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更年期が肌に何をするか──「なってみるまで知らなかった」女性が世界で50%超。4,300人調査が突きつける情報格差

更年期が肌に何をするか──「なってみるまで知らなかった」女性が世界で50%超。4,300人調査が突きつける情報格差

 

Galdermaが2026年1月のIMCAS(国際アンチエイジング科学マスターコース)世界会議で発表した世界調査の結論は、率直に言ってショッキングだった。

5大陸・9カ国・4,300人超の閉経前後の女性(45〜60歳)に聞いた結果、
50%以上が「更年期が肌にどんな変化をもたらすか、自分がなってみて初めて知った」と回答した。
多くの女性がそれを40代になってから気づいた。

Galderma グローバル調査 ── IMCAS 2026 Paris, January 30, 2026
5大陸9カ国 4,300人超 閉経前後女性(45〜60歳)
「更年期で肌が変わること」を
半数以上が知らなかった
50%
更年期の肌変化を「自分がなってみて初めて知った」女性の割合
30%
「30代のうちに知りたかった」と回答した女性の割合
3種類
更年期開始以来、顔と体で経験した肌変化の平均種類数

この調査が示しているのは「認知ギャップの存在」と「教育・対話の必要性」だ。
NERO編集部の視点として言えば、美容医療・婦人科・皮膚科の領域で「更年期と肌」に関する研究・情報発信がまだ十分でないことへの、消費者側からの問い直しでもある。

調査対象の女性たちは、更年期開始以来「平均3種類」の肌変化を経験していた。
最も多く報告されたのは以下だ。

更年期後に経験した肌変化(Galderma 4,300人調査)

症状
シワ・ライン
59%
33%
ハリ・弾力の低下
58%
54%
乾燥の増加
56%
58%
くすみ・トーンの低下
40%
30%

肌変化の重症度スコア:平均6/10(女性自身の主観評価)

Physiciansweekly(2026年4月)が報告したドイツ・Rosenpark KlinikのSattler医師の論考と符合する。

Sattler MD et al. J Cosmet Dermatol. 2025; Physiciansweekly April 1, 2026

「閉経前後の数年間は皮膚品質の急速な低下が起きる。エストロゲン低下がコラーゲン産生と細胞外マトリックスの整合性を損なうためだ。エストロゲン補充はコラーゲン含量・品質の向上、血管形成の促進、表皮の水分量・弾力性・厚みの改善によってこれらの変化の多くを軽減できる。」

02
THE GAP

誰が情報を届けるべきだったか──「30代のうちに知りたかった」という声

「30代のうちに知りたかった」と答えた女性が30%超いた。
これは単なる「情報格差」ではなく、医療・美容業界の「誰がこの話をするか」問題だ。

更年期女性を対象とした美容施術の研究がほぼ存在しない

「更年期の皮膚変化に対して審美的治療のみを求める閉経期・閉経後女性に対するミニマリストな美容施術に関する研究の欠如が指摘されている。更年期状態を対象者として含む研究はわずか1件のみだった。」(Sattler MD et al.)

美容医療の臨床データから更年期女性の情報が不足していた

Galdermaが今回、自社の注入系美容医療の臨床試験に「更年期状態」を記録する方針を示したことは、これまでの臨床データに更年期女性の層別情報が十分に含まれていなかったことへの認識を示している。

Galdermaが打ち出した今後の方針(IMCAS 2026発表)

Galdermaが自社の注入系美容医療(injectable aesthetics)の臨床試験において、参加者の「更年期状態(menopausal status)」を記録する方針を示した

「Menopause in the Mirror: Challenges, Science and Aesthetic Solutions」をテーマにしたシンポジウムをIMCAS 2026で開催

「更年期の肌変化に長い間スポットが当たってこなかった──半分の人口に影響するにもかかわらず」(Galderma発表コメント)

03
FOR YOU

大きな2つの問い

「最近スキンケアが効かなくなった気がする」はホルモン変化かもしれない

40代に入って「肌の手ごたえが変わった」「同じケアをしているのに乾燥が激しくなった」と感じる場合、エストロゲン低下による肌の変化の可能性がある。この視点を持って、婦人科と美容クリニック両方に相談することで、より効果的なアプローチが見えてくることがある。

「更年期状態」を考慮した施術設計が必要になる

Galdermaが自社の注入系美容医療の臨床試験に更年期状態を記録する方針を示したのは、ホルモン環境が施術効果・リスクに影響する可能性があるからだ。日本のクリニックでも「この患者は閉経前後か」という視点を問診に組み込むことが、今後の差別化要素になりうる一視点かもしれません。

NERO編集長
NERO編集長

この調査が示す「50%超がなってみて初めて知った」という数字は、更年期と肌に関する研究・情報発信がまだ十分でないことを示している。
NERO編集部の論評として言えば、「更年期と肌」をつなぐ情報を届ける役割を担う場が少なかった、ということだ。
更年期の肌変化は「老化の必然」として片付けられてきた問題だ。
しかし今、Galdermaのような世界的な企業が「更年期×美容」を本格的な研究テーマとして設定し始めた。
日本のクリニックがこの視点を持つことが、次の患者ニーズに応える準備になる。

「30代のうちに知りたかった」という声が30%超いる。
これはNEROが「理解で選ぶ美容医療」を届けるべき理由そのものだ。
NERO編集長
NERO編集長

まとめ

  • Galdermaが2026年1月IMCAS(パリ)で発表。5大陸9カ国・4,300人超の閉経前後女性調査。50%超が「更年期の肌変化を、なってみて初めて知った」と回答。30%超が「30代のうちに知りたかった」と回答した。
  • 更年期後の主な肌変化はシワ(顔59%)・ハリ低下(顔58%・体54%)・乾燥(顔56%・体58%)・くすみ(顔40%)。平均で3種類の肌変化を経験し、重症度スコアは10点満点中6点。
  • Galdermaは今後、自社の注入系美容医療の臨床試験に「更年期状態(menopausal status)」を記録する方針を発表。「半分の人口に影響するにもかかわらず長い間スポットが当たってこなかった」というコメントは、研究・データ収集の不足を認識するものだ。
  • 日本への示唆:婦人科と美容クリニックの連携、問診での更年期状態の把握、そして「40代の肌変化はホルモン変化かもしれない」という情報提供がNEROの役割だ。

よくある質問(FAQ)

Q
更年期の肌変化はいつから始まるか?
閉経の平均年齢は51歳だが、エストロゲンが低下し始めるペリメノポーズ(閉経周辺期)は40代前半から始まることがある。肌のコラーゲン・弾力・水分保持能力の低下は「閉経後5年間で最も急速に進む」と研究で示されており、この時期に適切なスキンケア・美容医療の介入が有効な可能性がある。「まだ早い」と思わず、変化を感じ始めたら専門家への相談を推奨する。
出典:Galderma/IMCAS 2026 BusinessWire; Viscomi B, Muniz M, Sattler S. J Cosmet Dermatol. 2025;24 Suppl 4:e70393
Q
更年期の肌変化に対して美容医療で有効な施術は何か?
エビデンスが最も蓄積されているのは、ヒアルロン酸フィラー(乾燥・ボリューム補填)・バイオスティミュレーター(スカルプトラ・RADIESSE等のコラーゲン産生促進)・エネルギー系機器(HIFU・RF・レーザーによる弾力回復)だ。ただしGaldermaが今回指摘したように「更年期状態の女性を対象とした施術研究がほぼ存在しない」という現実もある。施術選択は担当医師との個別相談のうえで行うことを推奨する。
出典:Galderma/IMCAS 2026; Physiciansweekly April 1, 2026

出典・参考文献

  1. Galderma. "Galderma Tackles Menopause-related Skin Changes With Global Survey and Clinical Trial Inclusivity." IMCAS 2026 World Congress, Paris. January 30, 2026. BusinessWire.
  2. Dermatology Times. "Galderma Prioritizes Menopause-Related Skin Health with New Data at IMCAS 2026." February 4, 2026.
  3. Physiciansweekly. "HRT's Role in Skin Health During Menopause." April 1, 2026.(二次紹介)一次論文:Viscomi B, Muniz M, Sattler S. "Managing Menopausal Skin Changes: A Narrative Review of Skin Quality Changes, Their Aesthetic Impact, and the Actual Role of Hormone Replacement Therapy in Improvement." J Cosmet Dermatol. 2025 Sep;24 Suppl 4:e70393. doi: 10.1111/jocd.70393

※本記事はNERO DOCTOR/BEAUTY編集部が公開一次情報に基づき制作した業界レポートです。医療判断は必ず専門医への相談のうえで行ってください。

安達 健一NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

米国看護師(RN)・MBA保有。広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。

NERO 安達健一