医療法人美心研 理事長 兼 咲くらクリニック 総院長
小林 直隆 先生
三重大学医学部卒業後、東京大学形成外科、山梨大学皮膚科、自治医科大学形成外科にて研鑽を積む。2003年、愛知県安城市に本院を構える咲くらクリニックを開設し、その後は新宿南口院および大阪院を展開している。アトピー性皮膚炎、にきび、酒さの治療を専門とし、全国各地で講演活動を行うほか、美容レーザーをはじめとした各種デバイスにも精通。デバイスメーカー主催の美容レーザー講師としても活躍している。
「顔の赤みがずっと治らない」「ヒリヒリする赤みが気になる」そんな症状を体質だと思い込んでいませんか。実は、顔の赤みの原因は酒さやアトピー性皮膚炎、常在菌などさまざまで、原因を見誤ると治療が遠回りになってしまうこともあります。
今回は、顔の赤みの原因や診断の難しさ、適切な治療の考え方について、顔の赤みに悩む患者が多く来院する「咲くらクリニック」小林直隆総院長の見解をもとに解説します。
INDEX
その顔の赤み、本当に「体質」で片づけて大丈夫?咲くらクリニック小林総院長が解説
顔の赤みは、「昔から赤いから体質だと思っていた」「スキンケアを変えても良くならない」と感じながら、長く悩み続けている方も少なくありません。
実際の診療では、こうした赤みの背景に皮膚の炎症や血管の反応などが関係しているケースもあり、適切な診断によって改善が期待できる場合もあります。また、顔の赤みやヒリヒリが続く場合は、肌からのサインである可能性もあります。
顔の赤みに悩む方が全国から訪れる「咲くらクリニック」の総院長・小林直隆(こばやし なおたか)先生に、顔の赤みが慢性化する背景と、受診の目安について伺いました。
顔の赤みは肌からのSOS|見逃されやすい初期の変化と慢性化のサイン
顔の赤みは、最初は一時的なものとして現れることがあります。例えば、以下のようなシーンで赤みが気になることはありませんか?
- 運動後や入浴後に赤みが強く出る
- 季節の変わり目にほてりを感じる
- 化粧品でヒリつきやかゆみを感じる
こうした状態が繰り返されるうちに、赤みが徐々に持続するようになり、鼻や頬を中心に広がっていくケースもあります。

慢性的な赤みに悩む方には、次のような共通する傾向が見られることもあります。
- メイクで隠しても、夕方には赤みが戻ってくる
- スキンケアを変えても改善しない
- 皮膚が薄く、ヒリヒリやほてりを感じやすい
- 「昔から赤いから」と体質だと思い込んでいる
こうした症状が続く場合、顔の赤みの原因が肌トラブルや炎症によるものかどうかを確認することが大切です。長く続く赤みには、何らかの原因が隠れていることも少なくありません。
ヒリヒリやほてりを伴う赤みは受診のサイン|小林総院長の見解
顔の赤みは、「メイクで隠れるからまだ大丈夫」と考えて受診を後回しにしてしまう方も少なくありません。しかし実際の診療では、赤みが気になって受診される時点で、すでに症状が進んでいるケースも多いといいます。
小林総院長は、次のように話します。
とくに、顔の赤みやヒリヒリが続く場合は注意が必要です。
小林総院長によると、顔の赤みで受診する際の目安は、赤みが1ヶ月以上続いている場合だそう。1ヶ月以上赤みが引かない場合は、持続的に赤みが生じているとして、受診を検討すると良いでしょう。
赤みは肌の色や体質によって目立ち方が異なるため、「この状態なら必ず受診」という明確な線引きは難しい面もあります。しかし、以下のような変化が続く場合は注意が必要です。
- 赤みが繰り返し出る
- スキンケアや治療をしても改善しない
- 以前よりほてりを感じやすくなった
こうした状態が続く場合、顔の赤みの原因を専門家に確認することで、適切な対処につながる可能性があります。
「まだ受診するほどではないかも」と迷う段階こそ、酒さを見極めるタイミングなのかもしれません。
顔の赤みは見た目だけでは判断できない|考えられる疾患と背景
顔の赤みがあると、「酒さ(しゅさ)かもしれない」「敏感肌だから仕方ない」と考えてしまう方も多いかもしれません。
酒さは、顔の赤みやほてり、ヒリヒリとした刺激感などが続く慢性的な皮膚疾患です。しかし実際には、顔の赤みの原因は酒さだけとは限らず、複数の疾患や体の反応が関係していることがあります。
ここでは、診療現場で見られる顔の赤みの原因について、皮膚疾患とそれ以外の要因に分けて解説します。
皮膚疾患が原因の顔の赤み|酒さだけとは限らない診断の難しさ
顔の赤みの症状がある場合でも、顔の赤みの原因は酒さだけとは限りません。皮膚科の診療では、次のような疾患が原因となっているケースもあります。
- 酒さ
- 酒さ様皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
- アトピー性皮膚炎
- ニキビ
このように、見た目が似ている皮膚疾患が複数存在するため、顔の赤みは診断が難しい症状の1つとされています。
▽顔の赤みの原因は以下の記事をチェック
とくに注意したいのが、酒さがニキビと間違えられるケースです。
顔の赤みやブツブツがあると、多くの方は「ニキビ」と考えがちですが、実際の診療ではニキビとして治療していた症状が、実は酒さだったというケースも少なくありません。

以下は、「咲くらクリニック」で実際に診察した症例です。
このケースでは、他院でニキビとして治療を受けていたものの改善が見られず、「咲くらクリニック」を受診された患者です。詳しく調べたところ、ニキビダニが増殖しており、丘疹膿疱型酒さ(きゅうしんのうほうがたしゅさ)であると小林総院長は診断しました。
ニキビと酒さは見た目が似ていることが多く、診断が難しいケースもあります。ただし、皮膚の状態を詳しく見るといくつかの違いがあると小林総院長はいいます。
一方で酒さの場合、毛穴が詰まっているわけではなく、毛穴の周囲に炎症が起きて腫れている状態が見られることがあります。
また、症状の現れ方に違いがあるのも特徴です。例えば、ニキビの場合は額や頬、あごなど皮脂の多い部位に広く出ることが多いのに対し、酒さでは鼻や頬を中心に赤みや丘疹が集中するケースが見られることがあります。
ただし、見た目だけで判断するのは難しく、ニキビとして治療を続けていた症状が実は酒さだったというケースも。抗菌薬などで一時的に症状が落ち着くこともあるため、原因が特定されないまま治療が続けられてしまうことも少なくありません。
このように、顔の赤みの原因がニキビだと思われていたものの、実際には酒さだったというケースもあるため、ニキビ治療を続けても改善しない場合や、赤みやブツブツが繰り返し現れる場合には、別の原因を疑って診断を見直すことが重要になる場合もあります。
ニキビといわれて治療していたけれど、なかなか良くならないという方は結構多いですね。調べてみるとニキビダニが多く見つかって、そこを治療したら改善した、というケースもあります。
しかし、原因が異なるため症状が完全に改善せず、繰り返してしまうケースも少なくありません。
「ニキビっぽいから」と自己判断せず、改善しない赤みこそ一度診断を見直してみることが大切だといえそうです。
皮膚疾患だけでは説明できない赤みもある|温度差や神経反応によるケース
顔の赤みは酒さや皮膚炎などの皮膚疾患だけで起こるわけではありません。よくある原因の1つが、温度差による赤みだと小林総院長はいいます。
そのため、寒暖差の大きい冬などには赤みが出やすくなる人もいます。
このようなケースでは、皮膚疾患ではなく環境要因が顔の赤みの原因となっていることもあります。
自分の赤みの原因が知りたいと思ったら!咲くらクリニックに相談を
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「赤みが治らない」と感じたときに考えたいこと|咲くらクリニックの診断と治療アプローチ
顔の赤みは、スキンケアを変えても改善しない、治療を受けても繰り返すといった悩みにつながることがあります。こうしたケースでは、表面的な症状だけでなく、顔の赤みの原因を正しく見極めることが重要になります。
「咲くらクリニック」では、赤みを単なる体質として扱うのではなく、原因を丁寧に整理したうえで診断と治療を進めています。ここでは、同院が重視している診察の考え方と、原因に合わせた赤み治療のアプローチについて解説します。
咲くらクリニックが重視する「赤みの原因を見誤らない診察」

顔の赤みは、見た目が似ていても原因が異なることがあります。そのため「咲くらクリニック」では、現在の赤みがどのような要因で起きているのかを丁寧に確認。
肌の状態だけでなく、症状が出始めた時期や悪化するタイミング、これまでの治療歴などを確認しながら、赤みのタイプを整理していきます。
自己判断でスキンケアを続けているケースや、他院で別の診断を受けているケースも少なくありません。そのため、現在の赤みがどのような要因で起きているのかを改めて確認することが重要になります。
小林総院長は、診断の重要性について次のように話します。
せっかく当院を頼って受診してくださる患者さまには、不要な治療や遠回りを避け、できるだけ早く自分に合った治療へとたどり着けるよう、診断に力を注いでいます。
そのため、皮膚にいるニキビダニを採取したり、ポルフィリンを確認するために紫外線ライトを用いたりしながら、赤みの原因を丁寧に特定していきます。
ニキビダニを直接採取できることは、「咲くらクリニック」の強みの1つです。
こうした診察を通して、酒さなのか、別の皮膚疾患なのか、あるいは複数の要因が重なっているのかを見極めたうえで、患者一人ひとりに合わせた治療方針を検討していきます。
原因に合わせて組み立てるオーダーメイド治療と早期診断の価値
赤みの治療では、原因に合わせて治療を組み立てることが欠かせません。例えば、炎症が関係している場合は、保険診療による内服薬や外用薬で炎症に対する治療が中心です。
一方、血管の拡張による赤みが強い場合には、原因に対する治療を行ったうえで、レーザーなどによる赤み治療を組み合わせるケースもあります。
「咲くらクリニック」では、赤みの状態に合わせて段階的に治療を進めていきます。
| STEP1.内服外用治療(原因を抑えるプレ治療) 炎症や常在菌など、赤みの原因となる要素をまずコントロールします。 STEP2.レーザー治療など(赤み治療の中心) 原因が落ち着いた段階で、血管拡張による赤みなどに対してレーザー治療などを行います。 STEP3.維持治療(再発予防と肌状態の安定) 細かな赤みを整えながら、安定した肌状態を維持していきます。 |
このように、赤みの原因や進行度によって治療の組み立ては変わるため、診断の段階で状態を正しく把握することが重要です。早期に原因を特定できれば、よりシンプルな治療で改善を目指せる可能性もあります。
赤みを長期間放置してしまうと血管の拡張が進み、症状が慢性化することがあります。
そうなるとレーザー治療の回数が増えるなど、治療が長期化するケースも少なくありません。
顔の赤みが続いている場合は、体質と決めつけてしまうのではなく、一度原因を確認してみることが改善への第一歩になるかもしれません。
顔の赤みは原因を正しく見極めることで改善が目指せる!
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顔の赤みは「体質」ではなく、向き合うべきサイン
顔の赤みは「体質だから仕方ない」と片付けられてしまいやすい症状です。
しかし実際には、酒さをはじめとする皮膚疾患や肌の炎症、血管の拡張など、さまざまな原因が関係していることがあります。原因を見誤ったままケアを続けても、思うような改善につながらないケースも少なくありません。
また、赤みやヒリヒリが長く続く場合は、肌からのサインである可能性もあります。赤みが続く、ほてりや刺激感を伴うといった変化があるときは、一度肌の状態を確認してみることが大切です。
体質と決めつけてしまう前に、原因を知ることが改善への第一歩になります。
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