アートメイクは、常にメイクをしているような状態をキープできる施術方法です。以前は不自然になるイメージがあったアートメイクですが、現在は技術も進化しすっぴんでもなじむナチュラルな仕上がりになると注目を集めています。そこで今回は、アートメイクが施術できる部位やメリデメまで詳しく解説。アートメイクが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.アートメイクとはどんなもの?
まずは、アートメイクについて理解していきましょう。
■アートメイクとは
アートメイクは、汗や水で落ちないメイクのこと。0.02~0.03mmほどの皮膚の浅い部分に専用ニードルで色素を入れていくと、2~3回の施術で色素が定着。肌のターンオーバーにより2年ほどで徐々に薄くなっていきます。施術方法はペンシル型の医療針で色素を入れる手彫りと、専用のマシンによる機械彫りの2つ。両方を組み合わせて施術する場合もあります。
「アートメイクとタトゥー(刺青)はどう違うの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。タトゥーとの違いは色素を入れる深さ。アートメイクで色素を入れるのは皮膚の表皮層ですが、タトゥーは表皮層のしたにある真皮層に色素を入れていきます。アートメイクはターンオーバーの影響で徐々に薄くなりますが、真皮層はターンオーバーの影響を受けないため半永久的に消えません。
■アートメイクは医療行為!
アートメイクは医療行為に該当する施術です。そのため、治療が受けられるのは、認可を受けた医療機関のみ。医師もしくは医師の指示を受けた看護師しか施術できません。医療機関以外で施術を受けたアートメイクによりトラブルになることもあるため、必ず認可を受けた医療機関で依頼しましょう。
■昔のアートメイクとの違い
以前のアートメイクは、もう少し深い場所に色素を入れていました。そのため現在よりも長持ちしましたが、反面一度施術するとなかなかデザインが変えられないという声や、眉毛を塗りつぶしたようなくっきりとした仕上がりが基本で、すっぴんでは浮いて見えるという欠点もありました。
現在のアートメイクは、すっぴんになじむナチュラルな仕上がりになるよう進化しています。立体的な仕上がりも可能で、一見アートメイクとわからないケースも多いよう。経過に差もありますが、約2年で消えるため、トレンドの移り変わりに合わせてデザインを調整することも可能になりました。
2.アートメイクができる部位は?
アートメイクは以下の部位に施術できます。
- 眉毛
- アイライン
- リップ
- ヘアライン
- ほくろ
要望が多いのは眉毛への施術です。すっぴんでもきれいな眉毛をキープできれば、ノーメイクでもメイクしているように見せることができます。ナチュラル眉毛や平行眉毛など、好みのデザインに調整も可能。骨格や顔立ちに合わせて適した眉毛を提案してもらえ、アイブロウメイクが苦手な方にも良いでしょう。
アイラインのアートメイクは、目力をアップさせるのに一役買ってくれます。リップのアートメイクは、唇の血色感を高めたり形を整えたりする施術です。アイラインもリップもメイクが落ちやすいですが、アートメイクなら落ちる心配もありません。
髪の毛の生え際にアートメイクする方法もあります。額の広さや生え際のコンプレックスを解消したり小顔に見せたりといった効果が期待できるでしょう。最近はアートメイクでほくろを足す施術も増加。顔の印象に変化をつけるのはもちろん、開運効果を狙う方もいます。
3.アートメイクのメリット
アートメイクにはどんなメリットがあるのでしょうか。
■メイク時間を短縮できる
メイク時間を短縮できる点は、アートメイクの大きなメリットです。毎朝のメイクが面倒、忙しいといった方には、アートメイクによりメイク時間が短縮できると助かるでしょう。メイク直しの時間も省けるので、1日を通してメイクにかける時間が少なくなります。また、プロによるきれいなデザインをキープできるため、メイクのスキルに自信がない方も安心して過ごせるでしょう。
■水や汗で落ちる心配もなく、すっぴんでも怖くない
アートメイクは、メイクと違って水や汗で落ちる心配がありません。とくに眉毛が薄い、一部生えてこないなど、すっぴんに抵抗感のある方も多いはず。アートメイクを施せば、海やプール、温泉、運動をすっぴんでも気にせず楽しめるなど、快適に過ごせる場面が増えるかもしれません。すっぴんに自信が持てるようになるのは、アートメイクのメリットの1つでしょう。
■数年ごとにデザインを微調整できる
ターンオーバーにより数年間で薄くなるアートメイクの特徴は、デメリットではなくメリットとしても捉えられます。メイクのトレンドは変わり、それに伴い好みのデザインが変わることもあるでしょう。一度施術したデザインをすぐに変えられるわけではありませんが、薄くなったタイミングで好みのデザインに調整することもできます。
4.アートメイクのデメリット
アートメイクのデメリットについても理解しておきましょう。
■施術に痛みを感じることがある
アートメイクは針で皮膚を傷つけ、色素を注入する施術です。麻酔クリームを塗って施術するケースがほとんどですが、痛みの感じ方には個人差があるため、チクチクした痛みを感じる方もいるでしょう。痛みが心配なら麻酔を多めにする、途中で追加するなどの対処をしてもらえるよう、事前に相談するのがおすすめです。
■ダウンタイムがある
アートメイクの施術後、色素が定着するまでに1~2週間ほどのダウンタイムがあります。ダウンタイム中の症状はそれぞれ異なりますが、かゆみや腫れ、赤みなどが出る可能性も。施術箇所にできるだけ触れない、清潔にするなど、気を配らなくてはなりません。紫外線やメイクなどもできるだけ避ける必要があるため、仕事などのスケジュールを調整する必要があるでしょう。
■失敗しても簡単には消せない
ターンオーバーにより徐々に薄くなりますが、2年ほどは除去手術をしない限り定着している状態が続きます。仕上がりに満足できない、デザインを変えたいなどといったときに、数年間消えない点がデメリットになる可能性もあるでしょう。どうしても除去したい場合はレーザー治療や切除などの処置が必要となり、費用もかかります。トレンドのデザインにして後悔したという声もあるので、施術前にしっかりカウンセリングしたうえで、納得のいくデザインにすることが大切です。
■顔料の種類によってはMRIが受けられないことも
使用する顔料によっては、MRI検査が受けられないケースがあります。顔料に金属質が含まれている場合、MRI機器に反応して火傷する可能性があるというのがその理由。アートメイクを受ける際には、前もってMRI検査が受けられるかどうか確認しておくようにしましょう。
■まとめ
眉毛のイメージが強いものの、眉毛以外にもアイラインやリップ、生え際と、さまざまな部位に施術できるアートメイク。落ちないメイクとしてすっぴんを格上げしてくれる、メイクの時短になるなど、たくさんのメリットがあります。しかし、例え失敗しても簡単に消すことができないなどのデメリットも。きちんと理解したうえで施術を検討することが大切です。