「すっぴんだと唇に血色がない」というお悩み。実はそれは、加齢とともに現れやすくなるエイジングサインの1つ。生まれつき唇の色が薄い方もいますが、年々血色の悪い唇が気になってきたという方も少なくないでしょう。適度に赤みのある唇は、若々しく見せるために大切なポイントです。今回は、普段口紅や色付きのリップが手放せない方のために、リップアートメイクをご紹介します。
INDEX
1.すっぴんの唇に血色がない原因
そもそも、なぜ唇の血色がなくなってしまうのでしょうか。生まれつき唇の血色が悪いとお悩みの方もいますが、次のような原因も考えられます。
■血行不良
唇の皮膚は薄いため、他の部位よりも血行不良の影響を受けやすいです。血行不良の原因となるのは、冷えやストレス、運動不足などが挙げられます。
■体調不良
唇の色は、体調不良時の症状によっても変化します。例えば、紫色の場合には原因として血行不良や冷えが考えられますが、白っぽい場合には貧血の可能性も。女性は月経や出産などで貧血になりやすいため、唇が白っぽいときは注意が必要です。
■紫外線によるダメージ
唇は紫外線の影響を受けやすく、メラニンが発生しやすい部位でもあります。そのため、紫外線をたくさん浴びると、唇が黒ずんでしまいやすくなります。
■摩擦による色素沈着
摩擦は色素沈着を引き起こすメラニン色素を発生させてしまうので、繰り返すと唇がだんだんと黒ずんでしまいます。クレンジングや食事の後に口を拭く際には注意が必要です。唇をなめたり、噛んだりするのもなるべく避けましょう。刺激を与えてしまうだけでなく、乾燥して唇が荒れる原因にもなります。
■加齢
すっぴんだと唇に血色がないという悩みは、年齢を重ねるにつれて徐々に増えてくるようです。これは、加齢によって血管内の細胞が減少し、赤みが減ってしまうことが原因です。また、若い頃と比べると血行不良になりやすいことにも影響します。
2.すっぴんの唇に血色がないときの対処法
色素沈着のないピンク色の唇を目指したい方は、次の方法をぜひ試してみましょう。
■リップクリームやリップ美容液でケア
リップクリームによる保湿ケアは、摩擦に強い唇にしてくれます。唇の色やくすみが気になるときには、リップ専用の美容液やスクラブでスペシャルケアを取り入れてみるのもおすすめです。
■唇や口まわりのマッサージ
唇や口まわりのマッサージは、血行不良の改善に効果的です。まずリップクリームなどを唇に塗り、摩擦から保護するところからスタート。その後、両指で唇の端から小さく円を描くようにマッサージしたり、両指の腹で唇を優しくタップしたりします。これを、5回程度繰り返しましょう。
■リップアートメイク
唇の血色のなさが気になり始める30代後半の女性に人気なのが、リップアートメイク。リップアートメイクをすれば、すっぴんでも唇の血色がいい人のように見せられるでしょう。ただし、「痛みが心配」「不自然に見えそう」と心配になる方もいるようです。
次からは、リップアートメイクとはどのようなものなのか、詳しくお伝えします。
3.リップアートメイクとは
リップアートメイクとは、唇に色素を入れていく医療行為です。専用機器によって、表皮内の深さ0.04~0.2mm程度のところに小さな傷をつけ、そこへ色素を注入します。
ここでは、アートメイクについて解説します。
■リップアートメイクはどのくらい持つ?
リップアートメイクの持ちは、およそ2~3年が目安です。クレンジングで毎回落とすメイクとは違い、施術後の発色の良い状態を長期間キープできます。
■料金相場は?
リップアートメイクの施術料金は、1回につき7~8万円前後が相場です。ただし、1回の施術では色が定着しないことが多いため、2回以上の施術を受けることが一般的。そのためトータル料金は、14~16万円程度になるでしょう。
■タトゥーとの違いは?
皮膚の中に色素を注入する方法には、アートメイク以外ではタトゥーがあります。アートメイクとタトゥーの違いは、色素を入れる皮膚表面からの深さ。
皮膚は、表面から表皮→真皮→皮下組織の順に深くなっていく構造をしています。タトゥーで色素を入れるのは真皮の深い部分。そのため、色は半永久的に残ります。
一方、アートメイクでは浅い表皮部分に色素を入れるため、完全に消えることはありません。肌のターンオーバーとともに、少しずつ色が抜けていくという特徴があります。
4.リップアートメイクのメリット
若い女性にも人気のリップアートメイクには、次のようなメリットがあります。
■メイク落ちが気にならない
メイク落ちしやすいのがリップメイクの難点ですが、リップアートメイクならすっぴんでも唇に赤みがあるため、メイク落ちどころかメイク自体が必要ありません。時短にもなり、メイク直しの手間からも解放されるでしょう。
■顔全体のバランスが整う
リップアートメイクは、理想のイメージを踏まえつつ、唇も含めた各パーツの配置を見ながらデザイニングする施術です。そのため、顔全体のバランスが整い、魅力的に見せられるでしょう。
唇の色だけでなく、加齢とともに下がってきた口角も、自然にリフトアップしたように見せることが可能。人中も短く見せられるので、長年のコンプレックスが解消されるかもしれません。
■顔が明るい印象になる
唇の色が鮮やかになり、輪郭もはっきりすることで、顔全体の印象を明るく華やかに見せられます。メイクをしなくてもきれいなピンク色の唇になれるので、自然と表情も明るくなり、自信を持てるようになるでしょう。
5.リップアートメイクのデメリット
多くのメリットがあるリップアートメイクですが、デメリットもあります。
■施術中の痛みを感じやすい
アートメイク自体は基本的に麻酔を行うため、痛みはほぼないといわれています。ただ、唇に限っては皮膚が薄く、粘膜にも近いことから、ピリピリとした痛みを感じることも。痛みが不安という方は、医師に相談すれば麻酔量を調整してもらえます。事前のカウンセリングで伝えるようにしましょう。
■施術後の変更や修正が難しい
アートメイクの色が抜けるまでには、およそ2~3年はかかります。そのため、施術直後にデザインを変更する、または修正するのはほぼ不可能といっていいでしょう。
初めてリップアートメイクをするときは、1回目で少し薄い色を入れてみて、2回目の施術からさらに濃くするのか、全体のバランスを見ながら調整していくことをおすすめします。
■他の部位よりも施術後に腫れやすい
皮膚が薄い唇は、アートメイク施術後の腫れが出やすい部位でもあります。腫れがなくなるまでの日数は、1週間程度が目安です。腫れはだんだんとひいていくため、それほど心配はいらないでしょう。
6.リップアートメイクのデザイン・色選びのポイント
最後にリップアートメイクのデザイン、色選びのポイントを見ていきましょう。
■リップアートメイクのデザイン
リップアートメイクには、次に挙げたような基本のデザインがあります。
フルリップ | ・リップラインも含め、唇全体に同じ色を入れる。
・はっきりとしたかっこいい印象になりたい方におすすめ。 |
リップライン | ・リップライン(唇の輪郭)にだけ色を入れる。
・輪郭がくすみがちな方、唇の存在感がほしい方におすすめ。 |
グラデーションリップ | ・外側から内側へと色が薄くなるように色を入れる。
・優しく可愛い印象になりたい方、立体感を出したい方におすすめ。 |
シャドウリップ | ・内側から外側に向かって、色が薄くなるように色を入れる。
・リップラインを入れないことで輪郭をぼかし、やわらかな印象に。 ・やわらかい印象になりたい方、ぷっくり感を出したい方におすすめ。 |
オーバーリップ | ・もともとの唇のラインから少しはみ出るように色を入れる。
・輪郭からはみ出しすぎると不自然になってしまうので非推奨。 ・ぷっくり感がほしい方、ボリュームアップしたい方におすすめ。 |
輪郭を大きくはみ出したデザインは不自然になるため、あまりおすすめしません。自然なボリュームアップが叶うようにデザイニングすることが大切です。さらに、もともとのコンプレックスも解消できるようなデザインだと理想ですね。
■リップアートメイクの色
リップアートメイクでもう1つ重要なのが、色選びです。カラーは大きく分けると、ピンク系やオレンジ系、レッド系などがあります。もともとの肌色とのバランスを見ながら決めていきましょう。
くすみが気になる方には、オレンジ系やレッド系、コーラル系がおすすめです。血色感が出て、全体的にヘルシーで明るい印象になれます。
■まとめ
すっぴんだと唇に血色がないというお悩みは、年齢を重ねるとともに感じやすくなります。日頃のケアとしては保湿やマッサージなどがありますが、リップアートメイクという選択肢も、女性たちから人気のようです。すっぴんの唇に自信を持ちたい、メイク落ちを気にしたくないという方は検討してみてはいかがでしょうか。リップアートメイクの施術を受ける際は、本記事でお伝えしたメリット・デメリットのほか、デザインや色の選び方なども参考にしてくださいね。
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【治療の内容】
・アートメイク
【治療期間および回数の目安】
・2~3回程度
※治療回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】
・1回 約¥32,000~ ¥75,000
【リスク・副作用等】
痛み、腫れ、赤み、内出血、炎症、色素沈着、色素不定着、色素の変性、麻酔によるトラブルなど
【注意事項】
・次の方は、施術をお受けいただけません。
-ケロイド体質の場合
-施術部位に感染や皮膚炎症が起きている場合
-妊娠中・妊娠の可能性がある場合
-施術部位に高濃度ビタミンA(レチノールなど)配合の基礎化粧品の使用している場合
-体調がすぐれない場合や服用中の薬がある場合
-施術を希望する箇所に金属糸やプロテーゼが入っている場合
※詳細については医師にお尋ねください。
【未承認医療機器を用いた治療について】
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・国内で薬事承認されている治療以外は、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品はありません。