📌 この記事をざっくりまとめると……
- 中国の医薬品医療機器審査機関CMDEが2026年3月、美容用HAフィラーの登録審査ガイドラインを改訂
- 背景には2017〜2022年の5年間で約8,000施設が営業免許取消になった未承認製品流通問題がある
- 規制強化は日系・韓国系製品メーカーの中国市場参入戦略にも影響。「未承認フィラー問題」は日本市場とも共通する課題
美容医療の世界最大市場のひとつ、中国で規制強化の動きが加速している。
2026年3月、中国の医薬品・医療機器の審査機関であるCMDE(Center for Medical Device Evaluation、医療機器評価センター)が、美容用ヒアルロン酸(HA)フィラーの登録審査ガイドラインの改訂版を発表した。
改訂の背景——8,000施設が免許取消になった歴史
この改訂が理解するには、中国で起きてきた問題の歴史を知る必要がある。
中国の美容医療市場は急成長する一方で、未承認の韓国・日本製フィラーの密輸が長年横行してきた。承認品の半額以下で流通するこれらの製品は、品質・安全性が保証されない状態でクリニックに流入し、深刻な健康被害を引き起こすケースが報告されてきた。
2017〜2022年の5年間に、中国当局が営業免許を取消した美容医療施設は約8,000施設に上る。この数字が示すのは、問題の規模の大きさだ。
💡 今回のガイドライン改訂のポイント
・HAフィラー製品の安全性・有効性評価基準の厳格化
・臨床試験データの要求水準引き上げ
・製品の品質管理基準の強化
中国のHAフィラー市場では承認製品として現在、Juvederm(アイルランド)、国産品のHuons、韓国系製品など複数が参入している。
日本市場との共通点
「未承認のフィラーが流通している」という問題は、中国だけの話ではない。日本でも、海外から個人輸入・業者輸入された未承認フィラーがクリニックで使用されるケースが問題視されており、今回の国民生活センターADR事案(事案10)でも未承認ヒアルロン酸が使用されていた。
中国の規制強化の経験は、日本の消費者・規制当局にとっても参照すべき事例だ。
NERO編集長の視点
フィラーの「未承認品流通問題」は、世界共通の課題だ。中国・タイ・日本、そして今回英国で規制が動いている——この流れは偶然ではなく、グローバルな美容医療の規制強化という大きなうねりの一部だ。
患者として最低限知っておくべきことは「使用されるフィラーが国内で承認された製品かどうかを必ず確認する」こと。承認番号や製品名を聞いても答えられないクリニックは選ばない方がいい。
出典
- CISEMA「China CMDE Releases 2026 Revision Guideline for Aesthetic HA Fillers」2026年3月2日
