NEROでは、美容医療に関連するニュースやトピックを5秒でわかる内容にしてお届けします。今回のNews Topisでは、 厚生労働省が美容医療への若手医師流出に対し、新たな規制を検討。保険医制度見直しの背景とその影響についてのご紹介です。
厚生労働省は、若手医師の美容医療分野への急速な流出に対する対策を検討している。毎年約9000人が医師免許を取得する中で、美容医療に転向する「直美」の割合が増加し、地域医療や保険診療の分野で医師不足が顕著になっている。この状況を受け、厚労省は医師が一定期間、保険診療に従事しない限り、自らのクリニックで保険診療を提供できないという新たな規制を提案した。この規制は医師偏在の是正と、美容医療で頻発するトラブルの防止を目的としている。
現在、保険外診療が主流の美容医療では、傷ややけどの治療など一部で保険診療が適用されるが、多くのクリニックではそれを提供していない。そのため、患者にとって選択肢が狭まるという問題もある。若手医師が高額報酬に惹かれ、美容医療に流入する一方で、地方や外科、産婦人科などでの医師不足が進んでおり、厚労省は保険医制度の見直しにより、この状況の改善を目指している。
一方、美容医療の人気が続くことで医療事故も増加している。2023年度には約800件の美容医療に関するトラブル相談が国民生活センターに寄せられ、特に技術が未熟な若手医師による医療事故が懸念されている。こうした問題に対処するためにも、厚労省は新たな規制を2027年までに施行し、医療財政や患者への影響を最小限に抑えようとしている。