皮膚移植費用の相場は?タトゥーや傷を目立ちにくくする方法も

皮膚移植費用の相場は?タトゥーや傷を目立ちにくくする方法も

タトゥーや傷痕を目立たなくしたい場合に用いられる皮膚移植法。皮膚移植費用が高額である場合、治療をためらう方もいるのではないでしょうか?本記事では、皮膚移植費用の相場とともに、レーザー治療など皮膚移植以外の選択肢について詳しくご紹介。クリニックを選ぶ際の注意点もお伝えします。社会生活において不便さを感じがちなタトゥー・傷痕に関するお悩みに対し、適切な治療を選択したい方はぜひチェックしてください。

1.皮膚移植費用はどのくらいかかる?

出典:photoAC

皮膚移植費用の相場はどのくらいなのでしょうか。どのようにして費用が決まるのか、保険適用になるケースとともに解説します。

■皮膚移植費用はタトゥー・傷痕の大きさで決まる

皮膚移植手術にかかる費用は、タトゥーや傷痕の大きさごとに設定されていることがほとんどです。また、痛みに配慮するため手術の際には局所麻酔を用いますが、除去する皮膚が広範囲である場合は、全身麻酔が用いられるケースも。クリニックが提示しているメニュー料金には、麻酔代が含まれていないケースもあるため、確認しておく必要があります。

■皮膚移植費用の相場

皮膚移植の手術時間は1~2時間程度で、入院期間は必要ないとするクリニックが多く、基本的に日帰りで治療を受けることが可能です。しかし皮膚移植は、タトゥー・傷痕を目立たなくする方法の中でも大がかりな施術といわれています。
皮膚移植費用の相場は、数十万から広範囲の場合は数百万ほどと比較的高額です。例えば10cm×10cm程度のタトゥーの場合、50万円前後の料金を提示するクリニックが多くみられます。

■皮膚移植が保険適用になるケースとは?

自身の治療したい部位が保険適用になる場合、健康保険料を支払っていれば皮膚移植費用を3割負担に抑えることができます。一般的に保険適用になる症状は以下のケースです。

瘢痕

瘢痕(はんこん)とは医療用語で傷痕を意味し、やけど・ケガ・手術でできてしまった傷痕については、皮膚移植が保険適用になるケースがあります。

ケロイド状の傷痕

ケロイドは、傷痕が盛り上がり広がった状態です。体質的なことなどが原因で傷痕がケロイド状になり修正手術が必要と判断された場合、手術費用が保険適用によって3割負担になるケースがあります。ケロイドで皮膚が引きつれると、体を動かしにくくなるなど生活に支障が出ることがその理由です。

外傷性刺青

外傷性刺青は、ケガをしたときに異物が皮膚の中に入り込み、異物を閉じ込めたまま皮膚がふさがれた色素沈着のこと。刺青のような状態となりますが、故意にできたものではないため保険適用となります。

以上のように保険適用になるのは、健康状態に支障をきたしていることや、意図せずに作られた色素沈着や傷痕であることが主な条件です。そのため、「タトゥーまたは自傷行為による傷痕を目立たなくしたい」という整容目的の治療の場合、基本的に保険は適用されません。しかし、保険が適用されない自由診療は選択の幅が広く、医師と相談しながら、悩みや生活スタイルに合った治療を選べるというメリットがあります。

2.皮膚移植とはどんな治療?

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そもそも皮膚移植とはどのような治療なのか解説します。

■皮膚移植とは

皮膚移植とは、皮膚の除去したい部位を取りのぞき、太ももやお尻といった目立たない箇所から採取した皮膚を縫い合わせるという手術で、植皮とも呼ばれる方法です。
なるべく早くタトゥーや傷痕を目立たなくしたい場合、タトゥーや傷痕が広範囲に渡る場合に皮膚移植の治療が向いているといわれています。

■皮膚移植治療後に後遺症は残る?

皮膚移植後の傷は皮膚を採取した部分と縫い合わせた部分の2ヶ所に残ります。また、皮膚移植後のケアも必要で、縫い合わせた部位が安定するまでの1週間程度は安静にする必要があります。
手術する部位が関節にかかる場合は、一時的に体を動かしにくくなるなど、少なからず影響が残る可能性も。カウンセリング時に医師によく確認することが大切です。

3.皮膚移植のほかにどんな治療がある?

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皮膚移植費用が高い、または体への負担が大きく不安に感じる場合、レーザー治療などの方法も検討すると良いでしょう。ここでは皮膚移植以外の方法について、費用相場とともに治療内容をご紹介します。

■レーザー治療

タトゥー除去のレーザー治療は、タトゥーにレーザーを照射して色素を分解し、体外に排出して薄くするという仕組みです。
使用する機器はクリニックによって異なりますが、黒系の単色タトゥーには「QスイッチYAGレーザー」、幅広い色数に対応する場合「ピコレーザー」を用いるケースが多くみられます。傷痕を目立たなくする治療には、肌再生の活性化を促す「フラクショナルレーザー」が多く用いられている傾向です。
レーザー治療は、外科手術に比べて体への負担が少なくダウンタイムが短いことから、タトゥー除去の方法として多くの人から選ばれています。
費用も外科手術に比べると安価で、10cm×10cm程度のタトゥーの場合、1回の照射で6万円前後が相場です。ただし、タトゥーの範囲によって5回〜10回程度の照射が数ヶ月おきに必要で、薄くなるまでは1年~1年半程度の期間をみておく必要があります。

■切除手術

切除手術は、タトゥー・傷痕がある箇所を1回または数回に分けて切除し、皮膚を縫い合わせるという方法で、範囲が小さい場合に限り適応とするクリニックが多くみられます。タトゥー・傷痕の部位に合わせて、形状や適切な量を判断しながら切除し、縫い合わせるという形成外科のさまざまな手技を用いる手術で、術後1~2週間ほどで抜糸が必要です。手術痕は残るものの、適切にケアすることで、数ヶ月経過後は目立ちにくくなるといわれています。
費用は10cm×10cm程度のタトゥーの場合、8万円前後が相場です。

■削皮手術

削皮手術は医療用カミソリなどを使って、皮膚を削り取ることでタトゥーを除去する方法です。皮膚移植のように傷が2ヶ所に残ることがないこと、切除手術のように縫い合わせる必要がないため大きめのタトゥーに対応できることがメリットですが、術後に新たな皮膚が患部を覆ったあと、肥厚性瘢痕という盛り上がりが残るケースも。皮下組織まで色素が残っている場合は、レーザー治療を組み合わせるクリニックもみられます。
削皮手術は費用がかさむ傾向にあり、10cm×10cm程度のタトゥーの場合、30万円以上が相場です。

各治療の費用は、クリニックによって別途麻酔代が加算されるケースがあります。治療する部位の大きさによっても費用は変わるため、詳しくはカウンセリング時に確認すると良いでしょう。

4.タトゥー・傷痕を目立ちにくくする治療を検討する際の注意点

クリニック選びなど、治療を検討する上での注意点をご紹介します。

■治療法の選択肢を用意してくれるクリニックに相談しよう

タトゥーや傷痕を目立ちにくくする治療は、皮膚移植以外にもさまざまあります。仮に皮膚移植しか行っていないクリニックに相談した場合、治療の選択肢はかなり狭まってしまうでしょう。
タトゥーや傷痕の状態に合った治療を選ぶためにも、複数の選択肢を提案してくれるクリニックに相談すると良いでしょう。

■アフターケアが手厚いクリニックを選ぼう

クリニックを選ぶ際は、治療実績の豊富さや口コミはもちろん、アフターケアについてもチェックすると良いでしょう。皮膚移植後のケアを適切に行っているか、治療後に万が一トラブルが起こった場合にしっかりと処置してもらえるかをホームページやカウンセリングで確認し、リスクに備えてください。

■まずはクリニックでカウンセリングを受けよう

皮膚移植やレーザー治療は、治療箇所の状態や通院回数によって料金が変わるため、ご自身で明確な料金を算出するのは難しいかもしれません。予算内かつ信頼のおけるクリニックを選ぶためにも、複数のクリニックでカウンセリングを受け、見積もりを出してもらうと良いでしょう。

■まとめ

タトゥーや傷痕を目立たなくする治療として皮膚移植も一つの方法ですが、医療機器の進歩により、ピコレーザーをはじめとしたレーザー治療でタトゥー除去を行う人も増えています。「費用を抑えてタトゥーを目立たなくしたい」という方は、費用負担が比較的少ないレーザー治療も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。まずは信頼できるクリニックに、治療したい箇所をチェックしてもらい、状態や予算に合った治療法を提案してもらうことをおすすめします。

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