）サプリメントは、その前駆体であり、長寿効果が期待できる。

アメリカでは、アンチエイジング研究が活発に行われ、巨額の資金が投入されている。例えば、Altos Labsは30億ドルを集めて若返りの研究を進めている。また、メトホルミンやラパマイシンといった既存の薬物も、抗老化効果が期待されている。

老化はエピゲノム（遺伝子発現の変化）によるものであり、適切な方法で付箋紙を元に戻すことで、若返りが可能になる。山中ファクターを利用した研究も進んでおり、老化したマウスを若返らせる実験に成功している。早野氏は若返りの化合物を探索しており、これにより人生250年が現実のものとなるかもしれない。